12月17日(土)、「第6回 国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」が開催され、本会からは渡邊廣吉副会長(新潟県町村会長・聖籠町長)が出席し、意見を述べました。
今回の協議は、本年6月に消費税率引き上げの再延期が決定され、子育てや介護の充実に係る財源が不足したことを受け、社会保障全体の予算の中で、国保の財政支援を減額する必要性が生じたことから、地方側の意見を伺うため開催されたものです。
厚生労働省からは塩崎厚生労働大臣、古屋厚生労働副大臣、馬場政務官が出席し、地方側からは渡邊副会長のほか、福田全国知事会社会保障常任委員長(栃木県知事)と岡﨑全国市長会国保対策特別委員長(高知市長)が出席しました。
会議では、はじめに塩崎厚生労働大臣より「今回の国保法等一部改正法の成立にあたっては、毎年3,400億円の財政支援を前提として、都道府県に財政運営を担っていただくこととなった経緯がある。今回、消費税率引き上げの延期により、社会保障の充実に向けた全体の枠組みの中で予算の見直しを行うこととなった点については、医療保険制度改革骨子及び国保基盤強化協議会の議論のとりまとめにおける地方の皆さまとの約束を違えることとなり、深くお詫びを申し上げたい。」と挨拶がありました。
挨拶を述べる塩崎厚生労働大臣
その後、厚生労働省より「国民健康保険における財政支援について(案)」及び「子ども医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置について(案)」について説明がありました。 具体的には、「国民健康保険における財政支援について(案)」は、対応の方向性として、①平成30年度以降、事業費への補助に充てられる約1,700億円の財政支援を確保し、 その際に平成30年度及び平成31年度については財政安定化基金の一部を活用すること、②平成29年度は、保険料の激変緩和のための約300億円のほか、 平成30年度以降の事業費補助へ繰り越すための約500億円を財政安定化基金に積み立てること、③平成29年度には、上記②を除いて1,700億円規模を積み立てた状態とするとともに、速やかに積み増しを行い、2,000億円規模を確保すること―が示されました。
また、「子ども医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置について(案)」は、すべての市町村が何らかの助成措置を実施している実態等を踏まえ、平成30年度より、 未就学児までを対象とする医療費助成については、国保の減額措置を行わないこと―が示されました。
これに対し渡邊副会長は、国保の財政支援の拡充について、「平成29年度以降の毎年3,400億円の財政支援については、今回の国保改革の前提となるものであり、 持続可能なものとなるよう度々申し上げてきたところ。
現在、各都道府県において連携会議が開催され、平成30年度からの都道府県移管に向け、着々と準備が行われてきているところである。こうした経緯や現状を踏まえ、 平成30年度からの新制度の円滑な施行に支障をきたすことのないよう、約束していただきたい」と意見を述べました。
また、子どもの医療費助成については、「未就学児までを対象とした見直し案が提示されたことは、一歩前進したものと受けとめている。 一方で、地方としてはこれまでも対象年齢に関わらず全廃するよう求めてきたところであり、今回の見直しを第一歩として、引き続き、 減額調整措置の全廃や全国一律の制度構築に向けて取り組んでいただきたい。」と要請し、意見を締め括りました。
協議後、19日の大臣折衝において最終調整が行われ、同日開催された「国と地方の協議の場」において、同内容について安倍内閣総理大臣より説明が行われました。
意見を述べる渡邊会長