「林地台帳の整備等今後の森林整備の推進に向けた協議の場」(第1回)が4月14日、農林水産省で開催され、全国町村会の民部田経済農林委員会委員長(岩手県岩手町長)はじめ、内田宮崎県副知事(知事代理)、牧野長野県飯田市長等が出席しました。
森林・林業施策の推進の一環として、今国会に提出された森林法等の一部を改正する法律案において、森林の所有者や境界の確定等を図る林地台帳の作成等が市町村に対し義務付けられています。このため、国と地方が緊密に協議し、林地台帳の整備等を円滑に推進し、今後の森林整備につなげていくことを目的に協議の場が設置されました。
第1回となる協議の場では、はじめに伊東農林水産副大臣が「豊富な森林資源を活用して林業の成長産業化を図っていくのは大事なことであるが、長年続く林業の低迷によって森林所有者の経営意欲が近年限界に達しつつある。さらには、世代交代などと相まって森林を資源として活用していくことができない実情にある。本国会に提出した森林法の一部を改正する法律案では、新たに林地台帳制度を創設することとしているが、こうした現状に歯止めをかけるため、森林所有者や境界の状況について市町村がデータベースとして整備、更新し、この情報を担い手に提供することで、森林整備などに活用していくことを目的としている。台帳の整備・運用にあたっては、住民に身近な立場で行政にあたっておられる市町村の皆様や、森林に関する情報を整備していただいた都道府県の皆様方と十分協議しながら、国としてしっかりとした方針、マニュアルを作成、地方公共団体にきめ細やかに対応していく必要があると考えている」と述べました。
引き続き出席者からの意見陳述が行われ、本会の民部田経済農林委員会委員長は、「地方においては農地でさえ耕作放棄地が増えており、その土地の確定にも苦労している現状であるため、森林の所有者、境界を明確にしていくことは並大抵ではないが、近い将来を展望した際、これをしなければ森林の未来はないと言っても過言ではない。森林の整備を進めるためには、森林所有者の特定と森林境界の明確化を図っていくことが大きなテーマであり、林地台帳の法制化によって、課題解決の方向に持っていけるのであれば、我々も協力したい」とした上で、規模の小さい町村にとって、専門の林務担当職員を配置し、業務を遂行していくことの困難性についても言及しました。林地台帳のあり方については、今後設置される事務レベルの検討会の意見を十分に踏まえるとともに、先般提出した「林地台帳の整備に関する意見」を反映したものとされたいとし、次の事項を要請しました。
民部田経済農林委員会委員長ほか出席者の意見に対し、本郷森林整備部長は、
さらに民部田経済農林委員会委員長は、「林地所有者の情報を既に整備しているところもあるが、"あるべき姿"と"ある姿"が乖離している。これを見極め、現場の声を反映させた"あるべき姿"の林地台帳となるよう配慮していただきたい」と述べました。
最後に伊東農林水産副大臣から「今回の意見、提言を踏まえ検討を進め、皆様にしっかりした説明ができるよう取り組んでいきたい」との発言があり、協議の場を閉会しました。