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3年目の大きな一歩

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年8月26日
 

3年目の大きな一歩


宮城県七ヶ浜町

2851号(2013年8月26日)

2013年5月中旬、水をたたえた田んぼに田植え機の音が響きました。3年ぶりの田植えです。復旧を終えたのは町全体の田んぼの半分にも満たない広さですが、 それでも米づくりを再開できた喜びはひとしおです。夏は緑が水面に映え、秋にはまばゆいほどの穂が風にさわさわと音をたてる。当たり前だった景色がようやく戻ってくることに、 町の誰もがささやかな幸せを感じています。

  

3年ぶりの田植えに喜びと緊張と

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自然の力を信じて

東日本大震災の大津波で、全体の約3割の面積が浸水した七ヶ浜町。沿岸部に多く分布している田んぼは、その9割以上が津波の被害を受けました。絶望的に思われた状況でしたが、 県の援助や多くのボランティアの方々のおかげで、田んぼ再生計画がスタート。まずは、流れ込んだ泥やガレキを排除し、細かいガラス片などの異物を手作業で何度も繰り返し取り除きました。 次に、海水によって浸水した田んぼを除塩しなければならないのですが、川がない七ヶ浜の田んぼでの除塩作業は、苦労の連続。 ため池の水の循環や雨による自然の自浄作用を活用しながらの除塩に時間を費やし、ようやく3年ぶりの田植えが実現したのです。そうやって再生を果たした田んぼは、全体の約半分でしかありません。

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集う楽しさ喜び

もうひとつ、3年ぶりに町を賑わせたことがありました。2013年5月26日に開催された、第42回産業まつり「青空市」です。震災前まで、町の屋内ゲートボール場で開催されていた 「青空市」でしたが、会場が被災者への支援物資置き場となっていたことと、これまでの出店者の諸事情もあり、開催を見合わせていました。しかし、状況が変わるのを待っていても前へ進めない、 と会場を役場前駐車場に変更して開催することにしたのでした。規模は縮小したものの、新鮮な魚介類や農産物の直売を楽しみに待っていてくれた町内外のお客様で大盛況。 大掛かりな演出はありませんでしたが、何よりたくさんの笑顔、笑い声でいっぱいとなった会場に、関係者も胸が熱くなる思いでした。

久しぶりの「青空市」でも新鮮な農産物はやはり人気

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立ち止まらない

浜から1~2キロの距離で高台となる町の地形。地区によって被災状況がまったく違うこの小さな町で、復興に向って何をすべきなのか、戸惑うこともあります。それでも、 何かやらなきゃ始まらない…考え込むより動くこと、それが様々な「3年目の大きな一歩」につながったと信じています。2013年は町制55周年の年。記念式典や秋の収穫祭など、準備が始まっています。 町民の笑い声の波動が、町のすみずみまで届くよう、前へ前へと進みます。

「青空市」で披露された地元中学生による吹奏楽演奏にみな癒されていました

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