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「国と地方の協議の場」に荒木全国町村会長が出席(10/13)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年10月14日

「国と地方の協議の場」(令和2年度第2回)が、10月13日に開催され、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。​

 

政府側は、菅内閣総理大臣、麻生副総理・財務大臣、加藤内閣官房長官、武田総務大臣、坂本内閣府特命担当大臣(地方創生)、田村厚生労働大臣、赤羽国土交通大臣、小此木国土強靱化担当大臣、西村経済再生担当大臣が出席し、「地方創生及び地方分権改革の推進」、「新型コロナウイルス感染症対策」の2議題について協議しました。なお、この会議は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議形式で行われました。

 

会議の様子

 

​はじめに菅内閣総理大臣が挨拶に立ち、「地方の皆さんには、日々、新型コロナウイルス感染症対策にご尽力いただいていることに感謝と御礼を申し上げる。活力ある地方をつくることは、菅内閣の最も重要な施策のひとつである。地方の所得を向上させて地方の消費を活性化させることは、日本全体を元気にするために不可欠である。このため全力で国と地方が連携をして支援をしていきたい。また、新型コロナ感染症対策については、爆発的な感染を防いで、国民の命と健康を守り、そのうえで感染症対策と社会経済活動の両立を図ることが重要である。引き続きあらゆる対策を講じていきたい。国と地方が心をひとつにして、地方に関わる重要施策に取り組んでいくことが大事だと考える。本日は忌憚のないご意見をお願いしたい」と述べました。

 

協議において、飯泉全国知事会長(徳島県知事)が地方六団体を代表して、

(1)新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で、地方がしっかりと感染症対策と社会経済活動を両立するため、地方一般財源総額の確保を図ること、

(2)地方創生の実現に向けて、まち・ひと・しごと創生事業費の拡充を図ること、

(3)有効求人倍率が8か月連続で悪化をしており、コロナ関連の解雇が6万人を超えている。雇用の受け皿をつくりあげていくため、リーマンショックを超える資金を活用した緊急雇用創出事業を創設すること、

(4)新型コロナウイルス感染症対策・デジタル化に取り組んでいくため、『国と地方の協議の場』の分野別の分科会(デジタル化・地方税財政等)を創設すること、

(5)防災・減災・国土強靱化3か年の緊急事業の後継として5か年の事業とすること、

(6)Gigaスクール構想については、ランニングコストの軽減を図るため、通信費を値下げすること

等の発言がありました。最後に、「人口減少・災害列島・新型コロナウイルス感染症の3つの国難を何としても打破し『ウィズコロナ』から『アフターコロナ』へ移行できるよう地方一丸となって国と心をひとつに取り組んでいきたい」と述べました。

 

荒木会長からは、

(1)災害対策については、国土強靭化の延長継続や河川氾濫等大規模災害時の国の出先機関の役割や機能を強化すること、

(2)新型コロナウイルス感染症対策と経済再生を両立するため、地方交付税等一般財源総額を確保・充実すること、

(3)中山間・離島等の医療資源が脆弱な町村において、クラスターの発生はただちに医療崩壊につながることから、国・都道府県が連携した広域的な支援や、オンライン診療を恒久化すること、

(4)コロナ禍により東京一極集中の弊害が明らかとなり、災害・危機管理も含め「地方分散型の国づくり」は必須の課題であることから、地方への人の流れを一層加速・定着させることや二地域居住への支援、業務機能の地方分散など各省庁の政策を総動員すること、(5)デジタル社会の推進については、条件不利地域を含めた情報通信環境の整備をはじめ、デジタル化と組み合わせた働く場の創出、医療や教育体制の確保など、受け皿となる地域の体制整備に強力に支援すること

を要請しました。

荒木会長

▲意見を述べる荒木会長

 

他の地方六団体代表からはこの他、秋冬のインフルエンザとの同時流行に備えた緊急包括支援交付金による医療機関支援、待機児童の解消・不妊治療への支援の拡充、行政システムの標準化、新過疎法の制定についての意見等が述べられました。

 

これらを受けて、国側からは、各大臣より以下の発言がありました。

〇武田総務大臣

・一般財源総額については、地方税収の大幅な減収が見込まれる中、地方公共団体が新型コロナウイルス感染症拡大への対応と地域経済活性化の両立や防災・減災・国土強靱化等の重要課題に取り組めるよう、新経済・財政再生計画に沿って確保する。

