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「国と地方の協議の場」に荒木会長が出席(12/20)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年12月26日更新

 荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)を始めとする地方六団体代表は12月20日、「国と地方の協議の場」(令和4年度第3回)に出席しました。
政府側は、岸田内閣総理大臣、松野内閣官房長官、松本総務大臣、井上財務副大臣、岡田内閣府特命担当大臣(地方創生)兼デジタル田園都市国家構想担当大臣、加藤厚生労働大臣、小倉こども政策担当大臣、後藤新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)が出席し、「令和5年度予算編成及び地方財政対策について」、「新型コロナウイルス感染症対策について」の2議題について協議しました。

       全景

 はじめに岸田内閣総理大臣が挨拶に立ち、
 「臨時国会で第2次補正予算が成立した。今年度の交付税を約5,000億円追加配分するなど、地方の皆さまが独自の地域活性化策を含め、物価高を克服し、経済再生実現のための取組を実施していただける措置を講じている。今後、国民の皆さまにできる限り早く、そして広くご活用いただけるよう、補正予算の迅速かつ適切な事業執行をお願いする。これらを受けて、国側からは、各大臣より以下の発言がありました。
​  新型コロナ対応については、「現在どのような局面にあるのかを分析し、今の変異株に相応しい対策に変えていく必要がある」として、国民に対する感染対策の呼びかけにおいて考慮するよう求めた。 新型コロナ対応については、ワクチン接種の推進、医療体制の拡充にご尽力いただき感謝申し上げる。これから年末年始の感染が拡大しやすい時期を迎えることから、救急搬送や外来等の医療体制の確保、換気の呼びかけなどに一層のご協力をお願いする。
 デジタル田園都市国家構想については、今週23日、来年度を初年度とする新しい総合戦略を決定する。
全ての都道府県でデジタル実装の姿が実感できるよう、政府一丸となって後押しするので、知事や市町村長のリーダーシップを発揮していただきたい。
 デジタル社会の基盤インフラとなるマイナンバーカードについては、申請数が約8,000万に達したが、概ね全ての国民への普及には道半ばである。マイナポイントの期限を延長するなど、政府を挙げて普及に取り組むので引き続き申請の促進をお願いする。
 地方分権改革については、本日、地方からの提案等に関する対応方針を決定した。今後、国・地方を通じた効率的・効果的な計画行政の進め方を示したナビゲーション・ガイドを作成するなど改革を着実に推進していく。
 議長会の皆さまからご提案いただいてきた、議員の請負禁止の緩和等については、先般、改正地方自治法が成立した。さらに、地方議会の位置付け等の明確化については、今後、地方制度調査会の答申がとりまとまれば所要の対応を行う。
 本日は、令和5年度の予算編成及び地方財政対策を中心にご議論いただく。忌憚のないご意見をいただくようよろしくお願い申し上げる」と述べました。

岸田総理

▲挨拶する岸田内閣総理大臣

 その後、平井全国知事会長(鳥取県知事)が地方六団体を代表して挨拶に立ち、第2次補正予算において、地方交付税5,000億円が追加配分されたことやデジタル田園都市国家構想交付金800億円が計上されたことに対する謝辞を述べ、「力強い応援をいただきながら、国・地方が一体となり寄り添って対策をとっていきたい」と述べました。
 新型コロナ対応については、「現在どのような局面にあるのかを分析し、今の変異株に相応しい対策に変えていく必要がある」として、国民に対する感染対策の呼びかけにおいて考慮するよう求めた。
​ 最後に、デジタル田園都市国家構想を弾力的・戦略的に進めること並びに地方交付税等一般財源総額の確保を求め、発言を締め括りました。

       荒木会長(手前)を始め、協議に出席する地方六団体代表

▲荒木会長(手前)を始め、協議に出席する地方六団体代表

 協議の場において、荒木会長は、
①地方交付税等一般財源総額の確保、新型コロナ対策やデジタル化・脱炭素化・地方創生の推進等に対する十分な財政措置や、臨時財政対策債の発行額抑制、②中小企業や観光・飲食業、農林漁業者が事業を継続できるよう、総合経済対策の着実な実施および来年度予算における万全の対策、③新型コロナ対策について、今後のワクチン接種のあり方を検討する際には、町村現場に大きな負担や混乱を生じさせずに円滑に進められるよう、接種の見通し等を​早急に示すとともに、引き続き、全額国費による財政措置を講じること―等を要請しました。
​ 他の地方六団体代表からは、このほか、地方創生臨時交付金の必要額の確保、企業の地方移転の促進、DX推進のための地方におけるデジタル人材確保、GX推進のための地方資源を活用した再エネ導入支援、賃金の地域間格差の是正等について求める発言がありました。

