全国町村会は、社会保障制度改革国民会議において、市町村国保の構造問題への対応等について議論されていることを踏まえ、6月14日に厚生労働大臣に対し要請活動を行いました。
これに先立ち開催された政務調査会では、国民会議においては、国保に関し、財政基盤の強化について、また、運営を広域化し、都道府県を保険者とすることについて議論がなされているところであるが、 いずれも全国町村会がかねてから主張してきたことであり、議論も大詰めを迎えているため、この機会を捉え、改めて全国町村会の主張を関係先に伝えることが必要であり、要請書を作成の上、 直ちに要請活動を行うこととされました。
要請活動は、遠藤行政委員会委員長(山形県町村会長・山辺町長)、荒木副会長(熊本県町村会長・嘉島町長)、齋藤副会長(秋田県町村会長・井川町長)の3名の役員にて行い、田村厚生労働大臣に対し、 ①市町村国保を取り巻く状況は極めて厳しいこと、②被用者保険と比較して所得が低いにもかかわらず所得に対する保険料負担率が高く不公平となっていること、③財政基盤を強化し、 構造的な問題の抜本解決が必要なこと、④後期高齢者支援金の被用者保険間における按分方法に全面総報酬割を導入し財源が生じるのであれば国保に投入すべきこと、⑤保険者は都道府県とすべきであり、 厚生労働省の調整が必要であること、⑥都道府県が保険者となった場合でも保険料徴収や保健事業の実施等については町村として引き続き責任を果たしていく考えであること、等を強く訴えました。
これに対し、田村厚生労働大臣からは、①国保の窮状は厚生労働省としても理解している、②国保と被用者保険の保険料負担率を比較するのは難しい面がある、 ③国保財政に何らかの手当てが必要ということは厚生労働省としても認識している、④総報酬割を全面導入することによる財源の使途は国民会議でも意見が割れており、当事者である被用者保険との調整も必要、 ⑤都道府県が保険者となることに厚生労働省は反対しておらず、都道府県の理解が得られれば選択肢の一つであり、地方団体間で話し合いをしてほしい、 ⑥保険料徴収や保健事業の実施方法等については仕組みづくりに工夫が必要、等との回答がありました。