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𠮷田財政委員会委員が「生活保護制度等に関する国と地方の協議」に出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年12月11日

 𠮷田英人財政委員会委員(鳥取県八頭町長)をはじめとする地方三団体代表等は12月5日、政府が開催した「生活保護制度等に関する国と地方の協議」に出席しました。
 今回の会合では、厚生労働省から、「居住支援に関する制度見直しの具体的な方向性」や「就労支援及び家計改善支援の強化」等の6つの項目を柱とする「生活保護制度等の見直しの方向性」が示され、意見交換が行われました。
 政府からは、宮﨑政久厚生労働副大臣等が出席しました。

全景

 開会にあたり、宮﨑厚生労働副大臣が挨拶に立ち、はじめに、「生活保護受給者や生活困窮者が抱えている課題は多様化・複雑化しているが、自治体も国も、両制度の理念に基づき対象者の自立支援をしていくことが重要である」と強調しました。そのうえで、「今回の両制度見直しの方向性については自治体の皆さまからこれまでにさまざまな意見をいただいていると承知している。本日は、これまでの協議の成果も踏まえ、それぞれの代表の立場の皆さまから改めてご意見をお聞かせいただき、法改正につなげていく重要な場であると認識している。生活保護制度と併せて、生活困窮者自立支援制度についても法改正を要する見直しの方向性について整理をしているので、皆さま方から忌憚のないご意見をいただきたい」と述べました。

発言する吉田財政委員
▲発言する𠮷田財政委員

 その後の意見交換において、𠮷田財政委員ははじめに、「見直しの方向性」に盛り込まれた「居住支援に関する制度見直しの具体的な方向性」について、八頭町での事例を挙げた後、「被保護者の住まいの確保、賃貸人の不安軽減の観点から支援方策は重要であり、また、現場で対応する職員向けのマニュアル等を示す必要がある」と述べました。

  続いて、「就労支援及び家計改善支援の強化」について、「小規模自治体でも両事業が円滑に実施できるよう広域連携等の環境整備を進めることも示されているが、福祉事務所設置町村の4分の1は離島、そのほかにも中山間地域の町村が多く、近隣の自治体との連携が困難であったり、都道府県から支援を受けるにも、距離が遠いために時間やコスト等の面から難しい」と課題を述べたうえで、このような町村でも円滑に事業が実施できるような方策と、財政負担率の引き上げを求めました。

 「子どもの貧困への対応」については、「『負の連鎖』を断ち切るためにも子どもの貧困対策は重要と考えるので、自治体の取組に対する国等の積極的な支援をお願いする」と述べました。

 「医療扶助・被保護者健康管理支援事業の適正実施等」については、「被保護者健康管理支援において、依存症やその他複合的な問題を抱えているケースや、精神疾患等の障害のため、指導・指示の理解・遂行が難しいといったケースがある。また、地方は都市部と違い、専門の医療機関や支援団体が少なく、また、そのような機関へのアクセスが難しいため、支援に繋げづらいという課題もある」と現状を訴えました。

 最後に、過疎地における交通事情を踏まえた生活保護開始後の自動車の保有・使用要件の緩和、交通面の保護費の加算等の検討を求めるとともに、生活保護業務における福祉事務所の専門性の確保・維持が困難である状況や、生活支援等を行う支援団体等の福祉資源が少ないという町村における課題を挙げたうえで、「今後の生活保護制度及び生活困窮者自立支援制度においては、本日述べた意見を充分に尊重していただき、福祉事務所設置町村が円滑に事業を実施できるようご配慮いただきたい」と述べ、発言を締め括りました。

 このほか地方側からは、①居住支援に係る都道府県による積極的な支援の仕組みの検討、②生活困窮者自立支援法に規定する支援会議設置の努力義務化における柔軟な対応、③就労自立給付金の対象拡大における財源の確実な確保-等を求める発言がありました。 

 これらを受けて宮﨑副大臣から、「それぞれの立場からのご発言ではあるが、実際の取組に対する国の積極的な支援や地域への配慮、子どもの貧困への対応等については、共通点を見て取ることができ、大変参考になった。厚生労働省では、両制度の見直しをとりまとめ、法案提出に向けて準備を進めていく。両制度がより良いものとなるよう、各自治体の皆さまとともにこの制度をさらに推進していきたい」との発言があり、会合は閉会しました。