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吉田会長が「第8回こども未来戦略会議」に出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年12月14日

 吉田隆行会長(広島県坂町長)は12月11日、政府が開催した「第8回こども未来戦略会議」(議長・岸田内閣総理大臣)に出席しました。今回の会議では、年内のとりまとめが予定されている「こども未来戦略」の案が示され、議論が行われました。
 政府からは、岸田内閣総理大臣、新藤全世代型社会保障改革担当大臣(副議長)、加藤こども政策担当大臣(同)、鈴木総務大臣、鈴木財務大臣、盛山文部科学大臣、武見厚生労働大臣、西村経済産業大臣等が出席しました。
 そのほか有識者として、地方三団体を含む関係団体や、子育ての当事者・関係者等が出席しました。
 会議において吉田会長は、「加速化プラン」に掲げられた各種施策の制度設計にあたり、地域の実情や自治体の事務負担等への配慮やシステム改修、条例改正等のための十分な準備期間の確保等を求めました。

全景

 

 開会にあたり、新藤全世代型社会保障改革担当大臣から、「6月に閣議決定された『こども未来戦略方針』を踏まえ、『加速化プラン』に掲げる政策等について、できるものから実行に移していくとともに、細部の議論を進め、年末までに『こども未来戦略』としてとりまとめることとしている。前回の会議での総理指示を踏まえ、『加速化プラン』の施策の具体化、安定財源の確保の枠組みについて各省庁で検討いただいた成果を『こども未来戦略』の案としてとりまとめ、提示しているので、ご意見をいただきたい」との挨拶がありました。

吉田会長
▲出席する吉田会長

 会議の中で吉田会長は、 「今回、『加速化プラン』において実施する具体的な内容と開始時期等が示されたが、その実施にあたっては自治体現場の負担増を伴うものもある」としたうえで、制度設計の検討の際には、地域の実情や自治体の事務負担等に十分配慮するとともに、地方の意見を丁寧に聞きながら進めるとともに、システム改修、条例改正等のための十分な準備期間の確保を求めました。
 また、「加速化プラン」の地方財源の確実な確保と、全国一律に実施すべき総合的な施策の、国の責任と財源による実施の検討に加え、保育士の配置基準の見直しや「こども誰でも通園制度」等について、「人材確保が厳しい状況にある地方の実情を踏まえ、それぞれの自治体が問題なく実施するための必要な支援を講じるよう強く求めました。
 最後に、「『こども未来戦略』に掲げる取組の推進にあたっては、私たち町村も、現場としての役割をしっかり果たしていく。国においても、財源も含め国民の理解を得ながら進めていただくようお願いする」と述べ、発言を締め括りました。

 続いて、出席した関係閣僚から順次発言が行われました。その中で、鈴木総務大臣からは、「地方団体は、こども・子育てサービスの多くを提供する主体であり、現場としての活躍は極めて大きいと考える。こども・子育て政策の強化は国と地方が車の両輪となって取り組んでいくべきである。今後とも地方の意見を十分に踏まえつつ、関係省庁とも連携し、地方財源の確保や地方団体が実施する『加速化プラン』の施策の推進にしっかり組んでいく」との発言がありました。

岸田内閣総理大臣
▲発言する岸田内閣総理大臣

 最後に、岸田内閣総理大臣が、「少子化は我が国が直面する最大の危機であり、6月の戦略方針でお示しした『加速化プラン』に掲げる各種施策について、スピード感ある実行が重要と申し上げてきている。
 本日も具体的な進捗の報告があったが、スピード感ある実行のため、できるところから取組を実施することが重要であると考えている。何よりも子育て世代の所得向上が重要であり、最低賃金を含めた賃上げ等に全力で取り組んでいく。先週には、年収の壁・支援強化パッケージを決定したところである。
 できるところから取組を実施するため、先般成立した補正予算においても、こども誰でも通園制度の試行的事業などを盛り込んでおり、前倒しでスタートしていく。
 本日の戦略案では、3.6兆円程度に及ぶ、前例のない規模での政策強化の具体案を盛り込んでいる。これにより、我が国のこども一人当たりの家族関係支出は16パーセント程度になると見込まれ、OECD(経済協力開発機構)トップのスウェーデンの水準に達し、画期的に前進する。
 具体的には、第一に、経済的支援の強化として、児童手当の抜本拡充を行う。第3子以降の多子加算の要件を見直すほか、支給回数を年6回に改め、来年中には拡充後の手当が手元に届くようにする。
 さらに、高等教育費の支援についても思い切って拡充し、多子世帯の大学・短期大学に通う学生、高等専門学校の4・5年生、専門学校に通う生徒について授業料・入学金を無償とする。
 第二に、全てのこども・子育て世帯への支援を拡充するため、妊娠期から伴走型できめ細かな支援を行うとともに、現場で働く保育士等の処遇改善や配置改善、こども誰でも通園制度の創設に取り組む。
 あわせて、貧困・ひとり親、児童虐待防止、障害児・医療的ケア児といった多様なニーズへの支援を抜本的に強化・拡充する。具体的には、ひとり親世帯向けの児童扶養手当の拡充や、障害を持つこども向けの補装具費の所得制限の撤廃など、長らく指摘されてきた課題に対応し、虐待等により家庭から孤立したこども・若者の安全な居場所の確保や、子育てに困難を抱えるこどもや家庭へのアウトリーチ支援など新たなニーズにも応えていくとともに、貧困の連鎖を断ち切るため、学習支援、生活支援を強化し、全てのこどものチャレンジをしっかり後押ししていく。
 第三に、両親が共にキャリアを諦めることなく、協力して育児をできる共働き・共育て社会の推進に向けた取組を強化する。出生後の一定期間、育休給付の給付率を手取り十割に引き上げるほか、テレワークや時短勤務など柔軟な働き方を選べる制度を設け、さらに、時短勤務を選んだ場合でも給付をもらえるようにする。
 こうした取組を安定的に支える財源については、本日具体的に内訳とその金額をお示ししたとおり、徹底した歳出改革等によって確保することを原則とする。国・地方の社会保障関係の既定予算について執行の精査等を通じて最大限の活用等を行うほか、改革工程に沿って、全世代型の社会保障制度を構築する観点から、2028年度までに徹底した歳出改革等を行い、それによって得られる公費節減の効果と社会保険負担軽減の効果を活用する。歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、実質的な負担が生じないこととする。
 今後、与党とも十分に連携しつつ、来年度予算と共に、年末までに『こども未来戦略』をとりまとめる。
 そのうえで、来年の通常国会に必要な法案を提出し、スピード感を持って、実行に移していく。
 制度や施策を策定・実施するだけでなく、その意義や目指す姿を国民一人ひとりに分かりやすいメッセージで伝えるとともに、施策が社会や職場で活用され子育て世帯にしっかりと届くよう、社会全体でこども・子育て世帯を応援する機運を高めていくことが必要である。こうした社会の意識改革を車の両輪として進めていきたいと考えており、加藤大臣を中心に、政府を挙げて取り組みたいと考えている。
 構成員の皆さまにおかれては、引き続き、ご協力をお願いする」と述べた後、会議は閉会されました。

【参考資料】

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