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「幼児教育・保育の無償化に関する協議の場」に荒木会長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年10月31日

 「幼児教育・保育の無償化に関する協議の場」が10月31日(木)に開催され、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長はじめ、地方三団体の各代表者が出席しました。

「幼児教育・保育の無償化に関する協議の場」に荒木会長が出席

 今回の協議では、本年10月から施行された幼児教育・保育の無償化における施行状況について報告を受け、意見交換を行いました。国側からは、衛藤内閣府特命担当大臣(少子化担当)、加藤厚生労働大臣、萩生田文部科学大臣が出席し、地方三団体からは荒木会長のほか、飯泉全国知事会長(徳島県知事)、立谷全国市長会長(福島県相馬市長)が出席しました。

 はじめに、衛藤内閣府特命担当大臣から、「幼児教育・保育無償化は、少子化という国難に正面から取り組むために、子どもたち・子育て世代に大胆に政策資源を投入して、社会保障制度を全世代型へと変えていく、大変重要な政策である。その実施にあたって実務を担う地方自治体の皆さまと一緒になって準備を行ってきた。施行直前に公定価格における副食費の取扱を変更したことで、ご迷惑をお掛けしたが、地方自治体のみなさまのご尽力により、円滑に施行することができた。御礼を申し上げるとともに、本日は忌憚のない意見をお願いする」と挨拶がありました。
 荒木会長は、挨拶の中で、施行後の課題について、「無償化は施行されたばかりであるが、利用者からの相談、周知等の説明による負担増や事務量の増加など、町村の現場では、さまざまな課題が起こっている。これらの課題解決に向けては、今後も協議の場等を通じて、地域の実情にあった施策が展開されるよう、意見を申し述べていきたい」と述べ、財源の確保については、「昨年末の協議に基づき、令和2年度以降の地方負担に必要な財源を一般財源総額の同水準ルールの外枠で全額措置し、国の責任において必要な財源を確保するとともに、各市町村における無償化の取組が円滑に実施できるようお願いする」と求めました。
 また、「少子化対策は、町村にとって極めて大きな課題である。我々は『子どもは地域の宝』という考えで、子育て施策に懸命に取り組んでいる。幼児教育・保育の無償化が実効あるものとなるよう、町村も前向きに取り組んでいくので、引き続き、ご支援をお願いする」と述べ、挨拶としました。

 衛藤内閣府特命担当大臣、加藤厚生労働大臣、萩生田文部科学大臣より、幼児教育・保育の無償化の施行に係る取組についての説明があった後、意見交換が行われました。
 荒木会長は、無償化に伴う課題として、①待機児童解消・保育士の安定的確保、②保育の質の確保・向上-の2点に言及しました。
 ①待機児童解消・保育士の安定的確保については、「待機児童については、都市部に特有の問題と考えられているが、無償化による保育ニーズの増加により、今まで待機児童がいなかった町村においても、待機児童が発生したという声を各地で聴いている。また、待機児童はいないものの、年度途中入園は、保育士不足のため対応不十分といった実態も起こっている。その背景には、保育士不足の問題があるが、特に町村部においては、人口流出とともに、保育士等の人材も、賃金の高い都市部に流れているといった、深刻な実態が指摘されている」と説明し、そのうえで、「無償化を支える根幹は、保育士等の人材であるので、町村における人材の安定的な確保ができるよう支援をお願いする」と訴えました。
 ②保育の質の確保・向上については、「保育士の研修内容の充実を図る等の人材育成面での支援と子どもの健全な育成を支える施設等整備面の両者を車の両輪として取り組む必要がある。保育士の育成は、都市と地方、公立と私立などの状況により、差が生じているため、どこであってもハンディなく、必要に応じた研修等を受けることができるような柔軟な仕組みをつくるべきである」と指摘し、「無償化が始まって1か月経過したが、認可外保育施設やベビーシッター等の質の確保は、幼児教育・保育を支える基礎であるので、今後とも国による実態の把握に努め、質の向上に対する支援をお願いする」と対策を求めました。

意見を述べる荒木会長

▲意見を述べる荒木会長

 地方三団体側からの意見を受け、加藤厚生労働大臣からは、待機児童の解消に向けた子育て安心プランの新計画の策定や、保育人材の確保のための処遇の改善や保育士資格取得の促進、保育士の再就職の支援といった取組、認可外保育の質の確保・向上のためのベビーシッター等の資格や研修受講に関する基準の創設、認可外保育施設が認可施設に移行するための支援等の推進について発言がありました。
 萩生田文部科学大臣からは、今回の無償化の枠から溢れてしまった幼児教育類似施設について、地域にとって大切な施設であれば救済していかなければならないので、検討を進めているとの発言がありました。
 最後に、衛藤内閣府特命担当大臣が「今後様々なレベルで皆さまのご意見をお伺いさせていただきたい。このPDCAサイクルを回していくことが重要であると思う。制度の円滑な実施や定着に向けたさらなる取組を進めていく」と述べ、協議を締め括りました。

 

【参考資料】

「幼児教育・保育の無償化の施行に係る取組について」 [PDFファイル/1.89MB]

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