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学校再開後の学校の状況に関する意見交換会に坂口行政委員長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年8月12日

学校再開後の学校の状況に関する意見交換会が、8月3日にweb会議形式で開催され、全国町村会の坂口博文行政委員会委員長 (徳島県那賀町長)をはじめ地方三団体の代表が出席。政府側から出席した萩生田光一文部科学大臣等と、学校再開後の学校の状況について意見交換を行いました。

 

意見交換会では、冒頭、萩生田大臣が、「新型コロナウイルス感染症への対応について、文部科学省はICT環境整備の加速や、学習指導員等の大規模追加配置、学校再開を支援する経費の措置など学習保障に必要な人的・物的支援のための経費を令和2年度第2次補正予算に計上するなど、子どもたちの学びの保障のための総合的な対策を進めているところである。本日はこうした文部科学省の取組や、学校再開後の子どもたち、先生方の様子、学校現場の状況についてお話を伺い、皆様のご意見を踏まえ、引き続き取組をしっかりと進めてまいりたい」と挨拶しました。

 

意見交換の場で、坂口委員長は、GIGAスクール構想の前倒し実施などをはじめ、コロナ禍における子どもたちの学びの保障にご尽力いただいていることに感謝の意を示したうえで、本会の所管する委員会の委員に行った意見照会の回答をもとに、学校再開後の現場の状況や課題等についての意見を以下の通り述べました。

 

まず、教職員・児童生徒の状況と課題について、「現場の状況や課題は、地域や学校によって異なるが、共通するのは感染防止を図りながら、これまでの学習の遅れをいかにして取り戻すか、手探りの状態が続いている」とし、「学習の遅れは、指導内容の重点化や学校行事の縮小、夏季休暇の短縮等で何とか対応しているが、学校では限られた時間割の中で、充実した授業を行うよう懸命の努力を続けている。教職員はこれまでの多忙な業務に加え、感染防止指導や教室、用具の消毒等、子どもたちの命と健康を守るという重大な職務を担うこととなり、このような状況が長期化すれば、教職員が疲弊し、健康を損なう」などといった教育現場への重大な影響が懸念されることに対し、教員の加配や学習指導員の追加配置、スク―ル・サポートスタッフの大規模追加などの人的支援の継続と拡充をすることで、教職員の負担軽減を図るよう求めました。また、消毒作業等の業務を教職員以外が担えるよう、第2次補正予算で措置された感染症対策支援経費(1校100万円~300万円)の増額と柔軟な活用を要請しました。さらに、児童生徒の状況について、「外出自粛によるストレスや運動不足等による心身への悪影響が目立つことから、スクールカウンセラーの常時配置等で子どもたちの心のケアを図る必要がある」としたほか、「各種行事や部活動の縮小などで、友達との交流、地域の方との交流の機会が激減しているため、地元の祭りへの参加やふるさと教育などを通じて、子どもたちが地域に誇りと愛着を持つ機会を失うことは、農山漁村の将来にとっても、大きな懸念材料である」と述べました。

 

坂口委員長

▲意見を述べる坂口委員長

 

次に、教育のオンライン化について、「臨時休校時における学習機会の確保対策は、オンライン授業や家庭学習が中心となったが、それにより生じた教育格差も大きな課題である。感染拡大時への備えとしてだけでなく、コロナ後の社会においても、教育のオンライン化の必要性は高まるものと考えられる」としたうえで、町村部では難しいICT支援員等の人材確保やすべての家庭におけるインターネット環境の整備、通信費支援などを求めました。

 

最後に、子どもたちの学びを保障するための「少人数編成を可能とする教員の確保」について、「先般、地方三団体の『新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言』の中で申し上げた通りであるが、私どもの意見照会の回答でも、多くの強い要望があったため、改めてお願いする次第である」と述べ、意見を締め括りました。

 

意見交換の後、萩生田大臣は、コロナ禍における各自治体の支援・協力に感謝の意を表すとともに、「各自治体例を横展開し、できるだけ現場の負担を減らしていけるよう進めていきたい。また、ICT環境の整備についてはすでに予算を確保しているので、出来るだけ早く準備をしていただきたい。今後、学級の規模も含めたアフターコロナの学校の在り方を皆様と連携を取りながら検討していきたい」と挨拶し、会議を締め括りました。

【参考資料】

 

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