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「国と地方の協議の場」に荒木全国町村会長が出席 

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年6月8日

「国と地方の協議の場」(令和3年度第1回)が、6月2日に開催され、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。政府側は、菅内閣総理大臣、麻生副総理・財務大臣、武田総務大臣、坂本内閣府特命担当大臣(地方創生)、梶山経済産業大臣、小泉環境大臣、河野内閣府特命担当大臣(規制改革)、西村経済再生担当大臣、平井デジタル改革担当大臣、赤澤内閣府副大臣(代理)、山本厚生労働副大臣(代理)が出席し、「骨太方針の策定等」、「新型コロナウイルス感染症対策」の2議題について協議しました。なお、この会議は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議形式で行われました。

全景

 はじめに菅内閣総理大臣が挨拶に立ち、「地方の皆様には、日々、新型コロナウイルス感染症対策にご尽力いただいていることに感謝を申し上げる。先日、緊急事態宣言の延長を行い、現在は10都道府県で緊急事態宣言を発令中であり、また8県でまん延防止等重点措置を実施している。地域の状況に応じた対策を徹底することで、各地の感染レベルを抑えていく。対策の決め手であるワクチンについては、国と地方が一体となって、希望する全ての方が1日も早く接種できるよう、全力で取り組んでいきたいと思う。引き続き皆さんの協力をお願い申し上げる。また、今年の骨太方針では、まずは新型コロナ対策に最優先で取り組みながら、ポストコロナも見据えて、①グリーン社会の実現、②デジタル化の加速、③活力ある地方づくり、④子どもを産み育てやすい社会の実現-の4つの課題に重点的に取り組み、長年の課題に答えを出し、力強い成長を実現していく。何よりも活力ある地方を創るため、本日は忌憚のない意見をいただきたい」と述べました。

 協議において、飯泉全国知事会長(徳島県知事)が地方六団体を代表して、①新型コロナウイルスワクチン接種について、ファイザーとモデルナの使い分けの、現場である地方での弾力化、②国産ワクチン、特効薬の開発や、地方の検査機関においても変異株をしっかりとサーベランスができる体制の整備、③経済、雇用環境の厳しい状況を踏まえ、国民・事業者への国からの給付や、地方創生臨時交付金事業者支援分(2000億円)の早期解除、④令和4年度の予算編成に向けて、DX(デジタル・トランスフォーメーション)・GX(グリーン・トランスフォーメーション)や3つの国難を解決するため、地方一般財源総額実質同水準ルールの堅持、⑤地方大学の魅力化に向けて、定数の増に加え、意欲的な研究開発や環境の整備のための積極的な財政支援-等の発言がありました。最後に、「新次元の分散型国土の形成のため、地域活性化や活力ある地方づくりを、国としっかりと力を合わせて進めたい」と述べました。

 荒木会長からは、①町村にとって命綱である地方交付税等の一般財源総額の確保については、コロナ対策の影響で税財政がひっ迫している自治体の安定的運営のためにも、複数年にわたり継続的に必要額をしっかり確保することを骨太の方針に位置付けていただきたい、②ワクチン接種について、菅総理自ら医師会・看護協会に直接協力要請していただき感謝申し上げる。今後、基礎疾患を有する方や一般の方への接種でも今のペースで途切れなくワクチン供給をお願いしたい。また、これまで以上に副反応、特に重症化の心配も出てくることから、留意事項の国民周知とともに、中山間地や離島等では、常駐医師が不在の地域も多いため、救急搬送体制など国・都道府県が連携したサポートをお願いしたい、③デジタル社会とともにグリーン社会の実現にあたっては、豊かな森林で二酸化炭素の吸収を担い、再生可能エネルギーの宝庫である農山漁村の役割が重要になるが、地域でエネルギーを生み出し続けることと、持続可能な農山漁村社会の実現が同じ方向で取り組まれ、相乗効果を発揮することが重要、ぜひこの観点からの国の積極的な支援をお願いしたい-と要請しました。
他の地方六団体代表からはこのほか、変異ウイルスのまん延防止、防災・減災対策についての意見等が述べられました。

 荒木会長

▲意見を述べる荒木会長

 これらを受けて、国側からは、各大臣より以下の発言がありました。

◯武田総務大臣
・令和4年度以降の一般財源総額の在り方については、骨太方針の策定に向けて議論しているが、住民に身近な行政サービスを安定的に提供しつつ、さまざまな行政課題に取り組めるよう、一般財源総額をしっかりと確保する。
・まち・ひと・しごと創生事業費の継続拡充については、令和4年度においても地方創生の取組を継続的に推進できるよう、引き続き所要額を計上する。

