鈴木重男副会長(岩手県葛巻町長)をはじめとする地方三団体の代表は11月15日、政府が開催した「地域脱炭素に関する国と地方の意見交換会(第2回)」に出席しました。
政府からは浅尾慶一郎環境大臣、中田宏環境副大臣、小林史明環境副大臣、五十嵐清環境大臣政務官等、地方側からは鈴木副会長のほか、全国知事会の長崎幸太郎脱炭素・地球温暖化対策本部副本部長(山梨県知事)、全国市長会の髙橋勝浩環境対策特別委員会委員長(東京都稲城市長)が出席しました。
▲挨拶する浅尾環境大臣
開会にあたり浅尾大臣から、「地域脱炭素の取組は、単に脱炭素に留まらず、地域の特性に応じて再エネポテンシャルを活用し、各地域の主体が参画連携しながらさまざまな地域課題を解決するという、まさに地方創生に資するものである。地域の皆さまからの声を踏まえ、政府としても施策の具体化を図っていきたい。本日の意見交換会は、5月の意見交換会を踏まえ、これまで有識者によりご議論いただいてきた検討会のとりまとめについて報告をさせていただく。皆さまから、ぜひ忌憚のないご意見をいただき、有意義な議論ができることを心より期待している」と挨拶がありました。
続けて、中田副大臣、小林副大臣、五十嵐政務官から挨拶が行われた後、「地域脱炭素政策の今後の在り方に関する検討会」とりまとめ案について大森恵子地域脱炭素推進審議官より報告が行われました。
▲発言する鈴木副会長
その後、意見交換では地方側から順次意見を述べ、鈴木副会長からは、はじめに「豊富な天然資源を有する農山漁村は再生エネルギーの宝庫であるため、政府においても農山漁村の持つポテンシャルを最大限活かした取組を積極的に推進し、持続可能な農山漁村地域の発展に向けた対策を講じていただきたい」との発言がありました。
次に、①「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」の交付要件の緩和や予算の大幅拡充等による、地域の特性に応じて脱炭素に取り組むすべての町村の支援、②人員、専門知識の不足や計画策定の負担に対する積極的な支援とさらなる負担軽減、③自治体と民間企業、金融機関等との連携に係る調整役としての国の役割、④安価なエネルギーを住民が享受できるなど地域に恩恵がもたらされる方向での取組の推進―等による自治体全体の底上げを求めました。
最後に、「自治体の取組を国の型にはめるのではなく、地域の実情に応じた取組、創意工夫を凝らした取組を最大限に尊重しながら地域脱炭素の取組を進めて欲しい」と述べ、発言を締め括りました。
地方側の発言を受け、浅尾大臣から、「地方のニーズに対応する人的支援について、しっかりと取り組んでいく。農山漁村のポテンシャルを最大限活かした取組を積極的に推進していく」などの発言がありました。
その後のフリーディスカッションにて、鈴木副会長は①再生可能エネルギーの活用がエネルギー消費量を大幅に上回っている市町村の『発電促進賦課金』の軽減など新たな仕組みの検討、②長い間の取組と実績も考慮した脱炭素先行地域の選定、③脱炭素に関するデータの公表―を求めるとともに、「エネルギーのないところに企業が集積し、食料のないところに過密に人が住んでいる。エネルギーと食料についてもう少し国全体を合理的にしていただくような取組をお願いしたい」と述べました。
意見交換終了後、浅尾大臣から、「地方三団体の皆さまと連携を取りながらより良い効果が出るようにやっていきたいと思うのでどうぞよろしくお願いする」と挨拶があり、閉会しました。