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吉田会長・宮田行政委員長が「こども政策に関する国と地方の協議の場(第2回)」に出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年11月1日更新

 吉田隆行会長(広島県坂町長)、宮田秀利行政委員長(福島県塙町長)をはじめとする地方三団体代表は10月27日、政府が開催した「こども政策に関する国と地方の協議の場(第2回)」に出席しました。
 今回の会合では、年内を目途に策定することとされている「こども大綱」について意見交換が行われました。
 政府からは、加藤鮎子こども政策担当大臣、工藤彰三内閣府副大臣、古賀友一郎内閣府大臣政務官、安江伸夫文部科学大臣政務官、宮﨑政久厚生労働副大臣等が出席しました。

 開会にあたり、加藤こども政策担当大臣が挨拶に立ち、はじめに、「ハイレベルの会合である『こども政策に関する国と地方の協議の場』は今回が今年度の第2回目となる。この間、実務者レベルでも、児童手当や『こども誰でも通園制度』等、施策ごとに必要に応じて検討会等を開催し、また、オンラインを活用して市町村を含めた地方自治体向けの業務説明会を開催している」とさまざまな形で地方との連携を図っていることを強調しました。そのうえで、「本日は、年内を目途に策定することとしている『こども大綱』について意見交換を行いたい。現場で実務を担っている皆さまからいただいたご意見も踏まえながら、年末に向けて策定作業を進めていく。限られた時間ではあるが、率直で活発な意見交換の場としたい」と述べました。

吉田会長

▲出席する吉田会長(オンライン出席)

 続いて地方三団体の会長が挨拶に立ち、吉田会長からは、本年9月29日に公表された「こども大綱の策定に向けた中間整理」について、「ライフステージに応じた切れ目のない支援等が幅広く示されている。いずれも重要な視点であり、少子化対策への効果が期待される」と述べたうえで、「町村は豊かな自然環境のもとで地域住民の支え合いによる子育てを実践し、少子化対策に成果をあげている事例もたくさんあるが、一方で保育士等の専門人材の不足や財政力の違い等により、都市部との地域間格差が生じている」と課題について説明しました。最後に「支援やサービスは全国どの地域に暮らしていても同じように享受できることが基本であり、『こども大綱』には、『地域間格差の是正』や『地域間格差の防止』といった視点も取り入れていただきたい」と述べました。

 その後の意見交換において、吉田会長は、坂町において、親世帯・子世帯・孫が心豊かに暮らせるよう「三世代同居・近居住宅支援事業補助金」を設け、子育てや介護を支え合う生活の支援を行っていることに触れ、「地域の未来を担うこどもが健やかに育つためには、お年寄りを敬う心や礼節を重んじることを家庭の中で学んでいくことが何よりも大切である。『こども大綱』にも家庭がこどもの育ちの原点であり、出発点であるということを何らかの形で触れていただきたい」と述べました。
 また、「こども大綱の策定に向けた中間整理」や「こども未来戦略方針」に盛り込まれている施策の多くは地方自治体が実施主体となることを踏まえ、「地方の現場が安心して、地域の実情に応じたこども・子育て政策の強化に取り組むためには、安定した財源を継続して確保していただくことが必要」と述べました。加えて、こども未来戦略方針で示された幼児教育・保育の現場における職員配置基準の見直しや「こども誰でも通園制度」について、「保育士の確保や現場の負担増を懸念する声が上がっている」とし、「処遇改善や職場環境の改善等も含め、地方部における人材確保に向けた支援や国・都道府県との連携が重要」と述べたうえで、「こども大綱」では、地方の安定財源の確保と人材確保に向けた支援の必要性にも言及するよう強く求めました。

宮田行政委員長

▲出席する宮田行政委員長(オンライン出席)

 宮田行政委員長からは、塙町で本年5月にオープンした「子ども第三の居場所『はなまるはうす』」におけるこどもの居場所づくりの取組を紹介するとともに、こども家庭庁が年内にとりまとめる「こどもの居場所づくりに関する指針」や「こども大綱」により「居場所づくり」の推進を図るよう求めました。
 また、「こども大綱」については、「『地域』はこどもの大切な遊びや交流の場であり、居場所でもある。親にとっては、子育ての相談にのり、支援をしてくれる人がいる拠り所にもなっている」としたうえで、「こども・子育て支援において、地域が果たす役割や価値の重要性といった視点も採り入れていただきたい」と述べました。

 このほか地方側からは、中間整理に記載された事項等について、①こどもの貧困等に対応する専門職員の確保に向けた支援、②「数値目標と指標の設定」にあたり、地域の実情に見合ったものとするとともに目標の達成のみが目的にならないようにすること、③「自治体こども計画の策定促進」にあたり、既存の計画との関係において過度の負担にならないようにすること、④ヤングケアラーに関する掘り下げた検討、⑤国の財源による全国一律のこども医療費軽減措置の実施-等を求める発言がありました。
 一方、国側からは、主に以下の発言がありました。

◯工藤内閣府副大臣

  • 子育て支援の財源確保の必要性について、こども家庭庁としてしっかりと財務省に発信していく。

◯古賀内閣府大臣政務官

  • 少子化対策、こども政策は国民運動として機運を高め、国民の理解を得ていかなければならない。国と地方自治体がしっかりと連携して、全国展開していくことが必要である。
  • 財源問題は重要なテーマである。国と地方が役割分担をしながら、全国どこの地域においても少子化対策、こども政策がしっかりできるようにしていかなくてはならない。

◯安江文部科学大臣政務官

  • 国と地方が車の両輪だということは「こども大綱」にしっかりと明記していきたい。
  • 今日いただいたご意見について、こども家庭庁と密に連携とりながら進めていく。

◯宮﨑厚生労働副大臣

  • 厚生労働省が所管する医療・福祉・労働は、いずれもこども・子育て政策との関連性が強い。こども家庭庁と連携していくことは言うまでもないが、地方三団体の理解もいただきながらの政策推進が必要だと認識した。

加藤大臣

▲出席する加藤大臣

 最後に加藤こども政策担当大臣から、「こども政策の推進にあたっては、現場で実務を担っている地方自治体の皆さまとの連携が不可欠であり、国と地方が車の両輪となって取り組んでいく必要があると考えている。今後も定期的にこのような場を設け、積極的に意見交換させていただくことを通じて、国と地方の連携をさらに強化していきたい」との発言があり、会合は閉会しました。

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