吉田隆行会長(広島県坂町長)及び横田真二事務総長は10月22日、地方財政審議会(会長 小西砂千夫氏)に出席しました。同審議会では、地方税財政に関する意見書のとりまとめに向け、全国町村会に対するヒアリング及び質疑応答が行われました。
はじめに吉田会長が、「令和7年度政府予算編成及び施策に関する要望」のうち、今年発生した災害と、「町村財政基盤の確立」を中心に意見陳述を行いました。
今年、石川県で発生した令和6年能登半島地震および能登地方での記録的な大雨や、秋田県、山形県を中心とした記録的な大雨等の災害について、「被災町村では、全力を挙げて復旧・復興に取り組んでいるが、財政基盤が脆弱であり、迅速な復旧と生活の再建に向けて、国による強力な支援が不可欠である。 『被災者の住宅再建』や『社会インフラの早期復旧』、『地域産業・地域経済の早期復興』等に向け、引き続きご支援賜るようお願い申し上げる」と述べました。
▲意見を述べる吉田会長
「町村財政基盤の確立」では、「町村が自主性・自立性を発揮して、地方創生を積極的に進めていくとともに、地域の実情に応じたさまざまな行政サービスを着実に実施していくためには、偏在性の小さい安定的な地方税体系の構築や地方交付税の安定的確保等により、地方の自主財源を拡充し、町村の財政基盤を強化することが不可欠」と説明しました。特に、固定資産税について、「町村における地方税収の52%を占める基幹税目である。そのため、いたずらに、時の政策で上げたり下げたりしていては、町村の安定的な財政運営はできない。国の経済対策等に用いることや、制度の根幹を揺るがす見直しについては断じて行わないよう国に強く求めている」と述べました。
そして、地方創生の取組を一層強力に推進するためにも、「地方交付税等の一般財源総額を確実に確保していただくことが必要である。来年度に向けては、特に、物価高等への対応に加え、人事院勧告に準じた給与改定等を実施するための財政需要を適切に反映していたただくよう求めていく」と述べ、発言を締めくくりました。
その後、質疑応答が行われました。主な内容は以下のとおりです。
質 問 | 防災・減災、緊急時の災害対応で要望するものは何か。 |
回 答 |
災害後のライフラインの早期の復旧、給水車やトレーラーハウスを迅速に確保できる体制整備、ドローンポートの整備、非常用物資の備蓄に対する十分な財政支援措置を求める声が寄せられている。 |
質 問 | 人口減少や少子高齢化について、要望する施策や財政支援、関心事項は何か。 |
回 答 | 人口減少対策は、自治体だけで取り組むものではなく、国が先頭に立ち、抜本的な対策を講じる必要がある。消滅可能性自治体リストの公表を受けて、本会では「住民の不安やあきらめ、分断をもたらしかねないものであり、極めて遺憾である」とし、国に対して持続可能な地域社会の実現に関する緊急要望を行った。まずは、国全体として人口減少問題に、今まで以上に重点を置き、少子化対策とこども・子育て政策をさらに強化するとともに、これまでの成果と反省を活かした新たな地方創生により、分散型の国づくりを早急に進めていただきたい。 |
そのほかでは、以下の意見回答等を行いました。
最後に、吉田会長から、「町村からの声をこれからの国の政策に反映していただくようご支援をお願いする」と述べて閉会しました。