自治体の移住サポートを活用しよう
移住相談や空き家の情報提供、はては結婚祝い金まで……。自治体ではさまざまな移住サポート制度を設けています。上手に活用すれば、グッと移住実現に近づくはず!
まずは「移住相談」を利用しよう!
移住について悩んだら、まずは移住相談に行ってみよう。都内には、各地域が運営する〝出張移住相談所〟がたくさんある。下記のスポットの特徴をおさえて、効果的に利用すべし!
評価の見方 ★★★★★
お気軽度:どれくらい気軽に利用できるか
交流充実度:移住者との交流の深さ
相談充実度:移住相談の内容の濃さ
情報充実度:入手できる情報の多さ
スポット1都道府県会館
44都道府県が集結!相談のハシゴも可能
県の「東京事務所」が集結。入居している事務所(一部分室)の数はなんと44都道府県!
各事務所は中央省庁との連絡調整を行うとともに、観光情報などを発信している。そのうち、およそ20の自治体が移住相談にも対応。雇用状況や支援制度など現地の暮らしに精通する移住相談員が常駐し、アドバイスをくれる。基本的に、移住相談はいつでも受けつけているが、相談員不在ということもあるので、事前確認を忘れずに。
ここまで相談窓口が集まっているスポットはほかにない。移住候補地がしぼりきれない、という人は各自治体の相談窓口をハシゴして比較するのもいいだろう。
公益財団法人都道府県会館
東京都千代田区平河町2-6-3
TEL:03-5212-9140 9:00 ~ 17:00
休み:土・日・祝
スポット2アンテナショップ
サービスが多様化!物産を通じて地域を知る
産地直送の野菜、六次産品、職人による民芸品など、自治体運営のアンテナショップでは色とりどりの物産を販売。さらに、郷土料理を提供するレストランやイベント会場などを併設するショップもある。地産品を通じて、移住候補地の魅力にふれてみるのもいいだろう。
都内には銀座、有楽町、日本橋を中心に50軒以上のショップが存在し、どこも比較的、駅からアクセスしやすい。このごろは長野県や石川県、新潟県のように移住相談窓口を設置するショップも登場しはじめた。自治体の職員が対応するが、ショップというコンセプトなので、お役所然とした雰囲気はない。買い物がてら気軽に相談しよう。
銀座NAGANO ~しあわせ信州シェアスペース~」
東京都中央区銀座5-6-5
TEL:03-6274-6016 10:00 ~ 20:00(4Fは18:00まで)
休み:年末年始(4Fは土日休)
スポット3移住セミナー
移住者の生の声も聞ける 自治体主催のセミナー
「移住セミナー」は自治体主催の移住促進イベント。アンテナショップや多目的施設が会場になり、人口減少が深刻な特定の市町村への移住を促す内容が多い。
イベントはおおむね次のように進行する。①自治体職員による市町村の「地域PR」②先輩移住者が暮らしを語る「移住者トークセッション」③移住相談員による「個別相談会」。ふだん聞けない先輩移住者の声は貴重な情報だ。先輩と仲良くなっておけば、移住の際に協力してくれるかもしれない。
基本的に定員は数十人で、事前申し込み制、参加費は無料。地元企業と面談できる、就業・起業に特化したセミナーもある。開催日程は自治体ホームページなどで確認しよう。
公益財団法人 ふるさと島根定住財団
島根県 松江市朝日町478-18 松江テルサ3階
TEL:0852-28-0690 8:30 ~ 17:15
休み:土・日・祝
スポット4TURNSカフェ
参加者交流がさかん 移住の同志がみつかる
本誌『TURNS』と自治体とのコラボ・イベントで、都内のカフェや公共施設を会場にして不定期に開催。「地域PR」や「移住者トークセッション」は移住セミナーと共通しているが、個別相談会を設けることは少ない。
いちばんの特徴は、参加者どうしで交流できるワークショップ「ワールドカフェ」を設けているところ。移住への思いを語りあうことで、同じ地域への移住を志す仲間が見つかり、人脈もひろがる。仲間がいれば移住へ向けてはじめの一歩を踏みだしやすい。
参加者の多くは20 ~ 30代の『TURNS』読者。みな地域や移住についての考え方が近く、地域活性化のキーパーソンが参加することもある。
株式会社第一プログレス TURNS編集部
TEL:03-6269-9732
相談窓口だけじゃない 移住後の悩みも支援!
住宅、育児、就農など自治体は移住後も支援。移住先を決めかねている人は、支援制度を比較して、より手厚いサポートを受けられる地域を選択してみよう!


❶ 空き家を探したい
物件探しは空き家バンクで
不動産屋がない地域の家探しなら、自治体が空き家所有者から募った売買・賃貸物件情報を自治体ホームページなどで掲載する「空き家バンク」制度を活用しよう。なかには、不動産サイト顔負けの手のこんだ専用画面を設けている自治体もある。
❷ 六次産品を開発したい!
商品開発から流通まで支援
生産者みずから生産物を加工、販売する六次産品。一から商品を開発するとなると相応の資金が必要だが、設備投資、パッケージデザイン、出展会場の使用料などの経費を補助してくれる。事業戦略の提案や販路開拓などの資金面以外の支援もある。
❸ 素人の就農は無謀?
就農支援で一人前に!
「全国農業会議所」が全国で展開する「青年等就農給付金」は、自治体が認める新規就農者に年間150万円を給付する制度(給付期限あり)。そのほか、農家研修や新規就農者の家賃補助など、独自の施策で新規就農をサポートする自治体も多い。
❹ 手頃な農地がほしい
最近は農地も確保しやすい
就農の間口をひろげるため、農地法で定められた下限面積(農地取得の際に最低限必要な面積要件)を緩和しているケースも。原則50アール(北海道は2ヘクタール)だった下限面積を10アールに引き下げた事例もある。農地購入費の補助金を設ける自治体も。
❺ 農業機械は夢のまた夢…
高額な農業機械も補助金で
収入が安定しない新規就農者にとって、トラクターや小型管理機、ビニールハウスなどの設備投資はとても困難。自治体によっては、設備投資費の一部を補助してくれる。設備投資費を限りなくゼロに近づけたいなら、農業機械などは先輩農家に借りるという手もある。
❻ 家がこわれちゃった!
空き家修繕費用もフォロー
空き家の修繕には数百万円の費用がかかることも少なくない。そんな費用の一部を補助してくれる制度も。補助の対象は畳のはりかえ、水まわり補修、屋根の修理など。ただし、「空き家バンクの物件限定」といった条件が設定されている場合もある。
❼ 移住後の相談もOK?
悩んだらまず移住相談員へ!
移住希望者が最初にお世話になることも多い、自治体の移住相談員。仕事や医療、地域性などさまざまな相談にのってくれるのは、移住後も変わらない。地域住民とのパイプ役になったり、移住サポートを紹介してくれたり。よき理解者になってくれるはず。
❽ 新婚夫婦はなにかと入用
祝い金を贈呈する自治体も!
なんと、移住者に祝い金を贈呈する自治体もある。たとえば、少子化問題を抱える自治体は永住の意思のある新婚夫婦に「結婚祝い金」を贈呈している。その相場は3~5万円ほど。「出産祝い金」の相場はさらに高く、第二子以降、贈呈額が加算されたりする
❾ 育児費用も軽減できる?
子どもの医療費はタダ!
子どもは地域の宝!自治体からのサポートも手厚い。小中学生の給食費を一部軽減、乳児用紙おむつ代の助成、第三子以降の保育所保育料の無料化など、育児に関する支援制度は各地域が多彩に用意している。中学三年生以下は医療費無料の自治体も少なくない。