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「国と地方の協議の場」に荒木全国町村会長が出席(12/21)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年12月23日

 「国と地方の協議の場」(令和3年度第3回)が、12月21日に開催され、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。政府側は、岸田内閣総理大臣、松野内閣官房長官、金子総務大臣、鈴木財務大臣、野田内閣府特命担当大臣(地方創生)、末松文部科学大臣、後藤厚生労働大臣、斉藤国土交通大臣、牧島デジタル大臣、二之湯内閣府特命担当大臣(防災)、山際新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、堀内ワクチン接種推進担当大臣、若宮デジタル田園都市国家構想担当大臣が出席し、「令和4年度予算編成及び地方財政対策」、「新型コロナウイルス感染症対策」の2議題について協議しました。​

全景

 はじめに岸田内閣総理大臣が挨拶に立ち、「まず、最優先の新型コロナ対応については、医療体制強化などに関する全体像に続き、先週17日、予防・検査・早期治療の包括強化策をお示しした。オミクロン株に対応するための緊急の水際措置に加え、第一にワクチン接種の前倒し、第二に飲める治療薬の提供開始、第三に検査体制の抜本強化という三本柱の対策を講じることにより、医療提供体制が逼迫しないように全力を尽くしていく。引き続き医療提供体制の運用、3回目のワクチン接種、無料検査の実施、入国者の待機施設の確保等、現場の皆様には多大なご苦労をお願いすることとなる。今後も、地方の皆様と一体となり、最優先課題として対策をしっかりと進めていくので、ご協力をお願いする。昨日、総額36兆円を計上した、今年度の補正予算が成立した。地方創生臨時交付金6.8兆円、緊急包括支援交付金2兆円等の新型コロナ対策経費を盛り込んだほか、地方交付税法の改正により、今年度2兆円の交付税を地方に追加配分する。今朝、地方分権改革推進本部を開催し、地方からの提案等に関する対応方針を決定するとともに、同方針を閣議決定した。地域が自らの発想と創意工夫により、課題解決を図るため、引き続き、地方分権改革を推進してまいりたい。さらに岸田内閣では、新しい資本主義の起動に向けた議論を進めている。新しい資本主義の主役は地方であり、デジタル田園都市国家構想を推進し、地方から国全体へボトムアップの成長を実現していく。成長と分配の好循環を実現し、皆様とともに新しい経済社会を創り上げていきたいと考えている。本日は令和4年度の予算編成及び地方財政対策を中心にご議論いただく。新型コロナ対応に万全を期すとともに、新しい資本主義の実現に向けて、予算編成に取り組んでまいる。特に地方財政については、ご要望の強い、公共施設等適正管理推進事業債を拡充したうえで、適用期限を5年間延長するほか、骨太の方針に沿って、地方の一般財源総額を適切に確保していく。本日は忌憚のないご意見をお願いしたい」と述べました。

 協議において、平井全国知事会長(鳥取県知事)が地方六団体を代表して、36兆円の補正予算の中の6兆8000億円の地方創生臨時交付金、2兆円にわたる緊急包括支援交付金、交付税の2兆円の追加措置について謝辞を述べるとともに、新型コロナ対策について、オミクロン株の流入による厳しい状況を懸念し、水際で食い止めることや宿舎の確保等の体制づくりへの支援を求めました。また、「できるだけ感染の波を遅らせて低くすることが必要なため、総理がおっしゃった三つの柱は重要である。ワクチン接種を円滑に進めるため、総量を確保し、供給のスケジュールを示していただきたい」と述べました。最後に、デジタル田園都市国家構想の推進について、「できるだけ自由度の高いものを私たちに作らせていただけるとありがたい」との発言がありました。

 荒木会長からは、①来年度地財対策については、地方交付税等の一般財源総額の確保や、その際コロナ対策をはじめとした、地方創生、デジタル推進等の十分な財政措置、臨時財政対策債の発行額抑制、②新型コロナウイルス感染症対策については、追加接種を迅速・円滑に実施できるよう、ワクチンの総量確保と町村への安定供給や、国産ワクチンの製造・販売に向けた国内企業への重点的な支援、③「デジタル田園都市国家構想推進交付金」については、条件不利地域の町村も含め、デジタル推進にとどまらず、地域の力を最大限に発揮し、新たな価値を生み出す推進力となるよう自由度が高く積極的に活用できる制度としていただくこと、④補正予算・当初予算と切れ目のない経済対策で、感染再拡大防止に万全を期しつつ、観光業や地域の地場産業、農林水産業等に対する支援の強化など、地域経済の回復・再生に政府一丸となって取り組んでいただくこと-を要請しました。
 他の地方六団体代表からはこのほか、オミクロン株への対策、全国の情報基盤整備の推進、予防接種証明書の活用、ICT支援員増員などのICT活用指導力の向上への支援についての意見等が述べられました。

荒木会長

▲意見を述べる荒木会長

これらを受けて、国側からは、各大臣より以下の発言がありました。

 

◯金子総務大臣

・地方財政については、社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方自治体が新型コロナウイルス感染症への対応や、デジタル変革の加速など、活力ある地域社会の実現といった重要課題に取り組まれるよう、地方財政計画の歳出に必要な経費を計上し、一般財源総額をしっかりと確保していく。その中でも、地方交付税総額を適切に確保し、臨時財政対策債を抑制できるよう努めていく。

