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かだりあい 再生への道しるべ

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年9月30日
 

かだりあい 再生への道しるべ


岩手県野田村

2855号(2013年9月30日)

「さぁで、今日もがんばっぴゃー!」野田村のガレキ処理施設は、毎朝元気な掛け声と笑顔に包まれます。2012年6月から本格的に始まったガレキの破砕・選別処理は、 株式会社奥村組JV野田村工事所の職員のみなさんと臨時雇用で集まった村民たちで行っています。震災前の野田村における1年分の廃棄物のおよそ100倍にもおよぶ量の災害廃棄物を、 有効で安全なリサイクル資源にするべく、今も作業が続けられているのです。

  

野田村米田地区で作業をしている村民たち

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正しい情報を伝えなければ

東日本大震災によって発生した津波が残していったものは、砕かれてしまった村の暮らしの一部であり、村民の思い出の断片。ガレキは災害廃棄物であり、 決して「ゴミ」ではないのです。一日も早い村の再生のために、ガレキ処理の様子や安全性を正しく伝えることが必要だと考え、村はガレキ処理に特化したインターネットサイトを立ち上げました。 それが、「野田村、未来へのかだりあい。」。「かだりあい」とは、東北の方言で「仲間に入る」「参加する」「一緒になる」という意味の「かだる」と「語る」から生まれた言葉。 たくさんの人々と語らいながら、お互いに協力しあって、村の未来を築いていこうという思いが込められています。

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知ってもらう重要性

18年前の阪神・淡路大震災の際もその高度な技術で活躍した株式会社奥村組に、村のガレキ処理をお願いすることになった時、 ガレキ処理の方法や進捗状況を伝えるためのインターネットサイトを立ち上げ、運営していくことに全面的に協力してもらうことを条件のひとつとしていました。 子どもが見てもわかるような平易な言葉とイラストなどのレイアウトで、ガレキの選別や粉砕にどんな機械が使われているのか、どういう作業手順なのか、選別後はどのようにリサイクルされるのか、 といった情報を盛り込んだサイトを構成しました。また、全体の処理がどの程度進んでいるのかをパーセンテージで表示したり、村内の放射線測定結果も表にしました。そして、 日々作業に従事してくれている方々の笑顔や村の再生への思いも掲載。「かだりあい。」のサイトを見れば、村のガレキ処理の状況や安全性などが一目でわかるようになっています。

ガレキの選別は丁寧に手作業で行われる

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信頼関係から生まれること

工事所を構えた株式会社奥村組も地域とのつながりを大切にしたい、と村民の臨時雇用だけでなく、 地元小学校の児童が描いた絵を掲げるなど、「かだりあい」の精神を理解してくれています。ただ単純に「前向きにがんばっています」ということだけでなく、正確に真実を、 しかもわかりやすく伝えようとした「野田村、未来へのかだりあい。」。このサイトの立ち上げ以降、ガレキの安全性についての問い合わせが激減するなど、野田村の再生のために、 村外への情報発信として大きな役割を担っていると実感しています。

㈱奥村組JV野田村工事所に掲げられた野田村小学校の児童による絵

  

野田村、未来へのかだりあい。http://www.vill.noda.iwate.jp/kadariai/index.html

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