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「第33次地方制度調査会第2回総会」に荒木会長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年6月8日更新

 第33次地方制度調査会の第2回総会が6月3日、東京グリーンパレスで開催され、本会からは荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)が出席しました。

全景

 はじめに、金子恭之総務大臣から「これまで専門小委員会で関係省庁や地方六団体のヒアリングを含め精力的に議論いただき、感謝を申し上げる。
 今般の感染症対応については、有識者会議がこれまでの対応を客観的に評価し、司令塔機能の強化や保健医療体制の確保等について議論が進められているが、同時に、ワクチン追加接種を強力に進めており、総務省としても自治体の取組を支援している。また、改めて社会全体のデジタル化が強く求められる中、マイナンバーカードの普及については、自治体との連携体制を強化し、取組の支援をしていくので、委員の皆様方においては、政府の取組も注視しながら、コロナ後を見据えたあるべき基本的な国と地方の関係等について調査、審議いただきたい」との冒頭の挨拶があり、その後、運営委員会報告を大山礼子運営委員長(駒澤大学教授)、専門小委員会における審議状況報告を山本隆司専門小委員会委員長(東京大学教授)、資料説明を吉川浩民総務省自治行政局長が行いました。

荒木会長

▲発言する荒木会長

 続いて、意見交換において荒木会長からは、審議項目1の「ポストコロナの経済社会に的確に対応する観点」について、長引くコロナ禍に加え、ウクライナ情勢に伴う経済の混迷等により、社会全体に閉塞感が漂い、人口減少・少子高齢化等に伴う資源制約なども相まって、私たちの生活は安心感・安定感が失われている一方、地方に目を転じると、コロナ禍を機に関心の高まった移住・定住や田園回帰の流れが、さらに本格的なものになるかどうか正念場の時期でもあるとし、さらに、世界的に深刻な食料・エネルギー問題が続く中で、我が国においても食料自給や森林再生、再生可能エネルギーへの取組をはじめ多様な地域資源を活かし、資源循環や環境共生を意識しながら地方を再生し活力を生み出すことで、コロナ後社会、脱炭素社会等、これからの時代を見通して我が国の持続可能性を追求するための、まさに極めて重要な時期を迎えているように思うと述べました。
また、災害等非平時における機動的対応のカギを握るのが、地域住民同士が支え合い、助け合う「共助」の力、言葉を換えると「地域力」、「コミュニティ力」であり、こうした力を平時から形成し、非平時に十二分に発揮できるような仕組みを構築することが、地域社会の安全・安心の基盤になるということも忘れてはならず、いまこそ、「ひと」と「地域」というかけがえのない資源を活かし、多様な地域の価値を更に向上発展させ、その集合体である国土全体を活かしきる社会の実現を目指さなければならないとしたうえで、本調査会には、このような我が国のあり方を俯瞰しつつ地域の現場が前向きに希望の持てるような審議を期待したいと述べました。
「デジタル・トランスフォーメーションの進展と課題」については、地域を活かすために「デジタル」の活用は有力な手段であり必須の取組だが、デジタル活用の目的を明確にしないまま、「利便性」や「効率化」のみを追求し、集約・合理化や規模拡大を押し進め、小さいものや弱いものを排除することになってはならないとし、これは、先ほどの「地域」と「ひと」を活かすことにも通じると述べました。
デジタル社会の推進については、国が掲げる「誰一人取り残さないデジタル化の実現」という視点はまさに重要だが、地域社会との関わりの中でこれをどう実効あるものにしていくか大変難しい課題もあるように感じるし、その基盤として、誰にも居場所と役割がある、先ほどの安心安全な地域社会の再構築はぜひとも必要なものです。また、その際には、デジタル社会推進の前提となる情報通信基盤については、全国津々浦々にユニバーサルサービスを提供するための社会共通基盤として位置づけられるべきものだとし、これらの点について改めて強調しました。
審議項目2の「国と地方及び地方公共団体相互間の関係」については、国と地方公共団体、地方公共団体相互間の連携・協力は、町村行政においてますます重要になっているとしたうえで、一例をあげれば、年々深刻さを増す孤独・孤立問題やヤングケアラーなどの社会問題については、ひとつの自治体や従来の地域社会の枠内の取組では限界があり、NPO等との連携も含め、新た​なつながりやネットワークによる仕組みとその機能発揮が求められると述べました。そのうえで、「デジタル」の活用は、こうした取組を進める際はもとより、地方公共団体や関係者間の連携・協力の実効性を高めるためにも極めて有効な手段となると期待を示しました。
最後に、従来から本会が主張していることであるが、多様な連携・協力関係の構築については、それぞれの行政主体の自主性・自律性のもとで、「主従」ではなく、「対等な協力関係」にあること、顔の見える関係の中で緊密な意思疎通が図られることが大前提にあると述べ、発言を締め括りました。
地方制度調査会では、引き続き専門の小委員会において、国と地方がそれぞれ担うべき権限や、デジタル化の推進に伴う地方行政の在り方等について具体的な検討を進めていくこととしました。

【参考資料】

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