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大分県玖珠町/自然を愛し 子どもとともに 夢を育み 誇りを持てる 心のふるさと 玖珠

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年10月1日更新

玖珠町の概要

玖珠町のシンボル伐株山


大分県玖珠町

3055号(2018年10月1日)  玖珠町長 宿利 政和


 

玖珠町の概要

玖珠町は大分県の西部に位置し、田園風景がひろがる自然が豊かな地域です。九州最大の一級河川である筑後川の上流部に位置し、町の面積は286.51平方キロメートルと大分県全体の4.5%を占めています。人口は15,823人(平成27年国勢調査)と5年前の調査と比べて人口減少が続くなど、少子高齢化が進行しています。

町のシンボルは伐株山。名前のとおり山全体が切り株の形をしている伐株山には「昔々、大きな楠の木があり、大男が切り倒した後の切り株が伐株山である。」との言い伝えがあります。

また、村上水軍の一族である来島氏(後に久留島家)が治めた森藩のまちなみが現在も残っています。

町内には恵まれた自然を活かした様々な観光スポットがあります。平成29年4月には中津市と玖珠町にまたがる広大な景勝地・耶馬溪の歴史や文化を語るストーリーとして「やばけい遊覧~大地に描かれた山水絵巻の道をゆく~」が日本遺産に認定されました。その他にも中世から近世初頭の城郭である史跡「角牟礼城跡」、森藩久留島氏の庭園であった名勝「旧久留島氏庭園」、テーブル状の台地(メサ)で形成された「万年山」や「大岩扇山」。「立羽田の景」や「麗谷の景」といった奇岩秀峰や渓流などの景観を持つ国指定文化財名勝「耶馬溪」、登録有形文化財に指定されている旧豊後森機関庫と転車台の残る豊後森機関庫公園、自然の中でゆったりとした時間を過ごすことができる三日月の滝公園、日本名水100選に選ばれた下園妙見様湧水など絶景箇所が町内随所にあります。        

童話の里のまちづくり

玖珠町では「日本のアンデルセン」と呼ばれ、明治、大正、昭和の3代にわたって子どもたちに語り聞かせをした教育者である久留島武彦の功績を称え、戦後間もない昭和25年に童話碑が建てられました。これをきっかけに毎年5月5日のこどもの日には日本童話祭が開催されます。この祭りは子どもたちの成長を健やかに育み、世代をこえて楽しむ祭りとして今年で69回を数えました。仮装パレード、演劇、玖珠川での魚のつかみ取り、迫力のある全長60mのジャンボこいのぼりのくぐり抜けや大空を泳ぐ55mのこいのぼりは、多くの歓声に包まれ、子どもから大人まで大いに楽しんでいただける祭りとなっています。

このほか、12月には子どもたちに夢と楽しみを与える「空からサンタがやってきたフェスティバル」を開催しています。地元のパラグライダー愛好家の方たちがサンタクロースに扮して空から舞い降り、着地地点で待つ子どもたちにプレゼントを手渡しすると、広場は多くの歓声に包まれます。  

ジャンボこいのぼり

ジャンボこいのぼり

童話碑

童話碑

農業と教育、福祉のまちづくり

玖珠町では平成27年に「玖珠町まち・ひと・しごと創生戦略」を作成し、「楽しく学び個性と感性を育むまちづくり」(教育・文化の向上)、「活力あふれる活気あるまちづくり」(産業の振興)、「健やかで健康に暮らせるまちづくり」(保健・福祉の向上)、「玖珠町の特性を活かしたまちづくり」の4つを掲げ、地方創生の取り組みを行っています。

「楽しく学び個性と感性を育むまちづくり」では、町内で唯一の高校である県立玖珠美山高校の魅力の創出と学力向上を図るため、行政、学校と民間企業が連携し「玖珠志学塾」を創設しました。「玖珠志学塾」は県立玖珠美山高校の生徒であれば、無料で受講できることもあり、受講者は年々増加しています。生徒の努力によるものが大きいですが、国公立大学への合格者が増えるなどの効果も表れています。地元の中学生からも進学先は「玖珠美山高校に行きたい」という声をよく聞くようになりました。

玖珠志学塾

玖珠志学塾

さらに、同高校の地域産業科では、スギやヒノキの皮を使ったバークの研究をしており、バークマットの製造については特許を取得しています。木材を加工する際にでる樹皮を無駄なく使用できることやバークマットを野菜の栽培に活用することで、玖珠町産野菜のブランド化が期待されています。

「健やかで健康に暮らせるまちづくり」では、中学生までの医療費を全額公費負担し、子育て世帯の負担軽減に取り組んでいます。また、JR久大線の豊後森駅に隣接する豊後森機関庫公園の隣地に、障がいのある方の就労支援施設「玖珠・森のクレヨン/森の米蔵」が、本年6月に開設しました。ここでは、食事やパンやケーキ等を提供するカフェレストランや多目的交流施設がありますので、ぜひ一度お越しいただければと思います。  

自習ブースでは集中して学習できる

自習ブースでは集中して学習できる

森地区街なみ環境整備事業・玖珠町グランドデザイン事業

地域が主体となり地域活性化に取り組むため、2つの事業を実施しました。

地域住民が主体となってまちづくりに取り組み「地域の活性化につなげるためにはどのようにしたらよいのか」をテーマに話し合いを重ねた結果、玖珠町に残っている伝統的な建物や施設を活用し、人を地域に呼び込むことを目的として取り組んだのが「森地区街なみ環境整備事業」です。 

