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「道州制推進基本法案」について、本会役員が 自民党道州制推進本部に対し、国会提出を行わないよう要請

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年3月6日

 全国町村会は3月6日(木)、自由民主党道州制推進本部(今村雅弘本部長)が取りまとめを行っている「道州制推進基本法案」(骨子案)の動向を踏まえ、 藤原会長(長野県町村会長・川上村長)谷口会長代行(三重県町村会長・大紀町長)白石会長代行(愛媛県町村会長・松前町長)遠藤副会長(山形県町村会長・山辺町長)坂本行政委員会委員長(大分県町村会長・九重町長)が、 同本部役員に対し、先月25日に提出した「道州制推進基本法案(骨子案)について」(下記参照)を改めて説明、法案の国会提出を行わないよう強く要請しました

 これは、「道州制推進基本法案」が成立した場合、「道州制国民会議」が設置され、道州制の導入に向けた具体的な制度設計が行われる懸念があることから、行ったものです。 本会はこれまでも、道州制について、①地方分権の名を借りた新たな集権体制を生み出す②税源が豊かで、社会基盤が整っている大都市圏への集中を招き、 地域間格差は一層拡大する③道州における中心部と周縁部の格差も広がり、道州と住民との距離が遠くなり、住民自治が埋没する懸念がある④道州制の導入により市町村合併がさらに強制されれば、 農山漁村の住民自治は衰退の一途をたどり、ひいては国の崩壊につながる-として、強く反対してきたところです。

 藤原会長からは、同本部より2月19日に示された、一部修正された「道州制推進基本法案」(骨子案)について、「答申があったときは、速やかに、 法制の整備その他の必要な措置を講ずる」とされるなど、なお、道州制導入を前提としたものであり、また「基礎自治体は、住民に身近な地方公共団体として、 都道府県及び市町村の権限をおおむね併せ持ち、住民に直接関わる事務について自ら考え、かつ、自ら実践することができる主体とすること」とされていることなどから、 市町村合併が不可避なことは明らかであり、本会が指摘している問題は何ら解決されていないと述べた上で、町村長の懸念を酌み取るよう訴えました。 

藤原会長(中央)はじめ本会役員が出席

藤原会長(中央)はじめ本会役員が出席

 これに対し、今村本部長からは、道州制については、説明の仕方が不十分なのか、双方かみ合っていない。我々の意図するところを分かっていただく努力をしなければならない。 今後、この案をたたき台として、党内で法案の提出に向けて議論を進めていきたい。道州制は国の形を変えるものなので、簡単に進められるものではないが、 人口減少問題等も踏まえて、今のままで良いのかという観点から取り組んでいるので、ご協力をお願いしたいとの挨拶がありました。

冒頭に挨拶を行う今村本部長(左から2人目)

冒頭に挨拶を行う今村本部長(左から2人目)

 その後、意見交換に入り、谷口会長代行からは、平成の大合併で我々地方は大変な苦労を強いられたが、その検証を行う時間もないうちに、道州制を検討しようと言っている。 このような議論の進め方には反対するとの発言がありました。 

 また、石田真敏幹事長の「道州制国民会議を作って、一度道州制はどういうものかの絵を描く議論をするだけのこと。これによって道州制になるという法案ではない。 いわば道州制国民会議設置法。それ以上のものではない。」との説明に対し、白石会長代行からは、基本法案の内容が、内閣に道州制推進本部長を置く等の記載があり、また、 基本理念や基本的方向も示したうえで、道州制国民会議を設置するという構成になっていることからも、明らかに道州制導入を前提とした法案である。 法案化の前にまずは道州制そのものについての議論が必要との発言がありました。

 遠藤副会長からは、地方分権の推進は、現在の地方自治の仕組みの下では、ほぼ限界に達していると決めつけているが、現行の体制でもまだやれることがあるのではないか。また、 骨子案では「市町村」という名称を使わず「基礎自治体」としているが、現行の市町村でやれるということを、なぜ明確に打ち出さないのかとの発言がありました。

 坂本行政委員会委員長からは、同法案で設置するとしている国民会議について、道州制を推進するという方向になってから設置すべきものであり、 導入の方向性の検討を議論するために国民会議を設置するというのはおかしいのではないかとの指摘がありました。

 これに対し橋本岳事務局次長からは、同法案について皆様方、あるいは他の団体のご意 見も伺いながら、まずは役員案を作成した。この後、自民党議員にて議論を始めたいと考えている。 ここで結論が得られれば、自民党内のプロセスを経て、公明党と調整を行い、国会提出となる。引き続き議論を続けていく予定であるので、よろしくお願いしたいとの発言がありました。

参考資料

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