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谷川副会長・会長代行が「国と地方の協議の場」に出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年6月7日

 谷川俊博副会長・会長代行(香川県宇多津町長)をはじめとする地方六団体代表は5月31日、「国と地方の協議の場」(令和5年度第1回)に出席しました。
 政府側は、岸田内閣総理大臣、松野内閣官房長官、松本総務大臣、岡田内閣府特命担当大臣(地方創生)兼デジタル田園都市国家構想担当大臣、井上財務副大臣、永岡文部科学大臣、加藤厚生労働大臣、小倉内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)、後藤内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、大串デジタル副大臣が出席し、「『骨太方針』の策定等について」、「こども・子育て政策について」の2議題について協議しました。

       首相官邸

首相
▲挨拶する岸田内閣総理大臣

 はじめに岸田内閣総理大臣が挨拶に立ち、
「今月8日から、新型コロナを5類感染症に移行した。ウイルスとの戦いに最大限の努力をしてくださった地方の皆さま方に、心から厚く御礼を申し上げる。引き続き、備えを万全にしながら、地方の皆さまとともに経済再生に向けて取り組んでいく。
 マイナンバーカードは、地方の皆さまにもご尽力いただき、その累計の申請数が人口の約8割になった。マイナンバーカードがデジタル社会のパスポートとして本格的に機能していくためには、個人情報保護と国民の信頼確保が前提であり、カードに関係する現下の誤り事案を重く受け止める必要がある。このため、デジタル庁を中心に、総務省など関係府省が連携しカードの信頼確保に向け、事案に関するすべてのデータやシステムの再点検をするなど、万全の対策を迅速かつ徹底して講じていく。地方においても国と連携していただき必要な対策にしっかりと取り組んでいただきたい。
 少子化は、我が国が直面する長年の問題であり、これ以上放置することができない待ったなしの課題として、地方でサービスを提供しておられる皆さまと協力して取り組む必要がある。これまで、こども未来戦略会議において、地方の皆さまにもご意見を承りながら、こども・子育て政策の強化に向けた議論を進めてきた。骨太の方針までに、さらに検討を深め、次元の異なる少子化対策を実行に移していくためのこども未来戦略方針を取りまとめていく。
 そのうえで、少子化をはじめとするさまざまな課題を解決しつつ、成長力を高め、我が国を再び力強い成長軌道に乗せる経済財政運営を展開するため、来月、骨太の方針をとりまとめる。
 なお、議長会からご提案をいただいていた、地方議会の位置付け等の明確化については、先月、改正地方自治法が成立した。今後、地方議会の活性化策が各地域で展開されることを期待している。  本日は、骨太の方針、こども・子育て政策を中心にご議論いただく。忌憚のないご意見をいただくようお願い申し上げる」と述べました。

 その後、平井全国知事会長(鳥取県知事)が地方六団体を代表して挨拶に立ち、こども・子育て政策について、「我々も不退転の決意で子育て政策、少子化対策に取り組んでいく。そのためにも、人材や地方財源の確保等にもご配慮いただきたい」と述べました。
 また、デジタル田園都市国家構想交付金の充実や物価高騰対策のほか、マイナンバーカードについては、「我々地方も当事者であるため、一緒になって現下の課題を解決し、マイナンバーカードの信任の確保・確立に努めたい」としたうえで、システム改修をはじめ、情報の誤登録等に対するチェック体制の見直しを求めました。
 最後に、骨太方針の策定にあたっては、地方一般財源総額の確保を図るよう求めて発言を締め括りました。

谷川会長
▲出席する谷川会長代行

 協議の場において、谷川会長代行は、①町村がさまざまな施策を着実に実施していくため、地方交付税等一般財源総額を確保すること、②こども・子育て支援について、自治体の財政力の違いによって地域間格差が生じることがないよう、国が全国一律で行うべき施策等は、国の責任と財源において必要な措置を講じるとともに、地方が独自に活用できる財源も確保すること、③地域のデジタル化の前提となる情報通信基盤の整備促進や財政支援はもとより、デジタル分野の専門人材の確保・育成に向けた支援―等を要請しました。
 他の地方六団体代表からは、このほか、本年9月以降の新型コロナワクチン接種体制の確保に対する全額国費による財政措置、GIGAスクール構想の推進に向けた端末等の更新経費を含めた財政支援、地方への移住や企業移転、テレワークの活用推進等の施策の推進による東京一極集中の是正等を求める発言がありました。

