吉田隆行会長(広島県坂町長)は9月25日、情報通信審議会電気通信事業政策部会「通信政策特別委員会」にWEBで出席しました。同特別委員会は、市場環境の変化に対応した通信政策の在り方等について検討するため本年9月に設置されたものです。
この日の会議では、来年2月に予定されている特別委員会としての論点整理に向け、全国町村会等からヒアリングが行われました。 会議には、渡辺孝一総務副大臣、小森卓郎総務大臣政務官も出席しました。
▲挨拶する渡辺副大臣
会議冒頭、渡辺総務副大臣から、「来年度予算に向けた議論が本格的に始まる前に、しっかりと意見をまとめていかなければならない。これまでもハード面でかなりの努力はしてきたが、条件不利地域や離島地域も含め、皆が公平にサービスを受けるためにはどうしたらよいかということを、通信事業者とも協力しながら、総務省でも検討していきたい。国民生活や行政サービスに素晴らしい成果を上げることができるよう、皆さまの知恵をお借りしたい」との挨拶がありました。
▲会議に出席する吉田会長
ヒアリングにおいて吉田会長は、はじめに、「条件不利地域を多く抱える町村にとって、多様な地域の特性と活力を引き出し、新たな価値を生み出す可能性がある」、と「デジタル社会の推進」への期待を示したうえで、「『デジタル田園都市国家構想』が目指す『全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会』を実現するためには、全国津々浦々に情報通信インフラの整備が行き渡り、ユニバーサルサービスが提供されることが何よりも重要」と強調しました。情報通信インフラやこれを活用するためのシステム等の情報共通基盤について、国の責任において、整備を加速化するよう求めました。
一方で、離島や中山間地域など条件不利地域では、「光ファイバの基地局等の整備を事業者に断られ、やむなく町村自らが整備を実施する場合もある」とし、①条件不利地域等の町村が実施する光ファイバ等の基盤整備に対する財政支援の拡充・継続と、運営や維持・更新についても必要な支援を行うこと、②不採算地域におけるブロードバンドサービスの維持等のための交付金制度について、設備等の拡充・更新に係る費用と維持管理に係る費用の双方を支援の対象とすること、③離島や中山間地域等不採算地域において、光ファイバの基地局等の整備・維持管理を行う事業者への財政支援を拡充すること、④地上デジタルテレビ放送の通信施設を公設で整備している町村に対して、更新に係る費用を国が支援することー等の本会の要望事項を紹介。光ファイバ等の情報通信インフラやシステム等の整備に対する国の責任における財政措置も含めた対応と、移住・定住やテレワーク等をさらに行いやすくするためのハード・ソフト両面の環境づくりの推進を求めました。
最後に、「条件不利地域等における不採算地域を含め、ブロードバンドサービスをあまねく普及していくためには、国はもちろん、公共性のある民間事業者であるNTTの協力なくしては実現しない」とし、「情報通信インフラの整備や民設移行の最後の砦として、積極的な協力と支援をお願いしたい」と述べ、発言を締め括りました。
▲挨拶する小森政務官
この後、小森総務大臣政務官から挨拶があり、吉田会長からの意見に対して、「財政力の低い町や村の負担軽減については、今後大きな答えを出す中で、しっかりと取り組んでいきたい」との発言がありました。
ヒアリング及び意見交換終了後、渡辺総務副大臣から、「皆さまからの意見を尊重し、総務省でしっかりと法案整備や予算対応を行っていく。ブロードバンドの整備は、どの分野にも必要不可欠なものである。今後は、国やそれぞれの地域、民間事業者も含めて、責任分担をしながら地域に合ったサービスの在り方、手法等々で、大変面白い知恵や工夫が出るのではないかと思っている。末永く、ご支援、ご協力をお願いしたい」との挨拶があり、会議は閉会しました。