◯坂本内閣府特命担当大臣(地方創生)
・地方創生臨時交付金事業者支援分の5000億円のうち、留保している2000億円を前倒しという要望については、しっかりと受け止め、それぞれの地域の実情を見ながら検討していきたい。
・東京一極集中の是正については、若者の進学やあるいは就職を地方に向けるために、魅力ある地方の大学をつくることは大変重要であるので、それぞれの地方の首長さんたちがリーダーシップを取り、国立大学・産業界等を巻き込んで、これから訴えていただきたい。

◯小泉環境大臣
・再生可能エネルギーの導入の実現には、国と自治体がともに取り組んでいくことが不可欠であるので、それぞれの自治体における再生可能エネルギーの導入に向けて、地球温暖化対策推進法の改正による新しい仕組みや、活用できる予算を使っていただきたい。

◯梶山経済産業大臣
・再生可能エネルギーについては、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、主力電源として最大限の導入を目指す。
・2030年の自然エネルギー発電比率については、飛躍的なものとなるように現在議論を進めているところである。

◯平井デジタル改革担当大臣
・5月12日にデジタル改革関連法案6法案が国会で成立したことにより、国も地方自治体もデジタル化を一気に進めることができるようになるだけでなく、9月1日にはデジタル庁を発足させることになる。
・今回、デジタル社会形成基本法の中に、デジタル社会の形成に関する重点計画をつくる際、地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策を考える場合は、都道府県知事、都道府県議会の議長、市長、市議会の議長、町村長または町村議会の議長、地方六団体の意見を聴かなければならないということを法律に明記させていただいた。
・加えて、全国の自治体職員との議論の場であるデジタル改革共創プラットフォームを発足させていただいた。今後も地方自治体と意見交換しながら、デジタル改革を進めていきたい。

◯西村経済再生担当大臣
・まず、5月25日の諮問会議でお示しをした骨子案については、ポストコロナの成長に向けた4つの改革、人材の投資、戦略的な経済連携など、成長させる基盤づくりのための施策を盛り込むこととしている。
・東京一極集中の是正については、コロナを機にテレワーク・ワーケーションといった働き方等の新たな動きが出てくる中で、若い方たちの間で地方移住への関心が高まっているため、こうした動きを定着・拡大させる改革により活力ある地方をつくり上げていきたい。

◯河野内閣府特命担当大臣(規制改革)
・ワクチンについては、第二四半期にファイザーが1億回分入って来ている。それに比べると、7月~9月の第三四半期にはファイザーは7000万回。その差を埋めるのがモデルナである。個別接種を中心に接種の早いところに重点的にファイザーを供給したい。そのために、VRSの接種回数を見ているので、しっかりと入力していただきたい。
・集団接種の会場を立ち上げていただいたところにモデルナをお配りする。
・厚生労働省のKey-Netに医者、看護協会のナースセンターに1万人以上の看護師、歯科医師会に6000人以上の歯科医師がそれぞれ登録されている。また、医者も予診はオンラインでできるため、集団接種のレーンを1つ増やす等、スケジュールの前倒しをお願いしたい。
・接種のスピードアップをするために、高齢者の接種完了を待つ必要はなく、各自治体の判断で1回目の接種が終わった空き能力を利用して、基礎疾患のある方を含めて一般接種に入っていただきたい。
・6月21日からは、企業や大学などでの職域単位での接種をスタートさせる。市区町村には事務で負担をかけないよう、可能な限り国で事務代行をしたいと思っている。

◯山本厚生労働副大臣(代理)
・ワクチン接種体制確保のための国庫補助金の追加交付、高齢者接種終了後の財政支援については、自治体に対して、希望する高齢者への接種を7月末までに完了させるための接種計画の変更以外に生ずる追加経費については、別途所要見込み額調査を実施予定であることをお知らせしたところであり、万全の支援を行っていきたい。
・交通状況が必ずしもよくない地域における接種会場までの送迎に要する経費については、財政支援を行う。
・条件不利地域への支援について、新型コロナ緊急包括支援交付金(約4.6兆円)を活用して条件不利地域の医療機関も含め、コロナ患者受入れ医療機関に対する医師の派遣として、医師が感染した場合の代替医師の確保・医師等の入院医療機関への派遣のほか、患者の配送先の選定を行う患者搬送コーディネーターの配置等を可能としている。

​ 最後に、武田大臣が「骨太方針の策定等については、地方税財源の充実確保、脱炭素社会の実現に向けた地方の取組への支援等、また新型コロナウイルス感染症対策については、ワクチンや資材の安定的な確保・供給、ワクチン接種に係る体制構築や加速化への支援等、皆様方からいただいたご意見を真摯に受け止め、着実に取り組んでいく。今後とも地方に係る重要政策課題について、皆様としっかりと連携して対応していきたいと考えているので、引き続きよろしくお願いする」と述べ、協議を締め括りました。

【参考資料】

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