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地方財政危機突破総決起大会を開催

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年5月25日

地方財政危機突破総決起大会の写真

 全国町村会など地方六団体で構成する地方自治確立対策協議会は、5月25日、東京都千代田区の日本武道館で「地方財政危機突破総決起大会」を開催、全国の首長や地方議会議員など約7,600人が出席しました。
 この総決起大会は、現在の三位一体改革が地方交付税の大幅な削減や国庫補助負担金の廃止に伴う本格的な税源移譲の先送りなど、国の財政再建が優先されている状況において、本来の地方分権推進のための三位一体改革への路線転換を求め、地方の声を改革に反映させることを目的に開催したものです。

 総決起大会では、基幹税による税源移譲の早期実現、負担転嫁なき国庫補助負担金の廃止、地方交付税の堅持と充実などを求める緊急決議を行いました。
 また、大会終了後には、参加者により政府・国会・政党などに対し強力な実行運動を行いました。

山本文男会長の写真
山本文男会長

 山本文男全国町村会長(福岡県添田町長)は、「地方財政に改革に関する緊急決議」の採択を提案を行い、満場の拍手とともに緊急決議が採択されました。

地方財政危機突破に関する緊急決議

 平成16年度を初年度とする「三位一体の改革」は、地方交付税の大幅な削減、国庫補助負担金の廃止に伴う本格的な税源移譲の先送りなど、国の財政再建が優先され、地方財政に大きな打撃を与え、平成16年度の予算編成に重大な支障を及ぼした。これは、本来の地方分権推進のための「三位一体の改革」にほど遠い内容で、国に対する地方の信頼と期待を裏切るものであった。

 我々地方公共団体は、未曾有の財政危機に直面する中、人件費の抑制、事務事業の抜本的な見直しによる歳出削減など、徹底した行財政改革に懸命に取り組んでいる。平成17年度以降もこのような状況が続けば、地方公共団体の財政はさらに危機的な事態に陥ることが懸念され、医療、福祉、教育などの住民生活をはじめ、地域経済にも大きな悪影響を及ぼすことが必至である。

 「三位一体の改革」は、地方分権の理念に基づき、地方の権限と責任を大幅に拡大することにより、住民に身近なところで政策や税金の使途決定を行い、住民の意向に沿った行政運営を可能とする改革でなければならない「地方分権」こそが真の「構造改革」であり、究極の「財政再建」であることを国は十分認識すべきである。

 地方分権推進のためには、地方税財政基盤の確立こそが喫緊の課題である。このため、平成17年度以降の「三位一体の改革」については、地方の権限と責任に応じた本格的な税源移譲を進め、地方の声を十分に反映した改革の全体像を早急に示す必要がある。
よって、ここに全国の地方公共団体は一致結束し、総力を挙げて、次の事項について実現を期するものである。

一 「三位一体の改革」の全体像の早期明示及び国、地方間の協議

 「三位一体の改革」が地方公共団体、国民に如何なる影響を与えるかを明らかにするためにも「三位一体の改革」の全体像と工程表、を早急に示し、地方六団体等と協議すること。
 併せて、地方公共団体の予算編成に支障がないよう、地方財政の見通しを早期に明らかにし、地方公共団体に的確な情報提供を行うこと。
 また、地方交付税は地方の固有財源であり、その総額を決めるための地方財政対策、地方財政計画の作成にあたっては、地方公共団体の意見を反映させるため、地方六団体等との協議の場を設けること。

一 基幹税による税源移譲の早期実現

 地方における歳出規模と地方税収入の乖離を縮小する方向で国と地方の税源配分の抜本的見直しを行い、地方が担うべき事務と責任に見合った税源を基幹税により早期に移譲すること。
 当面、国と地方の税源配分1:1の実現を目標とし、平成17年度においては、所得税から個人住民税への税源移譲(個人住民税の10%の比例税率化、現行1%の地方消費税の引き上げによる税源)移譲を先行決定し、実施すること。

