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「国と地方の協議の場」に荒木全国町村会長が出席(5/26)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年5月26日

 「国と地方の協議の場」(令和4年度第1回)が、5月20日に開催され、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。政府側は、岸田内閣総理大臣、松野内閣官房長官、金子総務大臣、岡本財務副大臣、野田内閣府特命担当大臣(地方創生)、後藤厚生労働大臣、石井経済産業副大臣、牧島デジタル大臣、山際新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、若宮デジタル田園都市国家構想担当大臣が出席し、「『骨太方針』の策定等について」、「新型コロナウイルス感染症対策」の2議題について協議しました。​

全景

 はじめに岸田内閣総理大臣が挨拶に立ち、「新型コロナの影響が続く中、ウクライナ情勢等による原油や穀物の国際価格の上昇等、国民生活に不安が生じている。この状況に対応するため2段階のアプローチで経済財政運営を行う。第1段階として、先月末、『総合緊急対策』を決定した。原油価格高騰、物価高騰等に緊急的かつ機動的に対応するため、予備費を使用し、各種支援策を実行している。特に地方創生臨時交付金を大胆に拡充し、1兆円の枠を新設した。地方の実情に応じ、生活困窮者支援や学校給食費の軽減等の子育て世帯支援、農林水産業や中小企業の支援をきめ細かく実施していただきたい。そのうえで、第2段階として、来月までに新しい資本主義のビジョンや実行計画、また、骨太方針をとりまとめ、夏以降、これらを前に進めるための総合的な方策を具体化していく。そのなかで、『デジタル田園都市国家構想』は重要な柱の1つであり、地域の課題解決とともに地方から全国へと、ボトムアップでの成長を実現していく。デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードについては、今年度中にカード交付と健康保険証利用の環境整備に一定のめどが立つよう政府を挙げて取り組んでいく。来月30日からはマイナポイント第2弾がスタートする。地方それぞれの団体で総務省と連携し、住民による交付申請の促進と交付体制の整備に一段と強力に取り組んでいただきたい。新型コロナ対応については、平時への移行期間として、最大限の警戒感を維持しながら、徐々に社会経済活動を回復していく。保健医療体制の維持・強化、3回目ワクチン接種の推進、4回目接種の開始等に引き続きご協力をお願いする。併せて次の感染症危機への備えも必要。今月11日から有識者会議を開催しているが、地方の皆さまのご意見も伺いながらこれまでの対応を評価し、来月には司令塔機能の強化や感染症法の在り方、保健医療体制の確保等、中長期的な観点から必要な対応のとりまとめを行う予定。本日は骨太方針、新型コロナ対策についてご議論いただく。忌憚のないご意見をお願いしたい」と述べました。

 協議において、平井全国知事会長(鳥取県知事)が地方六団体を代表して、新型コロナやウクライナ情勢による厳しい状況への懸念を示すとともに、新しい資本主義や「デジタル田園都市国家構想」にも国と地方が一致団結して取り組んでいくと述べました。また、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」において地方創生臨時交付金1兆円の枠が新設されたことへの謝辞を述べたうえで、「我々も産業対策や生活困窮者対策等を進めていきたい」との発言がありました。「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」については、地方公共団体の意見を取り入れ、総理のリーダーシップを発揮できるような体制を構築するよう求めました。 最後に、「ワクチン接種、マイナンバーカードの普及等、市町村と一緒になって進めていきたい」と述べました。

 荒木会長からは、①原油価格・物価高騰対策については、町村にとって重要な農林漁業者、地域の中小企業・小規模事業者等への深刻な影響や生活困窮者等のための施策を迅速に実行に移すための予算措置等を行うことや、物価高騰による入札に係る公共事業単価への対策に万全を期すること、②地方交付税等の一般財源については、新型コロナ対策、デジタル・脱炭素・地方創生の推進、防災・減災対策等さまざまな課題に地域の最前線で全力を挙げて取り組んでいる町村が自主性・自立性を発揮し、施策を着実に実施していくためには継続的に安定した自主財源の確保が不可欠であることから総額を確保すること、③「デジタル田園都市国家構想」等関連施策については、特に、移住・定住等の促進やテレワーク等のハード・ソフト両面の環境づくりの推進や、地域のデジタル化の前提となる光ファイバ等の情報通信インフラ等の整備は国が責任を持って加速化すること-を要請しました。  他の地方六団体代表からはこのほか、新型コロナ対策におけるワクチン接種率向上への取組や国と地方等の役割分担の見直し、エネルギーの安定供給確保に向けた抜本的対策、地方議会の在り方等についての意見等が述べられました。

荒木会長

▲協議に参加する荒木会長

これらを受けて、国側からは、各大臣より以下の発言がありました。

 

