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山形県庄内町/日本一住みやすく住み続けたい町の実現から発展へ

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月17日

 

月山山頂

月山山頂


山形県庄内町

3110号(2020年2月17日) 庄内町長 原田 眞樹


庄内町の概要

庄内町は、山形県の北西部にあり、米どころである庄内平野のほぼ中央に位置しています。日本遺産にも選定された出羽三山のひとつ、霊峰「月山」の山頂を有し、そこから流れ出た水は「平成の名水百選」の立谷沢川から、日本三大急流の最上川と合流し田畑を潤しています。また、全国的に有名な良食味米、「ササニシキ」、「コシヒカリ」などのルーツ、「亀ノ尾」の発祥の地です。

平坦で豊かな地勢を生かした美田と、花き栽培の品質の良さから「米と花のまち」として定着しています。また、日本三大悪風といわれる清川東風(ダシ)を逆手に取った日本で初の風力発電事業や、天然ガスの自噴による町営のガス事業等から「新エネ100選」に選定されるなど、環境にもやさしい町です。


持続可能な庄内町の姿

将来における持続可能な町に向けては、自主財源の確保と歳出の抑制を図ることが重要になります。平成17年7月に余目町と立川町が合併し、庄内町となって今年で16年目を迎えました。住民の理解のもとに、今後、何ができるか、何をすべきか。本町の正念場はこれからです。自立した特色あるまちづくりを目指して、発想を転換しながら多方面にチャレンジしていくことを考えています。

風車群

風車群

令和元年6月1日現在の面積・人口・世帯数

住まいるタウン・イン・庄内~移住・定住・交流・関係人口の増加でまちの元気を盛り上げる~

庄内町は、人口10万人規模の酒田市、鶴岡市を両翼とする交通の要衝の町です。これまでも、両市のベッドタウンとしての魅力を活かした人口増加を目的とした事業を重点政策として展開してきました。住宅建築やリフォームに補助する「持家住宅建設祝金制度」が好評で、現在、町内の住宅団地等はほぼ完売状態です。また、転入希望者の要望にこたえるための若者向け「子育て応援住宅」や「新住宅団地」等を民間活用で計画しています。さらに、団塊世代の転入も視野に、空き家の活用等でのUIJターンの促進を図っています。

高規格道路

高規格道路

子育て応援住宅

子育て応援住宅


〈重点1〉

産業活力日本一のまちづくり

◆高速交通網を活用した広域交流の輪

地域高規格道路「余目酒田道路」が平成30年3月18日に開通し、隣接する市町村との連携・交流が強化されました。今後も進む高速交通網の整備は、企業進出や通勤・通学等の広域化につながります。平成28年度には、山形県への進出企業24社のうち12社が庄内へ進出しており、庄内地方全体での企業誘致や雇用が増加しています。


◆農業は町の基幹産業日本一おいしいお米のふるさと、日本一品質の高い花の町

庄内町は日本一おいしい米のふるさとであり、日本一品質の高い花づくりの町です。なかでも、平成30年度に5・7億円余であった町の「ふるさと納税」の返礼品は、「米」が約80%を占めるほどの人気です。しかし、農業従事者の高齢化や後継者不足が今後の課題となっています。そのため、農業の規模拡大による効率化、AI活用や全国から「地域おこし協力隊」を募る等、新規農業者の育成と確保に努めています。花の栽培には、町が建設した「種苗センター」の活用で、品質の均一化と苗作りの負担軽減を可能にし、花き栽培農家の増加を図っています。

また、町で作られた農産物や特産品は、町で整備した「新産業創造館クラッセ」の産直市場やレストラン、「道の駅しょうない 風車市場」、「学校給食共同調理場」などの各施設で販売や活用を促進しています。

さらに、庄内町は、『亀ノ尾』発祥のおいしいお米のルーツの町であり、米作りに誇りを持つ米農家のPRの場として、毎年「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」を開催しています。昨年で第13回を数えたこのコンテストは、全国から500件を超える申し込みがあり、例年キャンセル待ちが出るほど人気を博しているコンテストとして定着しています。

あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト

あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト


★おいしいお米のルーツ「亀ノ尾」は庄内町

本町では、現在のほとんどの良食味米につながる品種、「亀ノ尾」の創選者・阿部亀治をはじめ「森多早生」の森屋正助など、ササニシキやコシヒカリなどにつながる多くの水稲育種家を輩出しています。

「亀ノ尾」の創選者 阿部亀治

「亀ノ尾」の創選者 阿部亀治


◆商・工業の振興は、雇用の確保と起業家育成

庄内町では、平成20年度から「持家住宅建設祝金制度」を開始しました。この事業は、地域内経済循環を図る景気対策と建設業の後継者育成支援という観点から非常に好評です。事業規模は毎年約7億円程度に達しており、庄内町から始めたこの事業は、今では全国的な広がりを見せています。また、この制度の他に、人口減少対策として、若者定住支援制度、空き家登録データバンク制度等にも取り組んでおり、平成21年度からの10年間で、これら制度を活用し町に移住・定住した方は583人となっています。

既存の商店街の活性化としては、町の多くの飲食店を網羅した「たべぶらパスポート」の作成支援を行い、「一店逸品」運動や町独自の「プレミアム商品券」などを発行することなどで、個々に店の消費拡大を図り、にぎわいを創出しています。

平成の名水百選・立谷沢川

平成の名水百選・立谷沢川

​「平成の名水百選」とは、水質のよさを保っている湧水や河 川など、環境省が選定したもので、山形県では唯一、庄内町の「立 谷沢川」が選ばれました。 立谷沢川は、庄内町の頂・月山を水源に、北上して清川の最 上川に合流する全国屈指の清流です。