一 負担転嫁なき国庫補助負担金の廃止

 単なる地方への負担転嫁となる国庫補助負担金の削減は、断固認められない。国庫補助負担金は、あくまで地方の自由度を高めるものを対象に見直しを行い、税源移譲額に見合った国庫補助負担金を原則廃止とすること。特に、生活保護費負担金などについては、本来国の責任で実施すべきものであり、補助率の引き下げは到底受け入れられない。
 また、国庫補助負担金の廃止で一般財源化された事務事業については必置規制・基準の義務付け廃止などの措置を併せて講じること。
 公共事業関係の国庫補助負担金の廃止に見合う財源については税源移譲を行うこと。

一 地方交付税の堅持と充実

 地方交付税については、国から地方への税源移譲に伴う税源の偏在による地方公共団体間の財政力格差の是正と、一定の行政水準の維持を確保する必要があるので、地方交付税制度が果たす財源調整・財源保障の両機能を堅持し、その内容の充実を図ること。
 また、地方財政運営に支障をきたすことのないよう、地方交付税の総額については税源移譲国庫補助負担金の廃止の状況を踏まえ、平成16年度の大幅な削減前の水準を確保できるよう措置すること。

一 国直轄事業負担金の廃止

 国直轄事業負担金は、直轄事業が全国的視野の下に国家的政策として実施されながら、地方公共団体に対して個別に財政負担を課するものであり、極めて不合理であるため「三位一体の改革」に合わせて、早急にこれを廃止すること。

以上、決議する。
平成16年5月25日

地方自治確立対策協議会
全国知事会
全国都道府県議会議長会
全国市長会
全国市議会議長会
全国町村会
全国町村議会議長会

 

 

 

 来賓には、内閣総理大臣の代理として山崎正昭内閣官房副長官、倉田寛之参議院議長、総務大臣代理として山口俊一総務副大臣が出席し、挨拶が述べられました。

内閣総理大臣代理・内閣官房副長官
山崎 正昭

内閣総理大臣代理・内閣官房副長官 山崎 正昭の写真 本日、地方財政危機突破総決起大会が、開催されるにあたり一言ご挨拶申し上げます。
 はじめに、皆さまにおかれましては、日頃から地方自治行政の発展にご尽力頂き心から敬意と謝意を表する次第であります。私は就任以来、「改革なくして成長なし」という基本認識に立ち、抜本的な構造改革を進めて参りました。今後とも「民間にできることは民間に」、「地方にできることは地方に」との方針で改革を進めることに全力を傾けて参ります。とりわけ、「地方にできることは地方に」との考え方のもと地方分権を強力に推進することは、行政の構造改革を実現する上で極めて重要であります。

 そのためには、市町村合併により基礎的な自治体の行政体制を整備していくことは極めて重要な課題であります。
 一方、自立した国と地方公共団体の関係を確立するためには、地方公共団体が、自主的、自立的な行財政運営を行えるよう、地方税財政基盤の強化に取り組む必要があります。

 このような観点から、平成16年度は、補助金の廃止、縮減等を行うとともに、平成18年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することとし、当面の措置として所得譲与税を創設して税源移譲を行い、地方交付税についても見直しを行いました。

 今後とも、地方公共団体をはじめ関係者のご意見を十分踏まえながら地方にできることは地方にとの原則のもと、地方の自由度や裁量を大幅に拡大する方向で三位一体の改革を着実に進めて参ります。以上、改革を進めていく上での決意を申し述べましたが、地方にできることは地方にの原則のもと地方分権を推進するため、今後とも皆様方のご協力をお願い申し上げ簡単ではございますが私の挨拶といたします。

