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山本会長が石原行革担当大臣と意見交換 =高速道路のあり方に関する政府及び地方関係者との懇談会

印刷用ページを表示する 掲載日:2002年11月28日

 政府は、11月28日、東京都内で「高速道路のあり方に関する政府及び地方関係者との懇談会」を開催しました。
 本会からは、山本文男会長(福岡県添田町長)が出席し、高速道路のあり方の議論の中で、地方の意見が採り入れられないことへの懸念や、町村振興の面からの高速道路整備の重要性について意見が述べられました。


 今回の懇談会は、道路四公団の民営化と今後の高速道路整備のあり方について、地方関係者の意見を聴く機会を設ける旨の指示が、内閣官房長官から行政改革担当大臣に対してなされたの受けて開かれたもの。
 当日の出席者は、政府側から、①石原伸晃行政改革担当大臣、②中馬弘毅国土交通副大臣、地方側からは、①山本文男会長(福岡県添田町長)、②木村守男青森県知事、③片山善博鳥取県知事、④西川政善徳島県小松島市長が出席した。
 山本会長の発言の概要は次の通り。

山本会長

 10月30日に全国から3,300人が集まり、また326人の与党の国会議員が議員連盟をつくり、高速道路の必要性を訴えた。
 なぜ、地方を代表する人たちが訴えているにもかかわらず、地方の意見を採り入れてくれないのかと不思議でならない。
 その後すぐにでも政府の関係者と地方の代表者とが話し合いをすればよかった。
 民間の人には、官のことについて分からないことがある。また、東京の人は地方の実情について熟知していない。自分も東京のことは知らない。東京に住んでいないからそこのことは分からない。
 民営化委員会の方々は、よほど地域のことを知っているのだろうか。そうであるならばその地域の方言について聞いてみたい。我が国は北から南から言葉に違いがあるように、地域の実情も異なる。その辺をお分かりになっているのだろうか。
 民間の主導でやることは良いことだとは思う。では、官は官でなぜこのような委員会を作らなかったのか。行政側の意見を聴いて、民間側の意見とうまく調整し最終的に決めて頂くというのが、一番良かったのではないか。
 高速道路は税金で造る官の仕事であり、民間が作るのではない。
 また、最近、道路を造るにあたって3割の地方負担という議論があるが、これは「貧すれば鈍する」という言葉と同じであり、感情論からこのようなことを言うのは慎むべきである。責任はあくまでも国であり、実際に計画してみて、そして第3者機関で協議すればよい。
 いま、最も懸念しているのは、町村無用論である。山を守り食料や水を供給しているのは町村である。町村をなくして国益があるのか。人々の生活の基礎を支えている食料は、水のように流れては行かないものであり、運ばなければならない。今朝穫れた野菜が、今日東京に持っていくことができれば、町村はますます栄えるだろう。それだけ、高速道路のネットワークは必要なものである。それをいくら叫んでも、いまは「馬耳東風」の感がする。
 また、「高速道路」という名前は止めるべきである。普通の道路と同じでよいのではないか。特別な道路を造るというような印象を与えると、国民になぜこの不況の時に造るのだということになる。
 さらに、道路を商品化するのはおかしい。人々の定住圏をつくるもの、あるいは産業の振興を図るために造るのもであり、道路を商品として扱うような民営化はすべきではない。もっと知恵を出して道路公団のあり方を考えるべき。

石原大臣

 民営化委員会に基本計画の9,342キロを短くするような権限はない。
 山本さんがいま言われたように、お金を取るということは、お金を払って運営費が出ればお金を取ってもいいが、必要な道路であっても、たまにしか車の通らない道路は、お金を取れば取るほど、取る費用がかかり赤字になる。調べてみるとそいうものがあるということが分かった。民営化委員会は道路を造らないということはない、赤字にならない方法で道路を造れないか考えている。
高速道路には社会的効果があり、山本さんが言われるような産業振興の面も考えなければならない。そういった外部効果も盛り込んで検討するということで委員会では一致している。採算性や進捗率だけで切り捨てるという考えはない。

 当日の懇談会では、このほか、出席した木村守男青森県知事から、今後地方の意見を聴くような委員会を設置する意思があるか問いただしたのに対し、石原大臣からは、福田官房長官に伝える旨の回答が示された。
 なお、政府の道路関係四公団民営化推進委員会は、12月6日、今井敬委員長が辞任する異例の経過たどり、新規の高速道路を極力抑制するとする建設慎重派の案を内容とする最終報告を決定し、石原伸晃行革担当大臣が、小泉純一郎内閣総理大臣に提出した。