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「第32次地方制度調査会 第4回総会」に荒木会長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年10月25日

 10 月 25日(金)、第32次地方制度調査会(会長 市川晃・住友林業(株)代表取締役社長)の第4回総会が開催され、本会からは荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)が委員として出席し、意見を述べました。

第32次地方制度調査会 第4回総会

 総会は、自主的に合併する市町村を支援する「合併特例法」に関し、2019年度末までとなっている現行法の期限を延長すべきとした「市町村合併についての今後の対応方策に関する答申(案)」について審議するために開催されました。

 はじめに高市早苗総務大臣が挨拶に立ち、「人口減少が進んでいくなかで、いかに持続的に必要なサービスを地方公共団体が提供できるかというのは非常に重要な課題である。安倍総理大臣からの諮問事項に関して、本年7月に中間報告をとりまとめていただき、さらには今年度末に期限を迎える合併特例法の取扱いについて先行してご議論いただいたことに感謝申し上げる。今後、最終的な答申を賜ったら、総務省においてもその趣旨をしっかりと踏まえて、実現に向けて精一杯頑張ってまいりたい。引き続きの審議をお願いする」と述べました。

 その後、事務局より「市町村合併についての今後の対応方策に関する答申(案)」の説明がありました。(資料 1 参照)

挨拶する高市大臣

▲挨拶する高市大臣

 意見交換の場で、荒木会長ははじめに、「現行特例法の期限延長」とする答申案に対して意見はないとしつつ、「平成の大合併」について触れ、「私も長年町長をしており、直接の当事者であった。当時を振り返ると、平成11年に地方分権一括法が成立し、旧合併特例法が強化されたことを契機に、政府をあげて『自主的』の名のもと、市町村合併が強力に推進された。その結果、平成11年3月末に2,562あった町村は、平成22年3月末には941町村に、6割以上も減少した。当時、市町村合併は『行財政基盤の強化』を実現し、『地域の課題に対応して、まちづくりを自ら積極的に推進することができるようになる』とされ、全国で推進された。しかし、合併を選択した町村は、どのような思いを持って合併に踏み切り、どうなったのか。その結果、地域にどのような変化をもたらしたのか」と疑問を呈しました。
 そのうえで、「一方、合併しなかった町村が、どのような将来展望を描き、現在どうなっているのかなど、合併の検証は充分とはいえない。単独行政を自ら選んだ町村、あるいは合併させてもらえなかった町村など、どの様な経緯であれ、厳しいながらも頑張ってきた私ども町村のこれまでを振り返ってみて、一方で、合併市町村の周縁部の旧町村のその後の状況を身近にみながら、自ら選んだ道は間違っていなかったというのが、偽らざる私どもの共通の思いである。合併推進の当事者による自治体アンケートとは全く異なる評価が、各地の現場には存在するという事実はしっかりと申し上げておく」と指摘しました。
 さらに、「鮮明に覚えているが、平成12年から15年にかけて日本武道館に全国の町村長、町村議会議長など町村関係者6千人が参集し、国主導の進め方に対する特別決議等を行った。その当時から、市町村合併に対する我々の主張は、全く変わっていない。ひとつは、『市町村合併は自主的に行うべきものであり、絶対に強制しないこと』であり、もうひとつは、『人口が一定規模に満たない市町村を「小規模市町村」と位置づけ、その権限を剥奪・制限・縮小したり、他の自治体へ編入することは、絶対に行わないこと』である」と強調しました。

 これから議論がされる圏域行政については、「我々、全国の町村長は、市町村合併について、言葉では言い表せない苦渋の経験を刻みこんでいる。だからこそ、新たな圏域行政の推進は『平成の大合併の再来』ではないかと大変危惧している」と懸念を示し、さらに、「新たな仕組みを検討する前に、広域行政にかかる現行制度の検証が不可欠である。検証なしに、全国の町村が望まない、新たな圏域行政等の仕組みを導入するならば、全国の町村が結集して反対せざるを得ない」と述べたうえで、「私どもは、東京一極集中が加速する中においても、いつの時代にも絶対に守るべき、『小さくても多様な町村の価値』を大切にしながら、新しい時代の課題に立ち向かう覚悟と行動力は、みな持ち合わせている」と訴えました。
 最後に、「地域が元気にならなくては、日本が元気にならないとの強い決意を持って、これからも取り組んでまいる所存である。このような私どもの思いに対して、ぜひともご理解をお願いする」と述べ、意見を締め括りました。

意見を述べる荒木会長

▲意見を述べる荒木会長

 「市町村合併についての今後の対応方策に関する答申(案)」については、提出案のとおりとりまとめることとして委員からの承認を得たのち、市川会長は、「本日とりまとめた答申については、後日、安倍総理大臣に提出させていただく。今後は引き続き、地方行政体制のあり方として、どのようなものが求められるのか、皆さまの意見をしっかりと受け止めて調査審議を進めていく」と述べ、総会を閉会しました。

 

【参考資料】

資料1「市町村合併についての今後の対応方策に関する答申(案)」 [PDFファイル/234KB]

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