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新潟県田上町/暮らしを磨き夢を導く~その先の輝きへ~を目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年5月7日

護摩堂山からの蒲原平野

護摩堂山からの蒲原平野


新潟県田上町

3038号(2018年4月23日)田上町長 佐藤 邦義


田上町の概要

田上町は、県都新潟市の南東に位置する人口約12、000人の町です。東側は森林地帯、西側は田園地帯そして信濃川に囲まれています。

町の中央部には、南北に走るJR信越本線と国道403号のほか、全面開通はしていませんが新潟市へ直接繋がる403号バイパスの整備が進んでいます。JR線は羽生田駅と田上駅の二駅があり、新潟駅までは約35分。北陸自動車道「三条・燕IC」から13㎞、磐越自動車道「新津IC」から10㎞、上越新幹線「燕三条駅」から13㎞という場所に位置し交通アクセスには非常に恵まれています。

また自然の恵み豊かな町でもあります。農産物では米はもちろん、桃、梅、竹の子などの特産品があります。

湯のまち田上町には、開湯から二百七十余年という歴史を持つ湯田上温泉があります。豊かな効能により、古くは「薬師の湯」と呼ばれ多くの湯治客から親しまれていた湯処です。

近代的な温泉郷に生まれ変わった現在も、旧温泉街には昔を偲ばせる風景が点在しています。毎年6月下旬から7月中旬には、その旧温泉街を舞台にアーティストやコレクターの作品を展示し、まち歩きをする「湯のまち巡り」というイベントが行われています。

田上町は明治34年11月1日、羽生田村、保明村、横場村が合併して現在の行政区域となり、地の利の良さから住宅適地として転入世帯が急増し、これを契機として昭和48年8月1日に現在の姿となりました。

人口減少と少子高齢化の深刻化

町の人口は平成12年の13、643人をピークに減少傾向が続いています。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計では2060年までに人口が半分以下に減少するとされています。現状は、出生数の減少もさることながら、20代女性の転出が多くなっており、過去5年間の人口動向をみると、転出先のほとんどが、県内では新潟市、県外では東京圏となっています。

このような人口減少と少子高齢化の進行は、生産年齢人口の減少による経済活力の減衰や年金、医療、福祉などの社会保障費の増大など、まちづくりの根幹に関わる重要な問題につながります。

このため各年齢層に見合った福祉・教育サービスの見直しや充実をはじめ、子育て環境の充実、雇用対策の推進などにより地域の活力を維持向上させ、定住人口はもとより交流人口の増加を図り、より良いまちづくりを目指して次のような取組を行っています。

湯の町めぐり

湯の町めぐり

少子化・定住対策の取組

町では平成27年度に「田上町総合戦略」を策定し人口減少に歯止めがかかるよう各事業を実施しています。

まずは住環境の整備として、

①「新婚・子育て世帯向け個人住宅取得資金利子補給金」を創設し、町へ定住することを促進するため、新婚世帯(婚姻後5年以内)又は子育て世帯(中学校3年生以下の子どものいる世帯)で住宅を取得した場合に住宅ローンの利子に対して年10万円を上限として5年間給付します。この給付金制度の受給者は年々増えてきています。

②「新婚世帯家賃支援事業」は若年層の新婚世帯の定住促進を図るため、町内の賃貸住宅へ入居した場合、補助金を交付します。毎月1万円を最大3年間(36ヶ月間)補助しています。

③「多世帯同居住まい推進リフォーム事業補助金」は、新しい取組として平成29年度に創設。町民の生活環境の向上のほか、定住促進を図るため、既存住宅で多世帯同居をするためのリフォーム工事を行う方に必要な経費の半分を補助しています。補助対象工事費に対して50万円を上限としています。

対象者は新たに多世帯同居を開始する方、又は多世帯同居の世帯人数が1名以上増加する場合となります。新規に取り組んだ事業ではありますが、利用実績もでてきています。

④「世帯向け民間賃貸住宅建設事業補助金」は世帯向け賃貸住宅を町内に建設(新築又は建替え)する場合にその所有者となる個人または法人の方に、賃貸住宅建築工事一式及び外構工事に要する経費に対して500万円を上限として補助をしています。

