ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 全国町村会の活動状況 > 自民党 秋季入学制度検討ワーキングチーム ヒアリングに荒木全国町村会長が出席

自民党 秋季入学制度検討ワーキングチーム ヒアリングに荒木全国町村会長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年6月1日

自由民主党の秋季入学制度検討ワーキングチーム(柴山昌彦座長)は、5月25日に「9月入学導入」について地方3団体からのヒアリングを行いました。
このヒアリングは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、web会議により開催され、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)並びに飯泉嘉門全国知事会長(徳島県知事)、立谷秀清全国市長会長(福島県相馬市長)が意見陳述を行いました。​

はじめに岸田文雄政務調査会長が挨拶に立ち、「子どもたちの学びの機会、そしてさまざまな活動のチャンスをしっかりと確保し、取り戻すことが喫緊の課題である。そのうえで国民の関心事である『9月入学』についての考えを審議していただきたい」と述べました。
荒木会長からは、本会が実施した47都道府県町村会長への意見照会の内容を踏まえ、「まず総括的に、9月入学の導入については、8割の町村会長が『反対』の意見で、残りは『どちらとも言えない』が多く、『賛成』は少数であった。いずれの回答でも、来年度からの導入に賛成意見はなく、共通する意見は、『4月入学が定着している中で、社会全体に影響を及ぼす大きな制度改革であるため、各界各層を交えた慎重な議論が必要であり、拙速に結論を得ることは避けるべきである』、『そもそも新型コロナウイルス対策で学習の遅れを取り戻す課題が、9月入学導入の検討にすり変わるのは違うのではないか』、『今でも緊急対応で大変な中で、教育現場に更なる混乱や負担を招くことは避けるべき』といったものであった」と述べました。

荒木会長

▲意見を述べる荒木会長

また、9月入学導入にあたっての課題は多岐にわたるとして、「私ども義務教育の現場では、導入初年度には、年度が重なることで児童生徒数が大幅に増加し、教室の確保や教職員などの人的確保も必要となり、それに伴う費用も膨大になる」ことや、「会計年度や職員採用等に関する多方面の調整や各種システムの改修等が必要になるうえ、学校教育法や子ども子育て支援法等30本以上の関連法令を改正する必要があるとされている。当然、各自治体の関係条例や規則、そして現場の実務運営等にも多大な影響と負担が生じてくる」ことを指摘し、「9月入学については、これまでも臨時教育審議会をはじめ、幾度となく議論がされてきた。しかしながら、新型コロナ対策下でない平時を前提にしても、導入に至らなかったという経緯がある。国・地方を挙げて、新型コロナウイルスとの戦いに全力で取り組んでいるさなかに、これだけの大きな労力と難しさを伴う制度改革について、短期間で結論を得て実行に移すことが、果たして現実的に可能であるのか」と懸念を示しました。続けて、「いずれにしても、先に申し上げた企業や行政をはじめ、4 月を起点とした現行の社会制度を鑑みたとき、これらを9 月に移行することのメリットは考えにくく、5 か月間のギャップから生じる社会のあり方への様々な影響を幅広く議論する必要がある。」と述べ、「現在、最優先すべきは、新型コロナウイルス感染症の拡大を一日も早く収束させ、どの地域の児童生徒にも安心と等しく学ぶ環境を取り戻すことである。今回生じた『教育の空白』を埋めるため、町村の学校現場では、地域の実情に応じて、家庭学習支援や分散登校の実施等、児童生徒の学びや心身のケアに懸命に取り組んでいる。『教育』は国の根幹であり、『国のあり方』にもつながる難しさを伴う大変革は、現在の不安定な状況下で行うものではなく、努めて冷静な議論と判断が求められるべきものと考える」と強調しました。
最後に、中山間・離島等の条件不利地域も含め、オンライン学習や遠隔教育等に不可欠な情報通信インフラ整備のさらなる加速化と、器材・人員の確保等について要望し、意見を締め括りました。

そのほか、全国知事会からは「秋季入学の可否を含め、今後のスケジュールを明確かつ早急に示してほしい」との意見が述べられ、全国市長会からは「9 月入学・始業については、本会が実施した対象市区815 団体の首長アンケートの結果、回答があった576 団体の8 割が慎重論または反対である。拙速は避け、慎重な議論が必要である」等が意見として述べられました。
また、多くの出席議員からも、「拙速に結論を出すべきではない」などの発言がありました。

これらを受け、柴山座長は、「地方団体の皆様からご意見をいただき、大変有意義な機会であったと感じている。今後、6 月初めにワーキングチームとして方向性をまとめたい」と述べ、会議を締め括りました。

【全国町村会提出資料】

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)