◯山際新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
・原油価格や物価高騰による影響を緩和し、コロナ禍からの社会経済活動の回復を確かなものとするため、「総合緊急対策」を策定した。地方と連携しながら各施策を速やかに実施し、本対策の効果が十分発揮されるよう全力で取り組む。

 

◯金子総務大臣
・マイナンバーカードについては、さらなる普及促進に向け、知事、市区町村長の皆さまに書簡を出すとともに、知事会、市長会、町村会の会長に直接要請した。新たに体制を強化した推進本部のもと、省を挙げて地方公共団体を支援していくので、積極的な取組をお願いする。
・一般財源総額の確保については、住民に身近な行政サービスを安定的に提供しつつ、さまざまな重要課題に取り組めるよう、しっかりと確保する。
・まち・ひと・しごと創生事業費及び地域デジタル社会推進費については、地方財政計画に所要額を計上し、必要な財源を確保したい。
・光ファイバ等の基盤整備については、本年3月末に策定した、「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」に沿って、着実に促進する。

 

◯山際新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
・原油価格や物価高騰による影響を緩和し、コロナ禍からの社会経済活動の回復を確かなものとするため、「総合緊急対策」を策定した。地方と連携しながら各施策を速やかに実施し、本対策の効果が十分発揮されるよう全力で取り組む。

 

◯野田内閣府特命担当大臣(地方創生)
・デジタル田園都市国家構想推進交付金については、多くの地方公共団体に活用いただいているところ。引き続き地方のニーズや意見を丁寧に伺いながら今後の本交付金の在り方について検討していく。

 

◯松野官房長官
・大規模接種会場等での団体接種を推進するために、国から大学や企業等に協力を依頼しているため、都道府県においても積極的な取組をお願いする。
・若者の接種促進や4回目接種に向けて、さまざまな媒体による情報発信に努めていく。

 

◯後藤厚生労働大臣
・連休後の感染状況を見たうえで、6月にも専門家の見解を踏まえつつ、コロナ対策を段階的に見直し、安心安全を確保しながら経済活動を取り戻すために必要な対策を講じていく。
・骨太方針の策定等にあたっては、生活困窮者のための緊急小口資金特例貸付等の支援を講じるほか、生活保護法に基づき、必要な措置を実施していく。
・ワクチン接種の円滑化に向けては、若者の3回目接種を推進するために、ワクチンの有効性や安全性について正確でわかりやすい情報を、国と自治体が力を合わせて国民に向かって発信していくことが必要。4回目接種の対象については、60歳以上の方や、18歳以上で基礎疾患のある重症化リスクの高い方等に限定しているが、今後さらに科学的知見を集め、60歳未満の方への接種について、有効性、安全性の検証も踏まえて検討していく。
・ワクチンの数量確保については、まずはファイザー社2,400万回分を含む5月9日時点の未使用ワクチン約4,500万回分を活用していただきたい。加えて4月28日に都道府県別に配分量を示した通り、6月以降にも4回目接種に必要な6,300万回分を配分予定。

 

◯若宮デジタル田園都市国家構想担当大臣
・近く「デジタル田園都市国家構想基本方針」をとりまとめるとともに、構想の実現に向け、関係大臣と連携のもと、デジタル田園都市国家構想推進交付金等により意欲ある地域の実質的な取組を応援していく。
・2026年度までにデジタル推進人材を230万人育成することを目指し、デジタル人材の地域への環流など、4つの重点領域を中心に関係省庁と連携して取り組む。

 

◯牧島デジタル大臣
・マイナンバーカードについては、「オンライン市役所サービス」のメニュー拡充や図書館カード等に広く使える市民カード化等、利用シーンを充実させながら普及を加速させている。
・デジタルに不慣れな高齢者等をサポートするデジタル推進委員の取組をスタートする。関係団体への周知はもとより、皆さまの参画の協力をお願いする。
・デジタル臨時行政調査会において、本年中に、各地方公共団体におけるアナログ規制の自主的な点検・見直しの参考となる情報提供を予定しているので活用いただきたい。

 

◯石井経済産業副大臣
・各地域での国・自治体・利害関係者による協議会等を通じ、引き続き、関係都道府県と緊密に連携し、洋上風力発電を始めとする再エネの導入拡大に取り組む。
・電力の広域機関を設立し、需給ひっ迫時における地域をまたいだ需給調整、あるいは地域間連系線等の増強を通じ、全国での広域的な系統運用を進めている。
・全国大の送電ネットワークの将来的な絵姿を示すマスタープランを2022年度中に策定予定。これらの取組を通じ、全国大での広域的な系統運用を進める。

 最後に、松野官房長官が「本日いただいた意見を真摯に受け止め、着実に取り組んでいく。今後とも、地方に関わる重要政策課題について、しっかり連携して取り組んでいく」と述べ、協議を締め括りました。

【参考資料】

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