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心もからだも 生き生きと

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月20日
 

心もからだも 生き生きと


福島県新地町

2866号(2014年01月20日)

2013年3月。地元の小学校を卒業する6年生たちを招いて、「卒業記念いちご狩り」が開催されました。荒地となっていた耕作放棄地を耕して植えたいちごの苗は、立派な実がなり、 いちご狩りに参加した子どもたちの思い出の1ページを飾ってくれました。いちごを育てた「らちはまだいこんの会」のみなさんも、「畑を始めてよかった」と実感したひとときでした。

地元の小学校6年生を招いて「卒業記念いちご狩り」

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長引く避難生活

新地町は、東日本大震災による津波被害で多くの世帯が住居を失い、今でも仮設住宅での避難生活を強いられています。同じ町内の生活とはいえ、仮住まいではどこか落ち着かず、 なんとなく漫然と日々を過ごすことも多くなっていきました。特に高齢者の方々は出歩くこともせず、閉じこもりがちになるなど、健康への悪影響も少なからず感じられるほどでした。そんな中、 町内の福田地区広畑仮設住宅の隣地に耕作放棄地があったことから、将来の営農再開のステップとして、また、耕作放棄地をよみがえらせる策として、生活に畑仕事を取り入れようという案が持ち上がりました。 そして、2012年9月には、13アールの畑を仮設住宅で暮らす町民20人ほどで手掛けることになったのです。町の埒浜地区からの避難者が多かったことから、 この取り組みを進めるメンバーを「らちはまだいこんの会」と名付けました。

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よみがえれ、土も心も絆も

「被災者営農継続支援耕作放棄地活用事業」という取り組みとして、耕作放棄地での実証実験を担うことになった「らちはまだいこんの会」。まずは、 メンバーの多くが携わった経験のあるいちごを主に、春菊などの作付けから始めました。長期間放棄されていた荒地だっただけに、思ったように収穫には至りませんでしたが、それでも、 長年培った営農の知恵を駆使して、かぼちゃやなす、すいかなど、種類も徐々に増やしていくことができました。栽培や収穫には、日頃お世話になっている地域の方を招いて、交流会のような場にもなり、 生活そのものも豊かに変化していきました。また、小学生などの農業体験の場としても提供することができ、子どもたちとのふれあいもメンバーにとっては大きな収穫となっています。

子どもたちにとっても貴重な農業体験

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長くずっと

耕作放棄地解消のための取り組みではあるものの、部屋に閉じこもりがちな高齢者の方々に元気になってほしい、という町の思いがありました。地域の方々とも笑いあい、 助けあって畑仕事をしているメンバーの姿を見かけると、本当に嬉しく思います。隣接する農家の方々からも、荒地がよみがえったことで、害虫や有害鳥獣などの被害も減少したと喜ばれ、 事業としての確かな手ごたえを感じています。今後も長期にわたって、営農再開への支援を続けていけるよう、次の段階へのステップアップを考えています。

毎日の作業も楽しんで

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