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総務大臣あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2003年1月31日

総務大臣代理 総務副大臣 若松謙維

総務大臣代理 総務副大臣 若松謙維の写真

 全国町村会定期総会が開催されるに当たり、一言ごあいさつ申し上げます。
 はじめに、各町村にあっては首長の重責を担われ、住民の方々と最も身近に接し、日ごろから地方自治の発展のためご尽力いただいている町村長の皆様方に対しまして、心から敬意を表するとともに、本日栄えある表彰をお受けになられる皆様方に心からお喜びを申し上げます。
 さて、地方財政は引き続き極めて厳しい状況にあります。平成15年度においては、地方税収入や交付税の原資となる国税収入が大幅に減少することが見込まれていることから、歳出全般にわたり徹底した見直しを行うことにより、歳出規模の計画的な抑制を図ることに最大限努力いたしましたが、通常収支において13.4兆円という過去最大規模の財源不足が見込まれております。この財源不足に対しては、交付税特別会計借入金を全廃した上で、国負担分は一般会計からの繰り入れにより、地方負担分は特例地方債により補てんすることとし、必要な財源を確保しております。
 また、恒久的減税に伴う減収額については、従来の補てんルールにより措置するとともに、平成15年度税制改正における先行減税に伴う減収は、地方税の減収については減税補てん債の発行により、地方交付税の減収については特別会計借入金により補てんすることとしております。
 今回の対策の結果、地方交付税の総額は18兆693億円となり、通常収支において特別会計借入金を全廃したことにより、前年度比で7.5%減少いたしますが、交付税と同様に一般財源として使用できる臨時財政対策債を加えた額は、前年度比5.1%増の23兆9,389億円となり、明年度に地方団体が責任を負う事務事業の実施に支障を生ずることがないよう、所要の財源が適切に確保されたものと考えております。
 また、義務教育費国庫負担金については、地方の自由度を大幅に拡大することなどを前提として、15年度は共済長期負担金等に係る部分を一般財源化することとし、その他の国庫負担補助金の一般財源化分と併せてその財源は暫定措置として地方特例交付金と地方交付税により確保しており、全体の八分の七という過去例のない効率で国が負担することといたしております。
 さらに、市町村道整備に係る国庫補助負担金の見直し及び高速道路整備に対する地方負担の導入に伴う財源措置として、自動車重量譲与税の譲与割合を4分の1から3分の1に引き上げ、地方への税源移譲を実現いたしました。
 これら15年度予算における国庫補助負担金の見直しとその地方税財源確保のための措置は、三位一体改革の「芽出し」となるものです。今後、今年夏頃に予定されている三位一体改革案の取りまとめと、税源移譲をはじめとする地方の自立へ向けた大きな改革の実現に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 都道府県の基幹税である法人事業税への外形標準課税の導入は、15年度に資本金1億円超の法人を対象として外形標準の4分の1とする外形標準課税制度を創設し、16年度から適用されることとなりました。また、固定資産税につきましては、減税要望の強い中、地方財政厳しき折、本税の安定確保が不可欠との観点から、皆様方からのご要望どおり現行制度を堅持したところであります。
 21世紀は「地方の時代」であり、とりわけ「市町村の時代」であります。今後、地方分権の一層の進展に伴い、住民に身近な総合的な行政サービスを提供する市町村の役割はますます重要なものになってきます。このため市町村合併により、その規模・能力の強化を図ることが極めて重要な課題であると考えております。今後とも、市町村合併特例法の期限である平成17年3月までに十分な成果が上げられるよう、市町村合併をより一層強力に積極的に推進してまいりたいと考えておりますでの皆様方におかれても、引き続き積極的な取り組みをお願いいたします。
 また、これからの基礎的自治体の在り方については、現在地方制度調査会などで議論が進められておりますが、こうした議論を踏まえ、現場の皆様方のご意見も承りながら、総務省として検討してまいります。
 電子自治体の推進については、昨年12月「電子政府・電子自治体の推進のための行政手続オンライン化関係三法」が成立いたしました。オンライン申請・届出等が本格的に運用される平成15年度中には、市町村と都道府県が連携して電子証明書の発行等を行う、公的個人認証サービスが開始されるよう所要の準備が必要となりますので、ご協力をお願いいたします。電子自治体の推進に当たっては、個人情報の保護を徹底し、情報セキュリティ対策を十分に講じながら電子自治体の推進に取り組むことが必要です。各自治体において、個人情報保護条例の制定やセキュリティポリシーの作成を行う等の積極的な取り組みをお願いいたします。
 また、住民基本台帳ネットワークシステムについては、電子政府・電子自治体構築の基盤として不可欠なものですが、第一次サービスが昨年の8月5日にスタートし、現在のところ極めて順調に稼働しております。今年8月からは住民票の広域交付、転入転出の特例、住民基本台帳カードの交付といった第二次サービスが始まりますので、関係各位の引き続きのご尽力をお願いいたします。
 消防・防災対策といたしましては、災害や事故の態様が複雑多様化する中、緊急消防援助隊の充実等の大規模・特殊災害への対応体制の強化、消防設備に係る性能規定化等のための消防組織法及び消防法の改正法案を今国会に提出する予定であるほか、小規模雑居ビル等に対する防火安全対策の推進、救急救命士の処置範囲の拡大、消防団や自主防災組織の充実等、消防防災全般にわたる施策の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
 以上、当面する諸課題について申し述べてまいりましたが、活力ある地域社会の発展のため、皆様と一体となって、地方自治の確立に努めてまいりたいと考えております。
 皆様のより一層のご活躍と全国町村会のますますのご発展をご祈念いたしまして、私のあいさつといたします。