民主党は11月4日、地域主権調査会総会(会長:武正公一衆議院議員)を開催し、地方三団体から一括交付金化及び出先機関改革に関するヒアリングを行いました。本会からは渡邊廣吉常任理事(新潟県聖籠町長)が出席し、一括交付金の制度設計にあたって、総額の確保、配分方法、自由度の向上等町村の立場から意見陳述を行いました。
渡邊常任理事は、はじめに一括交付金になった場合、投資的事業の内容が年度により大きく異なる町村は、必要な国庫補助金の額が変動するため必要な財源が確保されるのか、規模の大きな事業が円滑にそして継続的に実施できるのか町村長が非常に心配していること、また一括交付金で国の財源を捻出しようとする動きがあることから三位一体改革の二の舞にならないか、非常に危惧しているとし、こうした懸念を払拭するためにも少なくとも総額は、対象となる補助金等の額と同額を確保し、「国と地方の協議の場」で決定すべきであるとの考えを述べました。
また、配分については、個々の町村において制度化の前後でマイナスの影響を生じさせない制度設計であることが大前提であり、その上で投資的経費の交付基準には、道路の改良率や下水道の普及率など社会資本の整備状況を考慮するとともに、地域間格差が拡大しないよう財政力の弱い団体への手厚い配分が不可欠であるとしました。
続いて、一括交付金の制度設計は、地方が自由に使えるということが明確となるようわかりやすい仕組みにするとともに、法的に自由度を担保するため「補助金適正化法」の適用除外とする必要があると述べました。さらに対象補助金の範囲については、離島振興関係補助金など特定地域の特別の事情により講じられているものについては、一括交付金の対象外とすべきであるとしました。
加えて、一括交付金化の対象と考えられる「地域再生基盤強化交付金」が、平成23年度予算の概算要求において廃止されていることについて、その代替措置を明らかにしていない政府の対応を批判し、国として早急に代替措置を明らかにし、社会資本整備予算の総額を確保するよう強く求めました。
最後に、参加した民主党議員に向け、このヒアリングでの地方の意見が政府への提言に反映されるよう期待していると表明し意見陳述を終えました。