・まち・ひと・しごと創生事業費については、令和3年度においても、地方創生の取組を継続的に推進できるよう、引き続き所要額を計上する。

・固定資産税については、市町村の基幹税であり、安定的な確保が重要であることを踏まえ、適切に対応する。

・緊急防災・減災事業債については、事業期間の延長を検討していく。

・過疎法の現行法の期限切れ後の対応については、各党会派で議論されており動向を注視していきたい。

・ポストコロナ社会に向けた地方回帰支援のため、地方創生担当大臣等としっかり連携を図り、地方の声を直接うかがいながら、地域の課題に取り組んでいく。

 

〇田村厚生労働大臣

・待機児童問題については、来年度以降も更なる受け皿整備について検討するとともに、不妊治療については保険適用を検討することとし、それまでの間、助成金の大幅な拡充をはかっていく。

・新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金については、第1次、第2次の補正予算により約1月8日兆円を、さらに9月15日の閣議決定により、予備費から9千億円の措置をしている。令和3年度の概算要求においても、必要な施策を重点的に要求していく。

・検査・医療体制については、コロナ抗原簡易キットによる検査を大幅に拡充し、発熱等の症状がある方の医療機関への受診方法をかかりつけ医等に直接電話相談し、地域の検査医療機関に受診する仕組みへ変更することとしている。

・オンライン診療については、現在、時限的・特例的に行われているが、検証を踏まえながら安心して医療が受けられるよう、安全性・信頼性を担保する恒久的ルールを検討している。

 

〇坂本内閣府特命担当大臣(地方創生)

・地方創生臨時交付金については、実施計画の確認等の交付手続きを迅速に進める。

・地方拠点強化税制等関係施策については、積極的な周知・広報に努め、地方拠点の強化に努めていきたい。

・移住・定住の推進については、有識者懇談会において、関係人口の創出・拡大など、今後の地方創生の取組の方向性を議論していただくこととしている。

 

〇赤羽国土交通大臣

・防災・減災対策について、地方整備局等の必要な人員体制の充実及び強化に引き続き取り組んでいく。

・「防災・減災・国土強靱化のための3か年緊急対策」については、中長期的な視点に立って計画的にしっかりと取り組み、防災減災が主流となる社会づくりを進める。

・Go Toトラベル事業について、先週末から一部のオンライン予約サイトにおいて、割引率の引き下げ等の措置が行われ、混乱が生じていることに関し、35%割引支援を堅持することとした。

 

〇小此木国土強靱化担当大臣

・3か年緊急対策後については、自治体をはじめ各所からご要望等をいただいている。今後国民の生命や財産を守る国土強靱化を強力に進めることが政治の使命である。

・政府においても中長期的に取り組む具体的内容や目標、中長期の見通しについて予算編成過程で検討し、必要十分な予算の確保に努めていく。

 

〇西村経済再生担当大臣

・今後の新型コロナウイルス感染症対策については、感染拡大防止と経済社会活動の両立を図っていくことが重要。政府としてもこれまでの感染対策の分析や評価等を行い、これまで得られた知見・経験を活かして、焦点を絞ったメリハリの利いた感染症対策に取り組んでいきたい。

・地方のデジタル化についても大変重要な課題である。皆さんと緊密に連携を取りながら経済財政運営・成長戦略に万全を期したい。

 

その後の意見交換において、荒木会長は、コロナ対策と経済再生の両立について、「Go Toキャンペーンも効果が出つつあるように感じているので、ぜひこれからも積極的に取り組んでいただき、中山間・離島等の条件不利地域を多く抱える私ども町村部の中小事業者も、何としても感染症終息まで持ちこたえることができるよう、近隣の地域同士のマイクロツーリズムによる支援も組み合わせながら、全国隅々まで政策効果が及ぶよう、引き続きお願いする」と求めました。

 

さらに、「今年7月の豪雨災害で、コロナ対策を講じながら避難所を運営する現場の苦労を目の当たりにしたため、この教訓を活かした対策をさらに進めていただきたい。また、災害ボランティアが感染対策の影響で十分に確保できない状況があるので、感染防止対策を講じながら善意の力を復旧・復興に活かす方策について、引き続き検討してもらいたい」と述べました。

 

最後に、加藤内閣官房長官が「本日は、地方六団体から貴重なご意見をいただいた。冒頭総理から発言があったように、活力ある地方をつくることは菅内閣の最も重要な政策のひとつである。地方にかかわる重要政策課題は、国と地方が心をひとつにして、一体となって取り組んでいくことが大切であると考える。頂いたご意見は、各大臣においても真摯に受け止め、今後とも皆さんとしっかりと連携して取り組んでいきたい」と述べ、協議を締め括りました。

【参考資料】

 

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