参議院議長 倉田 寛之

参議院議長 倉田 寛之の写真 地方六団体の総意を結集した地方財政危機突破総決起大会の開催にあたり、参議院を代表して一言ご挨拶を申し上げます。
 地方分権の推進は平成5年の国会決議を契機として大きな歴史的な流れとなっております。そして、地方が自らの判断と責任において地域の施策を存分に進めることができるよう、その権限に見合った安定的な自主財源を確保することが、分権型社会実現に向けて今まさに強く求められております。

 しかしながら、改革初年度である本年度の三位一体改革に対しましては、補助金改革、交付税削減、そして税源移譲などについて地方の皆様から多くの意見が国会にも寄せられております。三位一体改革の実現にあたりましては、改革の本来の意義とそのあるべき姿に加え、国、地方を通じた厳しい財政の窮状についても国民各層の理解を得ながら、着実に進めていく必要がございます。

 三位一体改革が国民にとりまして、国と地方、あるいは府省間の権限や財源をめぐる争いであるかのように受けとられてはならないのであります。国家財政と地方財政は車の両輪であります。 国においては改革の理念を十分理解し、地方の実情と意見を適切に把握するとともに、地方との積極的な意見交換により情報の提供と共有を図ることが何よりも肝要であります。

 一方、地方の皆様方には財政の健全化や行財政改革に全力で取り組み、地域住民の期待により一層応えていただきたいと存じます。
 結びに、本大会のご成功と皆様の今後のますますのご健闘を祈念し、本年が地方財政基盤の確立にとって実り多い年となることを切に望み、私の挨拶といたします。

総務大臣代理・総務副大臣
山口 俊一

総務大臣代理・総務副大臣 山口 俊一の写真 本日ここに「地方財政危機突破総決起大会」が開催されるにあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 はじめに、皆様方におかれましては、日頃から地方自治行政の発展にご尽力いただき、心から敬意と謝意を表する次第であります。現下の地方財政は借入金残高が平成16年度末で204兆円と見込まれるなど、非常事態とも言える極めて厳しい状況にございます。このような中、地方財政の健全化を進めながら財政面における地方の自由度を高め、地方分権を確固たるものにするため現在政府としていわゆる三位一体の改革を進めております。平成16年度は1兆円もの国庫補助負担金の廃止・縮減等を行うとともに、所得譲与税を創設し税源移譲を進めました。また、引き続く大幅な地方財源不足を極力縮小する必要があるとの判断から、地方交付税等の総額を抑制せざるを得ませんでした。

 三位一体改革につきましては、「基本方針2003」に今後の取組み方針が示されておりますが、私としては真の三位一体の改革を進める上で一番大切なことは、地方の意見をよく聴いた上で地方の皆様方との信頼関係を維持しながら進めていくとと考えております。そのため、地方団体との信頼関係を確固たるものとし、皆様方が不安に思っていることにお答えするため、三位一体の改革に関するプランを先日、経済財政諮問会議に提出したところであります。このプランのポイントは3つございます

 1つは、本格的な税源移譲の規模約3兆円、それとその内容10%の比例税率化であります。これを先行決定すること。
 2つめ、地方の自由度の拡大を目指して税源移譲につながる3兆円の国庫補助負担金の改革を行うこと。
 3つめに地域再生等を進めるためにも平成17年度は、一般財源総額を前年度と同程度の水準を目指すことなどであります。

 これらによって三位一体の改革が地方に信頼され、地方が元気になる改革、地方の自由度を拡大する改革、自主財源を拡大する改革となるよう取り組んで参りたいと考えております。地方の時代は地方の間での競争をも意味します。現下の厳しい財政状況を踏まえ、これら、税財政改革と踏まえ行政を経営するという感性も求められます。住民の立場に立って効率的な行財政運営を目指し、より一層の行政改革にも取り組んでいただくようお願いを申し上げます。

 以上、地方税財政改革に対する決意を申し述べましたが、地方自治の発展のため、皆様方と一体となって地方税財源の充実確保に努めて参りますので、皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げ、私の挨拶といたします。

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