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徳島県上板町/住民が主役のまちづくりを目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年10月9日
徳島県上板町の写真

徳島県上板町

2576号(2006年10月9日号)
総務課主幹 田村 俊代


はじめまして 上板町です

徳島市より西北に約20キロメートル、讃岐山脈南麓、吉野川北岸平野部のほぼ中央部に位置し、吉野川水系と阿讃の山々の豊かな自然の中に、私たちのまち上板町があります。面積34.14平方キロメートル、人口は13,350人、世帯数は4,476世帯です。(平成18年7月末現在)

昭和30年(1955年)板野郡松島町、板野郡大山村、名西郡高志村の1町2村が合併して上板町誕生以来、平成17年で50年を迎えました。その過去を振り返るとき、多くの先達の英知と、たゆまぬ努力に深い敬意を抱くと同時に、町民の郷土への愛情が今日の上板町をつくりあげたものと改めて確信しています。

生き続ける伝統の技と心

藩政時代、阿波を代表する二大特産品「阿波藍」と「阿波和三盆糖」の産地として知られた本町は、その伝統の技を大切に受け継いでいます。

乾燥させた葉藍を発酵させて作る天然藍染めの原料を「藍すくも」といい、現在、徳島県の生産量の多くを上板町が占めています。阿波藍の栽培と加工は、蜂須賀家正が阿波入国後に導入したのが始まりといわれ、藩の保護奨励によって吉野川流域の村々は藍の一大産地となりました。

一方、讃岐山脈沿いの村では、18世紀の末に、地元の青年修験者・丸山徳弥が新しい製糖法を開発し「阿波和三盆糖」としてその名を全国に広めていったのです。和三盆糖は、和菓子の材料として 使われる高級な砂糖で、甘蔗を絞った糖液を煮詰めて作った白下糖を、台の上で水を加えながら揉み絞ることを3回繰り返したことからこのような名がついた(現在は4回以上)といわれています。

「安心」「納得」「信頼」を軸に町民と歩調を合わせた町政

上板町は今、厳しい財政運営を強いられ、思い切った行政改革や、地域産業の活性化、南海・東南海地震対策、県内で唯一海洋投棄を続けているし尿処理問題など、重大な課題が山積しております。 このような現状を踏まえ、町長就任約1ヵ月後の平成18年5月25日に町民と共に考える町づくりを目指すため、第1回町民会議を開催しました。

町民会議で発言する住民
町民会議で発言する住民

第1回町民会議は、木曜日午後1時30分開催にもかかわらず、約150人の町民の参加がありました。はじめに、松尾町長から新しい時代の魅力ある町づくり「住民が主役のまち 上板」を目指して、実りある施策の推進に力を注ぎたいということで、4項目の施政方針が伝えられました。

  1. 3つのキーワード「安心」「納得」「信頼」を軸に町民と歩調を合わせた分かりやすい町政の推進
  2. 開かれた町づくりのための情報公開及び説明責任の徹底
  3. 企業誘致による産業振興
  4. 職員の意識改革

町づくりの基本は、住民と行政が心を一つにすることから始まります。参加してくださった住民からは、町に対する要望や厳しい提言また励ましのメッセージがよせられました。

昨年冬に取り組んだウォームビズの取組み(暖房のスイッチを入れない省エネ対策)、経費節減と地球温暖化防止に貢献したことの内容が、米大手紙ワシントンポストに大きく取り上げられたことも話題になりました。町民からは、冷暖房節約は子どもたちにとっても「無駄遣いはしない」という教育になるが、使用者責任として職員の健康に配慮して取り組んで欲しいとのご提言をいただきました。

町民会議
町民会議

第1回町民会議開催後、町民から「夜間も開いて欲しい」との要望が寄せられ、より細やかな町民ニーズを把握するため、夜間に4地区(松島地区・大山地区・高志地区・西分椎本地区)で、町づくりの在り方や問題点について話し合う地区別町民会議を開催しました。

役場に設置したご意見箱
役場に設置したご意見箱

そして、役場内に「ご意見箱」を設置したり、140ある支部組織の長に「ご意見袋」を配り、支部内の住民の方々からのご意見を届けてもらったり、メールを利用したりと、いろんな形で住民の声をいただくよう取組みを進めています。

町の主役である住民に、住んでよかった、住み続けたいと感じる町づくりに積極的に関わっていただき、住民の理解と共感を得ながら、夢多い活力に満ちた行政運営を心がけたいと考えております。

クールビズ ゴーヤーで緑の日よけ

ここで、徳島県内でたびたび上板町が新聞に載っているニュースをお知らせしたいと思います。

昨年はウォームビズの取組みで新聞に掲載されたのですが、今年はクールビズの取組みでも地元紙をにぎわせております。それは、夏にも何か取り組まなければいけないような気分になってしまい、仕事の合間の雑談で「夏は何するで?どうするで?」ということで、たどりついた結論は、エアコンなしで夏を乗り切るのは不可能に近い、少しでも庁舎内の温度を下げる努力をしようということで、午後から差し込んでくる西日を遮断し、緑のカーテンで庁舎内の温度が上昇するのをおさえ、極力エアコンのスイッチを入れる時間を抑えることで意見が一致。植物もヘチマやアサガオ、ゴーヤーといろいろ意見がでましたが、食べられて体によく、友好都市である石垣市がゴーヤーの古里ということで、ゴーヤーを植えることにしました。

収穫したゴーヤー
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現在、庁舎北西側に植えたゴーヤーは、つるが伸びて葉が茂り、窓際に沿ってアーチ状の緑のカーテンが出来上がっています。予想していた以上にゴーヤーの葉が完全に一階部分を覆って、西日を遮断しています。涼しげな緑のカーテンには、実が鈴なりになっており、収穫した実はレシピと一緒に来庁者に配り、町民からは夏バテ防止や健康増進に役立つと喜ばれています。

町民の笑顔はじける町に

今後は職員の意識改革を徹底し、町民会議等でいただいたご意見を行財政改革に反映させたいと考えています。更に、町民の町づくり活動への積極的な参加を促進し、ふるさとへの愛着や誇り、住んでいて良かった、これからも住み続けたいと思える町、未来に向かって人が町が輝く、活力ある町づくりを進めたいと思っています。