田上町には従来から、学生用の賃貸住宅は多くありましたが、子育て世帯が住める広さの賃貸住宅は町内にはあまりなかったため、若年層の新婚世帯の転入に繋がればという思いで事業を創設しました。

⑤移住・定住対策の一環及び町の遊休地の売却を兼ねて、移住・定住希望者に対し、町有地の制限付き一般競争入札を行いました。

入札参加資格は、契約を行った日から2年以内に住宅を建設し、住民登録を行うことなどを条件としています。

単なる町有地売却では、移住・定住に繋がらないため、最低売却価格を安価に設定し入札を行った結果、一部の土地は契約を行うことができました。しかしながら全ての物件が契約に至っていないため、土地売却の制限付き一般競争入札は今後も継続していく予定です。

田上町はあじさいの名所として有名です

田上町はあじさいの名所として有名です

町の売却遊休地

町の売却遊休地

子育て支援事業

に子育て支援では、子育てしやすい町を目指して、

①「乳幼児育児用品購入助成」を創設しました。子育てをしている家庭の経済的支援として一月あたり2千円分の助成券を発行しています。

②「子どもの医療費助成」は従来から助成を行ってましたが、平成29年度から助成範囲を拡大し、入院・通院とも高校卒業まで助成することとしました。

③「子育て支援センター」は町内にある竹の友幼児園内に設置しています。親子のための遊び場の提供や親同士の情報交換、仲間づくりの場の提供を行っています。子育てに関する悩みや問題解決をするため、専門スタッフによるアドバイスや育児相談講座の開催、子育て支援に関する情報提供を行っています。近年では「出張にこにこ広場」として地域に訪問して育児相談も行っています。

出張にこにこ広場

出張にこにこ広場

移住促進事業~プロモーションビデオの作成~

町へ移住をしていただくにも、全く知らない地へ移住することは難しいと思います。そこで、まずは田上町の知名度を上げることと、町がどんなところか、どんな生活を送れるところなのかを知っていただくために、プロモーションビデオを制作しました。

プロモーションビデオには、実際に田上町へ移住されたご家族のインタビューや町の子育て支援に関する内容も含んでおり、少しでも田上町での生活をイメージできるよう心掛けて制作しました。この動画を観て田上町へ移住していただくきっかけとなって欲しいと思っています。また、プロモーションビデオはYouTubeでご覧いただくことができます。

また、就労環境の創出も大切なことです。移住を希望されても働く場所がなければ生活ができないことから、町の産業振興及び雇用創出の拠点として期待される「本田上工業団地」への企業誘致を進めています。

今までは工業系企業の誘致を目標に販売を進めてきましたが、多様な就業スタイルに対応するため商業系企業にもアプローチを行い雇用の場の創出を行っています。

プロモーションビデオの一場面

プロモーションビデオの一場面

成果と今後の課題

田上町は国の「人口問題対策における提言」以前から少子化対策推進室を設け、人口減少と少子化対策への取組を行ってきました。現在は政策推進室となり、総合計画及び総合戦略など一元的に行っています。少子化・定住対策のサービス数も増えてきていることから、社会動態では数値に一定の成果が見られるようになってきているところです。ただ、平成27年度に策定した「田上町人口ビジョン」で設定を行った目標人口より、現時点では数値を上回っている状況ですが、自然動態では、なかなか成果が見られないところが実情です。

田上町総合戦略の計画期間は平成31年度までですが、この期間を待たずに効果の薄い事業については改訂や廃止または、新規の事業を追加するなど、違ったアプローチの施策を行っていくことが必要であると考えています。

最後に

田上町総合戦略では「暮らしを磨き夢を導く田上~その先の輝きへ~」をスローガンに掲げ、このような各種施策を展開しています。それらの施策により町民の「暮らし満足度」を高めていくことで、人口が定着し町の魅力も高まっていくことを期待しています。

そして町の魅力が高まることで、観光をはじめ交流人口が増加し自ずと転入・移住者が増えてくる好循環のまちづくりを目指していきます。