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静岡県森町/『お達者』で暮らせるまちづくりを目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月28日

お出かけ運動教室に参加された皆さん

お出かけ運動教室に参加された皆さん


静岡県森町

3068号(2019年1月28日)  森町長 太田 康雄


 

森町の概要

森町は、静岡県の西部に位置し、北は浜松市・島田市、東は掛川市、西は磐田市、南は袋井市に隣接しています。町の人口は18、507人、世帯数は6、528世帯です。(平成30年4月1日現在)

総面積は133.91㎢で三方を小高い山々に囲まれています。

町北部に緑豊かな森林が広がり、その森林を源とする清流「太田川」が町の南北を流れ、この川の流れが肥沃な土壌を生み、中心部から南部にかけて市街地や田園を形成している風情豊かな町です。また、森町は大地の実りに恵まれ、古来より伝統文化を育みつつ発展してきました。

大正時代、森町を訪れた地理学者・志賀重昂は、山紫水明のこの町を「小京都」と称賛し、以来、森町は「遠州の小京都」と呼ばれるようになりました。

風情あふれる町並み、遠江国一宮として崇敬を受けた古代の森と謳われる小國神社に代表される神社・史跡、また四季折々の花と緑の彩りなど、特徴ある景観、歴史・文化資源があり、年間110万人(平成29年度)に及ぶ観光交流客が訪れます。

また、日用食器、茶器、酒器などの森山焼の産地であり、茶・米・とうもろこし・レタス・柿・メロン等、清流太田川とその流域に広がる肥沃な大地で育てられた多彩で高品質な農作物があります。

交通面では、平成24年の新東名高速道路の開通に伴い、町の東側に「森掛川IC」が、中西部には「遠州森町PA」に併設して「遠州森町スマートIC」が設置されました。2つのインターチェンジを持つ町として、利便性の飛躍的な向上によって交流が盛んになり、さらなる発展が期待されています。

鉄道については、天竜浜名湖鉄道の遠州森駅をはじめ、町内に5つの駅があり、また、JR東海道線や東海道新幹線の掛川駅まで約25分で結ばれています。

予算規模は、平成30年度当初予算額で72億1、800万円、特別会計、企業会計を合わせた総額は166億3、800万円で、自主財源比率は 49.4%、平成29年度の財政力指数(3年平均)は0.60となっています。また、平成29年度決算による経常収支比率は 89.1%でした。

この森町をさらに元気にしていくために、町民と行政が一体となって進めるまちづくりの指針となる「第9次森町総合計画」を平成28年3月に策定しました。

本計画では「人の輪」「対話」「調和」をまちづくりの基本理念に掲げ、目指すべき町の将来像を「住む人も訪れる人も心和らぐ森町」と定めています。この計画をもとに、町民一人一人の暮らしの豊かさを高め、外部との多様な交流を広め、次世代につながるまちづくりを進めています。

平成24年4月に開通した新東名高速道路

平成24年4月に開通した新東名高速道路

お達者度について

平成22年の厚生労働省発表による健康寿命において、静岡県は、男性全国2位、女性全国1位となり、静岡県が独自に算出した男女計では、全国1位となりました。

静岡県では、健康長寿をさらに推進するため、65歳以上の平均自立期間を「お達者度」として、平成24年から市町別健康寿命を算出しています。このお達者度は、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間、いわゆる要介護度2~5でない状態を「自立している(お達者である)」と定義しています。公表を開始した平成21年から平成25年まで5回の発表がありましたが、その内訳を見ますと、森町の男性では、静岡県下35市町中、1位が2回、2位が2回、14位が1回、そして、6回目の平成26年が6位(お達者度18.33年)となっています。同じく女性では、1位が2回、2位が1回、4位が1回、6位が1回、そして、6回目の平成26年が1位(お達者度22・43年)でした。平成24年には、男性、女性ともに1位となり、静岡県が「お達者度」の発表を開始して以来、毎年上位に位置していることから、「健康長寿の町」であるといえると考えます。

静岡県が実施したアンケート調査結果によりますと、「お達者度」が長い市町の特徴として、「運動習慣、大豆製品摂取、緑茶摂取が多い。喫煙経験者、肥満該当者が少ない。世代間交流や多世代同居が多い。その他ボランティア活動等の社会活動をする人が多い。」等の特徴が挙げられています。
森町のお達者度の推移

森町のお達者度の推移(参考)

「お達者度」が長い要因

静岡県が発表する「お達者度」は、「介護認定の情報」と「死亡の情報」に基づいて算出するため、発表年の3年前の数値によりお達者度が算出されます。たとえば、平成29年発表の数値は、平成26年の数値となります。このため、現在の町の取組がすぐに「お達者度」の数値に反映されるわけではありませんので、今まで発表されたお達者度において、森町が上位に位置している理由をはっきりと説明できるものではありません。しかし、静岡県が発表した「お達者度」の長い市町の特徴の視点から森町が「お達者度」の長い要因を考察してみますと、「年間を通して、農林産物の栽培が盛んであり、高齢になっても働く場が多い。お茶農家、お茶販売店(茶商)が多く、日頃からお茶をたくさん飲む習慣、楽しむ文化が根付いている。各種ボランティア活動が盛んである。特定健診等の受診率が高く、健康に対する意識が高い。介護保険の認定率は高いが、軽度者が多く、比較的早い段階からサービスを利用し、自立した生活を長く続けている人が多い。」と考えます。