 ​これらを受けて、各大臣から以下の通り発言がありました。

 

◯松本総務大臣

・地方財政については、令和5年度は令和4年度を上回る一般財源総額をしっかりと確保したい。その中でも、地方交付税総額を適切に確保し、臨時財政対策債の発行を抑制できるように努めていきたい。
・ 新型コロナ対策については、ワクチン接種を加速するため、さらなる接種体制の充実や、年末年始に向けて住民の皆さまに対する広報の強化をお願いする。

 

◯岡田内閣府特命担当大臣(地方創生)兼デジタル田園都市国家構想担当大臣

・23日にデジタル田園都市国家構想総合戦略の閣議決定を予定している。これまでの地方創生の取組を着実に推進するとともに、デジタルの力を活用して地域の課題解決や魅力向上の取組の加速化・深化を図っていく。
・デジタル田園都市国家構想交付金については、今後も必要な予算の確保にしっかりと取り組む。
・ 地方創生臨時交付金については、第2次補正予算においてウィズコロナ下での感染症対応を強化するため7,500億円を計上した。これが地域の実情に応じた支援として速やかに現場に行き渡るように国としても後押しをしていく。

 

◯後藤新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

・総合経済対策を迅速かつ適切に実行し、物価高を克服するとともに日本経済を民需主導で持続可能な成長経路に乗せていきたい。
・次の感染症危機に備え、政府の司令塔機能の強化等を図るための法律案を次期通常国会に提出することを目指している。国・地方を通じて迅速かつ効果的に感染症危機に対応できる体制を整えたい。

 

◯加藤厚生労働大臣

​・新型コロナの分類見直しについては、専門家会議において、重篤性や感染性、変異株をどう考えるか、医療提供体制等についての基本的な考え方を議論している。これを通じて国民の皆さまに理解をしていただく基盤をまず整えていきたい。
・オミクロン株対応ワクチン2回目いわゆる6回目の接種については、関係する審議会においてご議論いただく予定。接種を進めることになれば、自治体の準備期間もしっかり念頭に置きながら議論を進める。議論の状況は、自治体向けの説明会や事務連絡などを通じて適宜ご連絡させていただき、連携していきたい。

 

◯小倉こども政策担当大臣

​・出産・子育て応援交付金については、円滑な事業開始に向けて地方自治体と緊密に連携して取り組むと同時に、継続的な実施に向けて、安定的な財源確保に努める。

 

 その後の意見交換において、荒木会長は、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を着実に実施していくために、「町村が進める地方創生の取組に対する継続的な支援に加え、デジタル社会のさらなる推進に向けた情報通信基盤の整備促進を含め、財政支援や人的・技術的支援について、十分配慮していただくようお願いする」と述べました。
​ 
 また、デジタル田園都市国家構想交付金については、町村の意見を十分に踏まえ、自主的・先進的な取組を積極的に支援するよう、地域の実情に配慮した使い勝手の良いものにするよう求めました。
​ 
 これに対して、松本総務大臣は、情報通信基盤の整備促進について、「採算性が厳しい地域では光ファイバーや5Gの整備に対して補助金による支援を行っている。また、自治体や通信事業者等で構成される地域協議会を開催し、個々の地域の実情を踏まえた整備を進めていきたい」と述べました。
 岡田内閣府特命担当大臣は、デジタル田園都市国家構想交付金について、「申請要件緩和等のご意見をいただいた。今後とも、地域のニーズを踏まえながら地方公共団体の意欲的な取組の後押しをさせていただく。また、各自治体が目指す地域ビジョンの実現の後押しをする観点から、脱炭素やエネルギー地産地消のための取組、また、農業振興、地域交通等も含め、政策分野を横断的に支援していきたい」と発言しました。​
​ 最後に、松野官房長官が「ワクチン接種については、希望する全ての対象者が年末までに接種を完了できるよう情報発信等に取り組んできたところだが、年明けも引き続き、政府として情報発信など接種促進に努めていく。このほか、皆さまからいただいたご意見を真摯に受け止め、着実に取り組んでいく。今後とも、地方に関わる重要政策課題について、皆さまとしっかりと連携をして対応していきたい」と述べ、協議を締め括めくくりました。 

 

【参考資料】

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