◆美しい自然と歴史を魅せる、庄内町の観光

庄内町は、日本遺産登録の霊峰「月山」山頂の町、平成の名水百選「立谷沢川」、国の有形登録文化財「瀬場と六淵の砂防堰堤」、新エネ百選「風力発電と天然ガスの町」、世界かんがい遺産「北楯大堰」など自然豊かな観光資源が豊富です。また、人工芝のサッカー場や屋内運動場2棟を含めたスポーツ公園、日本一大きな米蔵を活用した「新産業創造館クラッセ」、「ギャラリー温泉 町湯」、「道の駅しょうない 風車市場」や、「清川歴史公園 荘内藩清川関所」など各施設の整備も行っています。他にも、明治維新の魁と称され新撰組結成のきっかけをつくった、本町出身の幕末の志士である清河八郎の生涯を紹介する「清河八郎記念館」もあります。

これらにより、平成30年までの5年間で町への観光入込客数は約60万人増加となり90万人を超え、100万人達成を目指しています。また、観光には宿泊施設の充実が欠かせないため、現在、民間投資型の宿泊施設の整備支援についても検討中です。

清河八郎

清河八郎

激動の幕末を駆け 抜けた明治維新の 魁「清河八郎」 「西の吉田松陰、 東の清河八郎」と 称される尊皇攘 夷のリーダー。


〈重点2〉​

子育て・教育日本一のまちづくり

◆子どもたちや若者の希望に応える

本町の「子育て支援日本一」は、50余りの施策の数や総合的な充実度、保護者負担の軽減においても認知度が高くなっています。平成21年に「庄内町子育て応援日本一の町づくり宣言」を行い、住民主導の支援組織と協働で町民の意識醸成に努め、子育て現役世代の方々の応援施策をきめ細かに実行してきました。シンボリックな事業としては、毎年、地元小学校入学児童に対しては「ランドセル」と「黄色い帽子」を、中学校の入学時には「通学用カバン」を贈呈するなど、いじめや貧困対策を含め、子どもたちが自立するまでの期間、節目ごとにきめ細かい支援を行っています。

少子化対策と若者の結婚支援では、結婚適齢期の「同窓会開催支援」、広域での「結婚活動」への取組強化や町の「相談窓口の一元化」、商工会青年部の企画による「街コン助成」など、男女の出会いの場づくりを応援しています。

ランドセル贈呈式

ランドセル贈呈式


★地域おこし協力隊は、まちに新しい風を吹き込んでいる

地域おこし協力隊は、多くの分野で地域課題の解決に向けて活躍しています。本町では、現在7人の地域おこし協力隊が、音楽指導、観光振興や農業の6次産業等、町の特性を活かす分野に従事しています。そのうちの一人である進藤和真氏は、平成30年度から町の小中学生だけでなく、本町唯一の高等学校である庄内総合高校のサッカー部コーチとしてもチームの育成強化に活躍中です。進藤氏は、過去にインターハイで神奈川県の日本大学藤沢高校を準優勝に導いた実績があり、県下でも数少ないスポーツ分野での地域おこし協力隊員です。

庄内総合高校サッカー部・地域おこし協力隊の進藤氏


〈重点3〉

健康長寿日本一のまちを目指して

◆元気でご長寿!病気予防の徹底

超高齢社会の生き方と課題の解決は、「元気でご長寿、ぴんぴんころり」が理想です。そのために町では、がんの早期発見に向けて「がん検診の無料化」や、肺炎予防に「肺炎球菌ワクチン接種」助成を実施しています。また、高齢者の交通事故防止に、免許証自主返納者への「タクシー券毎年助成」や、高齢者の外出支援に「町営バスの無料化と市街地巡回バスの新設」、「無料温泉入浴券」の配布、「健康マイレージ」の推進など、各種事業を展開しています。


〈重点4〉

安心・安全日本一の町を目指して

◆安心・安全は、住みよい町の基本

住みよい町の一番の基本は、安心・安全であることです。災害や犯罪の防止はもとより、いざとなったときの医療・介護施設の充実は、関係機関との連携を密にし、ともに安心・安全なまちづくりにつながります。また、町独自の経営による上・下水道、町営ガス事業等、公共料金等は上げない努力の徹底で住民負担の軽減を図っています。


〈重点5〉

環境共生日本一のまちを目指して

◆自然の豊かさは若者や子育て世代に魅力

自然の豊かさは簡単に手に入るものではなく、若者や子育て世代にとっても魅力的な要素です。日本遺産に認定された出羽三山のひとつ「月山山頂の町」、「風力発電発祥の町」、自噴する天然ガスの利用などで「新エネ100選」にも選ばれた町として、環境にやさしい、豊かな自然を活かした交流・関係人口の拡大を図り、都会からの移住・定住を促進しています。

新庁舎イメージ

新庁舎イメージ

むすびに

旧立川町、旧余目町の2町の合併から、今年で16年目を迎えました。今後は、2万1千人余の新たな「庄内町」として生きていくこととなります。合併の特例が無くなることから厳しくなる財政状況を想定し、さらなる町民の「参画と協働」を推進しなければなりません。

また、令和2年度には、合併後最大の事業、役場庁舎が新しく生まれ変わります。これを機会に、あらためて、将来に向けて課題の整理を行いながら、「日本一住みやすく、住み続けたい町」への挑戦を続けます。