玖珠町の中心地から2㎞ほど北にある、旧森藩の城下町は現在も昔のたたずまいを数多く残しており、風情のある建物が建ち並んでいます。中でも古民家を改修した「カネジュウ館」は、観光情報発信拠点としての役割を果たしています。ここでは、ゆったりと落ち着く店内と玖珠町の食材を使ったランチが大変好評を得ています。

カネジュウ館

カネジュウ館

通りの先の陣屋跡には旧久留島氏庭園があり、桜の季節や紅葉の時期には多くの見物客でにぎわいます。陣屋背後の丘陵には、森藩久留島氏の八代藩主通嘉が南端の見晴らしの良い場所に建てた「栖鳳楼」や1601年に初代藩主久留島康親が郷里伊予国の大山祗神社から御祭神を勧請したと言われる末廣神社があります。八代藩主が再興した神社の本殿は「鞘堂」という覆屋の中にあり、欅で細部まで丁寧に造られています。庭園の隣には、昨年4月に開館した久留島武彦記念館があり、久留島武彦の功績が学べる施設になっています。城下町と旧久留島氏庭園周辺を結びつけることで、歴史や文化を感じ、美しい景観を多くの方に見てもらうことで、観光客を呼び込んでいます。

次に、玖珠町の中心地にあるもう一つの観光資源、「旧豊後森機関庫」を活用し、地域の活性化を目指した「玖珠町グランドデザイン事業」は、当時、久大線の要であった旧豊後森機関庫と、周辺商店街で当時の雰囲気を創出し、観光客を呼び込もうとするものです。

この旧豊後森機関庫を中心として、周辺の商店街と一体となった取り組みにより人の流れをつくり、地域の活性化を目指すものです。この取り組みをより効果的に発展させるため、JR九州の観光列車を手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏から、景観デザインや町の活性化についての助言をいただきながら、地域で事業展開をしています。

また、平成27年度に福岡県志免町から蒸気機関車SL29612を譲り受け、現在、その重厚な雄姿を機関庫公園でみることができます。志免町とはSLの譲渡を契機とした交流が現在まで続いています。

その他、機関庫公園内には、豊後森機関庫の歴史を学べるミュージアムやミニトレインの運行など、休日は大変な賑わいの場となっています。

機関庫跡とSL29612

機関庫跡とSL29612

これら2つの地域資源を活用し、玖珠町を訪れた方に長く滞在していただくために、玖珠町のシンボルである伐株山の山頂には町を一望できる「展望休憩舎-KIRIKABU HOUSE-」を設置しています。天気の良い休日にはフードトラックによる軽食の販売を行っています。また、山頂には子どもの遊び場として通称「ハイジのブランコ」があります。山頂から見る景色は解放感に溢れるほどの景色ですので、ぜひ立ち寄って、のどかな風景を展望していただければと思います。  

展望休憩舎-KIRIKABU HOUSE-

展望休憩舎-KIRIKABU HOUSE-

大麦による産官学が連携した新たな取り組み

玖珠町の特産品として玖珠米、豊後玖珠牛や椎茸、ピーマン、トマト等がありますが、さらに地域を元気にする特産品をつくろうと、近年、美容や健康に良いとされている大麦に着目しました。大分大学や別府大学等と民間企業、地元の農業法人と行政が一体となり、玖珠町で大麦を生産から普及、加工、販売に繋げ、地域経済の好循環をつくるプロジェクトを達成するため、平成29年4月に産官学の関係機関からなる玖珠町大麦プロジェクト研究会を立ち上げました。

この研究会では「大麦といえば玖珠町」といわれるような産地をめざし様々な取り組みを行っています。昨年8月には大麦シンポジウムも開催し、全国から大麦研究に携わっている先生方を招き、大麦の効用から今後の展望まで講演していただきました。また、9月からは町内外で大麦の料理教室を行っています。大麦を身近な食材として普及啓発をすることで、大麦の魅力や調理の手軽さを多くの方に知ってもらうこと。そして何より、町の新たなブランドとして農家の方が大麦栽培に魅力を持ってくれることが重要だと思っています。玖珠町の大麦はすべて町内産で安心安全の食材です。ぜひ一度手に取ってお買い上げいただければと思います。 

大麦を使った商品を開発

大麦を使った商品を開発

今後のまちづくりについて

玖珠町においても全国の多くの自治体同様「人口減少による過疎化、高齢化」が大きな課題となっています。人口減少時代に入った現在、UIJターンを推進するための町の魅力づくりや安定した生活が確保できる働く場の確保、地域活力の維持増進等、行政の果たす役割は益々大きくなっています。

そのような中、念願の玖珠工業団地に企業進出が決定したことで、安定した雇用の確保が期待されます。今後は、地域おこし協力隊の受入れ、空き家バンクの登録等をさらに推進し、加えて本年度創設を計画している(仮称)地域マネージャー制度により、地区コミュニティ運営協議会と連携を図りながら、「地域課題の解決」や「地域資源を活用した地域産品の開発」などに取り組み、活力ある地域づくりを進めていきます。