 

◯野田内閣府特命担当大臣(地方創生)

・「デジタル田園都市国家構想推進交付金」については、今後、速やかに制度設計を行い、年明けに地方公共団体の皆様にお知らせする。

 

◯後藤厚生労働大臣

・ワクチンの追加接種については、交互接種の有効性・安全性について丁寧に情報提供したい。
・5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、薬事承認や審議会での了承が得られれば、来年3月以降に接種が開始できる見込み。
・オミクロン株については、緊急避難的・予防的に水際対策における入国者への定期検査や施設待機等の措置、全ての国内新規感染者への検査による早期探知に全力を尽くす。

 

◯堀内ワクチン接種推進担当大臣

​・先週、3,100万人を対象とした、追加接種の接種間隔の前倒しについて具体的な考え方を示させていただいた。これに必要なワクチン4,100万回に加え、約500万回のモデルナワクチンを配送させていただく。配分及び配送スケジュールは、明日、明後日にお示ししたい。このほか、1・2回目接種の未使用ワクチンがある場合、追加接種に活用いただきたい。
・来年3月以降に開始が想定される小児接種も自治体への速やかな情報提供と国民へのわかりやすい情報発信に努めていきたい。

 

◯山際新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

​・ワクチン接種証明書の交付申請については、接種実施要綱の中に予防接種済証、あるいは接種証明書等と明記しており、現物、紙、コピー、スマートフォンで写したものなど簡易な方法でかまわないのでしっかり周知していきたい。
・昨日から新型コロナワクチン接種証明アプリの提供がはじまっているので、併せて利活用していただきたい。

 

◯斉藤国土交通大臣

・線状降水帯の発生をできるだけ迅速に予測するため、観測機器、スーパーコンピュータ等のシステムの強化について今年度の補正予算に計上している。半日先の発生可能性については、令和4年度には広域の予測を開始し、令和6年度には県単位に地域を狭めるなど、段階的に精度を向上させていきたい。
・国管理河川の水位予測については、これまで3時間先までであったものを、今年から6時間先までの提供を開始した。都道府県が提供する予測も含めて、市区町村長による避難情報発令への的確な活用に努めていきたい。

 

◯二之湯内閣府特命担当大臣(防災)

・防災・減災対策を行ううえでは、デジタル技術等を活用することは極めて重要であると考えている。内閣府においても、国と地方との災害情報等の共有を強化するデジタルプラットフォームの構築を図るなど、更なるデジタル技術等の活用を目指して、引き続き自治体や関係省庁と連携し、防災施策に積極的に取り組んでいきたい。

 

◯末松文部科学大臣

・GIGAスクール構想の推進にあたって、今年度補正予算にGIGAスクール運営支援センターを整備する予算などを計上しており、地方の皆さまにおいても、地方財政措置等を活用してICT支援員の配置を進めていただくようお願いしている。
・ICT支援員について8000人目標に対して3800人しか確保できていない。地方の皆様の力をお借りしたい。

 

◯若宮デジタル田園都市国家構想担当大臣

・昨日成立した補正予算として、デジタル田園都市国家構想推進交付金を200億円新規で計上した。この交付金をはじめとして、多様な施策をフルに活用して、政府一丸となって、遠隔医療、教育、防災、リモートワークなど、地方における先導的なデジタル技術の取組を全力で支援していきたい。

 

◯牧島デジタル大臣

・デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、「デジタル臨時行政調査会」において、年内に策定する規制・行政・デジタル全ての改革に通底する、デジタル原則を踏まえた規制・制度の総点検と一括的な見直しや、官民で不足するデジタル人材の需給構造の改革などについて、検討を進めていく。

 

 その後の意見交換において、荒木会長はコロナワクチン追加接種について、町村では医師・看護師の確保が容易ではないとし、「比較的医療体制が整っている私の嘉島町でも接種体制を整えるのに接種申込書の発送から接種の実施まで、24~25日程度を要し、医療従事者の確保・調整等も必要となるので、医療過疎地では体制を組むのにもっと苦労している」と述べるとともに、ワクチンの提供状況等も含め、方針変更があった際の進め方等の全体像の早期の提示を求めました。また、交互接種の実施について、「安全性、有効性などに関する情報を国民に分かりやすく説明することが重要」とし、本会に全国の町村からもこのような要請が来ていることから、更なる政府広報の強化を強く要請しました。

 これに対し、後藤厚生労働大臣から、「追加接種にあたり、時間外・休日接種の国負担による加算や、集団接種会場に医師、看護師等を派遣した医療機関に対する財政支援等、前回接種と同様に継続し応援させていただきたい。また、ワクチン供給スケジュールは、できる限り展望がつくように必要な情報を迅速に届けたい。さらに交互接種については、できる限りのチャンネルを使いしっかりと情報提供したい」と発言がありました。

 最後に、松野官房長官が「皆様からいただいたご意見を真摯に受け止め、着実に取り組んでいく。今後とも、地方に関わる重要政策課題について、皆様としっかりと連携をして対応していきたい」と述べ、協議を締め括りまた。

【参考資料】

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