吉田隆行会長(広島県坂町長)をはじめとする地方三団体代表は7月8日、政府が開催した「こども政策に関する国と地方の協議の場(令和6年度第1回)」に出席しました。今回の会合は、子ども・子育て支援法等一部改正法成立を受け、自治体こども計画の策定等について意見交換が行われました。
政府からは、加藤鮎子内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、孤独・孤立対策)、工藤彰三内閣府副大臣、古賀友一郎内閣府大臣政務官、宮﨑政久厚生労働副大臣等が出席しました。
開会にあたり、加藤こども政策担当大臣が挨拶に立ち、「国会では、6月に『子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律』が成立し、これから速やかに各種政策を実行に移していく必要がある。自治体こども計画は、令和5年12月に閣議決定したこども大綱を勘案して、現在各地方自治体で策定に向けた作業を進めていただいている。地方自治体単独事業に充てるこども・子育て支援事業債の対象となる事業は、自治体こども計画策定のためのガイドラインを活用し、地域の実情に応じた計画策定を検討いただきたい」と述べました。
▲出席する吉田会長
続いて地方三団体の会長が挨拶に立ち、オンライン出席した吉田会長からは、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」について、「子どもや子育て世帯のライフステージに応じた切れ目のない支援が幅広く示され、これから子どもを産み、育てていくことを望む方々にとってはいずれも重要な施策であり、我が国の少子化傾向を反転させる効果についても大いに期待をしている」としたうえで、「関係省庁においてこども政策が推進されるなか、こども政策に関する国と地方の協議の場は、日々地域住民に接している私たち自治体の現場の声を、今後の政策に反映していただける重要な場であると考えている。加藤こども政策担当大臣には、本日の議論も踏まえ、少子化克服に向けた実効ある政策を力強く牽引していただくよう、お願いする」と述べました。
その後、意見交換において吉田会長は、子ども・子育て支援金制度や改正子ども・子育て支援法によって創設される施策の実施にかかる町村役場の負担を懸念し、各種施策を円滑に実施できるよう、速やかな情報提供や国主体での事務担当者に対する説明会を開催するとともに、広く国民に制度を理解してもらうための周知・広報などを行うよう要請しました。
また、「こども誰でも通園制度」の実施にあたって、モデル事業の実施状況を十分に検証するとともに、保育士などの人材確保に地域間格差が生じないよう、地域の実情に合わせて円滑に実施する制度設計を求めました。
次いで、「自治体こども計画の策定」について、策定過程において町村が行う事務は多岐にわたるため、速やかな情報提供をはじめ、町村からの相談に応じる体制整備や計画策定にかかる経費に対する財政支援等、国の責任において十分な支援を要請し、発言を締め括りました。
このほか、地方側からは「子ども・子育て支援金の意義についての国民に向けた丁寧な説明」、「ヤングケアラー等の困難を抱えた子供たちへの支援」等を求める発言がありました。
吉田会長の発言を受け、オンライン出席した宮﨑厚生労働副大臣からは、「少子化および人口減少問題は、社会保障制度においても財政面やサービスの供給面においても極めて深刻な課題である。厚生労働省では、こども未来戦略の柱の1つである共働き・共育ての推進を図るために、男性育休の取得促進や年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充など制度改正に取り組んでいる」としたうえで、保育人材確保に関しては、「保育士にとって働きやすい職場づくりを応援するために、業務改善助成金で支援している。ぜひ利用していただきたい」と発言がありました。
▲発言する加藤大臣
最後に加藤こども政策担当大臣から、「こども政策の推進にあたっては、現場で実務を担っている地方自治体の皆さまとの連携が不可欠であり、国と地方が車の両輪となって取り組んでいく必要があると考えている。今後も積極的に意見交換させていただくことを通じて、国と地方の連携をさらに強化したい」との発言があり、閉会しました。