 これらを受けて、各大臣から以下の通り発言がありました。

◯後藤内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
・本年の骨太方針においては、構造的賃上げの実現、官民連携による国内投資の拡大をはじめとする取組の方向性を明らかにして、これを実現することにより、「新しい資本主義」を加速させるという考え方をしっかりと示したい。地方一般財源の確保等、本日皆さまからいただいたご意見をしっかり参考にしながら、来月のとりまとめ作業を進めていく。
・物価高騰対策については、地域の実情を踏まえ、今後も機動的に、きめ細やかな対応を進めていく。

◯小倉内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)
・国と地方が連携を強化し、車の両輪となってこども政策を実施するため、こども家庭庁に「こども政策に関する国と地方の協議の場」を設置した。今後は実務者レベルの検討の場を設け、地方の皆さまから地域の実情をしっかりと伺いながら、放課後児童クラブ、産後ケア事業、障害児支援、保育の充実等の具体化に向けて検討を進めていきたい。 ・総務省とも連携しながら、地方がこども政策に取り組むために必要な財源についても検討していく。

◯松本総務大臣
・マイナンバーカード関連の一連の誤り事案については、マイナンバーカードの信頼確保に向けて、国と地方で連携して対応していきたい。
・地方の一般財源総額については、今後も社会保障関係費の増加が見込まれる中で、地方が行政サービスを安定的に提供できるよう、会計年度任用職員への勤勉手当支給も含め、必要な財源の確保に努めていく。
・こども・子育て政策の充実については、全国一律の政策、地方独自の政策に対し、関係省庁と連携して必要な地方財源の確保に努めていきたい。
・デジタル田園都市国家構想の実現に向けたハード・ソフトの基盤整備を推進することとしており、デジタル技術を活用した行政サービスの充実や、地域課題の解決を図る地域のDXを加速化していく。「デジタル田園都市国家インフラ整備計画(改訂版)」(令和5年4月公表)に基づき、地域のDXにも資する光ファイバーや5G等のインフラ整備の取組を実装して、強化していく。加えて、デジタル人材の確保・育成や、テレワークの活用促進にも取り組んでいく。

◯岡田内閣府特命担当大臣(地方創生)兼デジタル田園都市国家構想担当大臣
・デジタル田園都市国家構想総合戦略においては、人の流れを作ることなどを重要な柱として掲げており、地方移住に対する一層の支援のほか、企業の地方移転や地方創生、テレワークのさらなる推進等の取組を進める。こうした取組を加速化、深化させて、東京圏への過度な一極集中の是正や、多極化に努めていきたい。

◯加藤厚生労働大臣
・新型コロナウイルスに関する秋以降の対応については、引き続き、自治体の皆さまのご意見もお伺いし、検討していきたい。
・来年度以降の新型コロナワクチン接種のあり方については、今後、専門家のご意見を聞きながら検討し、結論が得られ次第、速やかにお知らせしたい。
・ワクチン接種体制の確保に対する補助金のあり方については、8月末までの自治体の状況等を注視したうえで、その後の取り扱いを改めて示したい。

◯永岡文部科学大臣
・GIGAスクール構想における、端末の更新に係る費用のあり方については、大変重要な課題である。GIGAスクール構想自体は国が主導して進めてきたものであり、その持続的な推進に向けて、地方の皆さまと連携しながら、端末の利活用の状況等を踏まえつつ、関係省庁と協議しながら検討していきたい。

◯大串デジタル副大臣
・今般のマイナンバーカード関連サービス事案については、自治体の皆さまにもご迷惑をおかけしている。マイナンバーカードの信頼確保に向けて、事案に関係するすべてのデータやシステムを再点検するなど、デジタル庁が関係省庁と連携して、万全の対策を迅速かつ徹底して講じていく。

 その後の意見交換において、谷川会長代行は、食料安全保障の確立と持続可能な農業・農村政策の推進について、「今、多くの国民が、食料の問題に関心を持ち始めている」とし、「食料安全保障の確立・強化を図るためにも、国内生産力の強化や農業生産者の所得向上に向けた支援が必要である。また、食料自給率の向上と、持続可能な農業・農村政策の推進を図るため、多様な担い手の確保・育成にもより一層、強力な支援をお願いする」と述べました。

 最後に、松野官房長官が、「本日、皆さまからは、地方一般財源総額の確保、物価高騰への対応等による地域社会の立て直し、こども・子育て政策の充実等、大変貴重なご意見をいただいた。真摯に受け止め、取り組んでいく。こども・子育て政策については、本日のご意見も参考にしつつ、『こども未来戦略方針』のとりまとめに向けて、こども未来戦略会議での議論を進めていく。今後とも、地方に関わる重要政策課題について皆さまとしっかり連携をして対応していきたい」と述べ、協議を締め括りました。

【参考資料】

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