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荒木会長が「第5回こども未来戦略会議」に出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年6月7日

 荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)は6月1日、政府が開催した「第5回こども未来戦略会議」(議長・岸田内閣総理大臣)にオンラインで出席しました。第5回となる本会議では、「こども未来戦略方針」の素案が示され、議論が行われました。
 政府からは、岸田内閣総理大臣、後藤全世代型社会保障改革担当大臣(副議長)、小倉こども政策担当大臣(同)、松野内閣官房長官、松本総務大臣、鈴木財務大臣、永岡文部科学大臣、加藤厚生労働大臣、西村経済産業大臣、斉藤国土交通大臣が出席しました。
 そのほか有識者として、地方三団体を含む関係団体や、子育ての当事者・関係者等が出席しました。
 会議において荒木会長は、少子化対策のための安定財源の確保に向けた新たな枠組みについても、早期に制度設計を進めるよう求めました。

       全景

 開会にあたり、後藤全世代型社会保障改革担当大臣が、
「本日の会議では、これまでの議論を踏まえ、次元の異なる少子化対策を実行に移していくための『こども未来戦略方針』の素案について議論いただきたい」と述べ、議論が進められました。

荒木会長
▲出席する荒木会長

議論の中で荒木会長は、
「こども・子育て支援施策の多くは、住民に身近な地方自治体を通して提供しており、地方の現場が果たす役割は極めて大きい。現場が安心して取り組むことができるよう、施策を支える財源について、しっかりと検討していただく必要がある」と強調しました。そのうえで、本会議に示された「こども未来戦略方針」の素案に「こども・子育て政策の強化は、国と地方が車の両輪となって取り組んでいくべきであり、『加速化プラン』の地方財源についてもこの中であわせて検討する」と明記されたことに対する謝意を示しました。
 続けて、「少子化対策は、我が国の存続に関わる待ったなしの課題であり、町村の多くが人口減少に悩む中、このまま少子化が進めば、地域の存続が危ぶまれるという深刻な状況に直面している。我々町村は、地域に暮らす若者・子育て世代が明るい未来を展望できるよう、地方創生と地域の振興発展に取り組んでいる」と述べました。
 最後に、少子化対策のための安定財源の確保に向けて、「社会全体で負担するという基本的な考え方を元に関係者間の十分な理解を得たうえで、新たな枠組みについても早期に制度設計を進めていただきたい」と述べ発言を締め括りました。

 続いて、出席した関係閣僚から「こども未来戦略方針」の素案を踏まえた今後の対応等について順次発言が行われました。

岸田内閣総理大臣
▲発言する岸田内閣総理大臣

 議論を踏まえ、岸田内閣総理大臣は、
 「本日は、こども未来戦略方針案についてご議論いただいた。若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでが、少子化トレンドを反転することができるラストチャンス。今回の戦略の基本的考え方として、2つの重要なポイントがある。
 第1に、経済成長実現との両立を図り、若者・子育て世代の所得を伸ばすこと。このため、新しい資本主義のもと、力強い成果が出始めている賃上げと人への投資、民間投資の増加の流れを加速化することで、安定的な経済成長の実現に先行して取り組む。そして、経済成長の果実が若者・子育て世代にもしっかりと分配されるよう、最低賃金の引上げや三位一体の労働市場改革を通じて、持続的かつ構造的な賃上げを実現していく。第2に、スピード感。児童手当やこども誰でも通園制度の取組を始め必要な施策は、来年度から速やかに実施していく。
 次元の異なる少子化対策としては、3つの理念、すなわち、構造的賃上げ等と併せて経済的支援を充実させ、若い世代の所得を増やすこと、2番目として社会全体の構造や意識を変えるということ、3つ目、全てのこども・子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること。この3つを基本理念として抜本的に政策を強化する。
 これまでの議論を踏まえて、試案における加速化プランの内容を具体化することに加え、高等教育費の更なる支援拡充策、今後こども大綱の中で具体化する貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児に関する支援策についても、前倒しして実行することとし、全体として3兆円半ばの充実を図る。
 これらにより、我が国のこども・子育て関係予算は、子供一人当たりの家族関係支出で見て、OECD(経済協力開発機構)トップ水準のスウェーデンに達する水準となり、画期的に前進することとなる。
 財源の在り方についてもご議論いただいた。次元の異なる少子化対策と、若者・子育て世代の所得向上とを、いわば車の両輪として進めていくことが重要であり、少子化対策の財源を確保するために、経済成長を阻害し、若者・子育て世代の所得を減らすことがあってはならない。少子化対策の財源は、まずは徹底した歳出改革等によって確保することを原則とする。全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算を最大限活用する。
 このことによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指す。経済成長の実現に先行して取り組みつつ、歳出改革等を複数年にわたって積み上げていくことで安定財源を確保していくが、2030年の節目に遅れることがないように、少子化対策は前倒しで速やかに実施することとし、その間の財源不足にはこども特例公債を発行する。経済を成長させ、国民の所得が向上することで、経済基盤及び財政基盤を確固たるものとするとともに、歳出改革等による公費と社会保険負担軽減等の効果を活用することによって、国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進めていく。
 これまでのご議論を踏まえて、試案を具体化し、更に拡充させることができた。今後、与党とも十分に連携しつつ、骨太の方針に向けて、こども未来戦略方針を取りまとめていく。皆さまにおかれては、引き続き、ご協力をいただくようお願い申し上げる」と述べました。

岸田内閣総理大臣の発言後、会議は閉会されました。