吉田隆行会長(広島県坂町長)をはじめとする地方六団体代表は12月8日、「地方創生に関する地方六団体との意見交換会」に出席し、自見はなこ地方創生担当大臣と「令和5年度補正予算、令和6年度概算要求及び税制改正要望」、「デジタル田園都市国家構想総合戦略の改訂」について意見交換を行いました。
▲挨拶する自見大臣
開会にあたり、自見地方創生担当大臣が挨拶に立ち、はじめに、「地方への移住・定住の促進による人の流れの創出や地域を支える産業振興・起業促進、結婚や妊娠、出産、子育てがしやすい環境整備は非常に重要な喫緊の課題」とし、「こうした施策に総合的に取り組むことで、地域の魅力を高めるとともに、雇用機会創出や所得向上といった地方創生の取組を加速させていきたい」と述べました。
また、デジタル田園都市国家構想の実現に向けては、「政府一丸となって地域の取組を後押しする」との発言がありました。
最後に、「地域の思いを大切にし、地方創生に取り組む関係者の皆さまにしっかりと耳を傾け、地域の困り事を一緒になって解決しながら、活力ある地域社会の実現を図ってまいりたい」と決意を表明し、挨拶を締め括りました。
続いて、地方六団体を代表し、村井嘉浩全国知事会長(宮城県知事)が挨拶に立ち、「人口減少が進む中、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地方創生の取組は大変重要であり、地方も国と足並みを揃えて積極的に取り組んでいる。国においては、地方の意見を今後の政策に反映させるとともに、地方の実情を踏まえた支援をいただくようお願いする」と述べました。
▲発言する吉田会長
(オンライン出席)
意見交換に入り、吉田会長からは、はじめに町村の地方創生の取組について、「自律的で持続可能な地域づくりの基礎であり、活力ある国づくりの実現につながるもの」としたうえで、町村が創意工夫を凝らして進めている、地域の特徴を活かした地方創生の取組を、さらに積極的に推進できるよう、国による支援を求めました。
続いて、「地域の課題解決のための取組や魅力向上に向けた意欲ある先進的な取組を新たに進めるためには、『デジタル田園都市国家構想交付金』による財政支援等のさらなる強化が重要」とし、「交付金の申請要件の緩和や規模の拡充を含め、地域の実情に配慮した一層使い勝手の良いものにしていただくようお願いする」と述べました。
さらに、町村において、人口減少・高齢化とともに、地域の小売店の閉店や交通網の弱体化により、特に高齢者の買い物が困難な地域が増えていることについて触れ、移動販売の運営費用や小売店等の事業承継に対する財政支援など事業の継続に向けた柔軟な支援や、町営バス、デマンドタクシーの運行など地域公共交通の再生・活性化に向けた支援の強化を求め、発言を締め括りました。
地方六団体の意見を受け、自見大臣から、デジタル田園都市国家構想交付金について、「令和5年度の補正予算で735億円を計上するとともに、令和6年度の概算要求において1,200億円を要求している。引き続き自治体の意欲的な取組を後押しできるよう、必要な予算の確保等に取り組んでいく」との発言がありました。
また、買い物弱者支援については、「内閣府では、デジ田交付金により、地域の事業者と自治体が連携して推進する移動販売や宅配サービスの整備等を支援している。本日の意見を踏まえ、今後、内閣府として、各省庁の施策の連携をより一層強化していくとともに、事業者や自治体からのお話を伺いながら、国として施策を講じていきたい」との発言がありました。
このほか、デジタル技術を活用した結婚、妊娠、出産、子育てしやすい環境の整備や、公共交通ネットワークの維持確保等について説明の後、最後に、万博の開催を契機とした地方創生に資する取組支援について述べ、発言を締め括りました。
続いて、吉川浩民内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長から、デジタル人材の育成・確保について、「専門的なデジタル知識を有する『デジタル推進人材』を2026年度末までに230万人を育成する目標の中で、全体的な人材不足への対応とともに偏在の是正にも取り組んでいく」との発言が、また、楠正憲デジタル庁デジタル社会共通機能グループ統括官から、自治体の標準準拠システムへの移行について、「いわゆる『移行困難システム』については、その状況を十分に把握したうえで適切な移行期限を個別に設定するとともに、引き続き自治体が計画的かつ着実に取組を進められるよう総務省と連携しながら支援していく」との発言の後、会議は閉会しました。