週1回のグラウンドゴルフを楽しむ

週1回のグラウンドゴルフを楽しむ

町での取組

森町では、平成18年度から保健福祉課内に地域包括支援センターを設置して介護予防事業に取り組んできました。平成21年度から、住民主体の介護予防、健康づくり、地域づくりの事業に転換するため、介護認定を受けていない65歳以上の方を対象に、介護予防リーダー養成講座を開催しています。そして、養成講座を受講していただいた方々には、「介護予防リーダー(元気もりもりサポーター)」として、地域で「100(いちまるまる)サロン」を自主的に運営していただいています。この「100サロン」は、「100円持って100歳まで元気!」を合言葉に、参加料100円を持って集まり、遊びながらリハビリや頭の体操をしたり、お茶を飲みながらおしゃべりをしたりと、地域の高齢者なら誰でも参加できるということで、参加者も口コミで増えてきています。現在、介護予防リーダーは60名にのぼり、5箇所で「100サロン」を開催しています。

また、介護予防リーダーも65歳以上の方が多いことから、平成23年度から、ボランティア活動にポイントを付与し、そのポイントに応じて交付金を給付する介護支援ボランティアポイント制度を開始しました。同制度は、地域や登録介護保険施設等におけるボランティア活動を対象に、1時間の活動につき1ポイント、1日2ポイントまで付与され、年度内に付与されたポイントは、次年度に申請することにより、1ポイント100円、年間最大50ポイント5、000円を上限に、介護保険料の負担軽減を図るため交付金として給付しています。さらに、平成29年度から、介護保険第2号被保険者を追加し、ボランティア活動の活性化を図っています。

また、平成27年の改正介護保険法により、一次予防事業がなくなりましたが、それまでは、65歳以上で生活機能低下が心配される方が、仲間と集い、会話やゲームを通して、楽しい一時を過ごす介護予防教室「さわふれクラブ」や脳活性化教室、運動教室の開催をしてきました。

はつらつと「ポールウォーク」を楽しむ 

はつらつと「ポールウォーク」を楽しむ

保健師による健康教室

保健師による健康教室

今後の取組

町では平成28年度に、今後もお達者度を維持向上させるために、「お達者度維持向上検討委員会」を設置し、「森町お達者度維持向上推進計画」を定めるとともに、町民からスローガンを募集しました。ご応募いただいた案の中からスローガンを「お達者の笑顔あふれる町づくり」と定め、町民に周知するため懸垂幕を作成し、現在、町の保健福祉センターに掲げています。また、「森町お達者度維持向上推進計画」では、平成34年発表(対象年は平成31年)のお達者度の目標に男性20.0年、女性22.5年を掲げ、重点項目として、「運動(身体機能低下防止)、社会参加・交流(社会性低下防止)、食生活(食・栄養)、健康管理(歯・口腔、健診、禁煙、飲酒、休養、睡眠)」に取り組むことにしました。

○重点項目の取組

まず、「運動」では、平成27年度に森町合併60周年を記念して、健康づくりと介護予防のために作成した、ご当地体操「元気もりもりかわせみ体操」の普及啓発に努めていきます。「元気もりもりかわせみ体操」はDVDに収録し、町内全世帯に配布していますので、今後は、町民が集まる機会を捉えて、実施していただくことにしています。また、平成28年度から、運動に特化したボランティアの養成を図るとともに、従来、町の保健福祉センターで実施していた「お出かけ運動教室」や「元気あっぷ運動教室」を町民がより参加しやすいよう、地域の公民館で開催し、歩いて通える運動教室の開催をしていきます。次に、「社会参加・交流」では、気軽に寄れる居場所づくりや気軽におしゃべりができるサロンの実施をしていきます。次の「食生活」では、緑茶の摂取がお達者度の延伸に寄与していると言われていますので、今後も町の特産品でもある緑茶の摂取、急須で入れた緑茶摂取の推進をしていきます。最後に「健康管理」では、かかりつけ医、かかりつけ歯科医の推進と歯科検診、定期健診の推進をしていくこととしています。

現在、こうした取組が町民に広く周知されるよう、活動している団体や店舗に対し、「森町お達者度向上活動『認定証』」の交付の準備をしています。

元気もりもりサポーターによる「かわせみ体操」の披露

元気もりもりサポーターによる「かわせみ体操」の披露

お出かけ運動教室の様子

お出かけ運動教室の様子

結びに

森町では、平成30年4月現在、65歳以上の高齢化率は32.6%と高く、今後も一層高齢者は増え、団塊の世代が75歳を迎える2025年には、38.6%になると予想されています。また、高齢化の進行に伴い、高齢者独居世帯や高齢者世帯の問題も年々深刻化してきています。こうした状況の中、高齢者等ができるかぎり、住み慣れた地域において継続して生活ができるよう、「地域包括ケアシステム」の構築に向け、地域医療の中心を担う公立森町病院との連携の充実を図るとともに、町民一人一人が「森町お達者度維持向上推進計画」の重点項目に取り組むよう働きかけることにより、今後も長いお達者度が維持できるよう努めていきたいと考えています。