ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 全国町村会の活動状況 > 「今後の教職員定数の在り方等に関する国と地方の協議の場(第1回)」に佐々木行政委員会委員が出席

「今後の教職員定数の在り方等に関する国と地方の協議の場(第1回)」に佐々木行政委員会委員が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年5月24日

「今後の教職員定数の在り方等に関する国と地方の協議の場(第1回)」が、5月17日、WEB会議形式で開催され、本会の佐々木哲男行政委員会委員(秋田県町村会長・東成瀬村長)はじめ、飯泉嘉門全国知事会長(徳島県知事)、吉田信解全国市長会社会文教委員会委員長(埼玉県本庄市長)が出席し、意見交換を行いました。​​

全景

冒頭、萩生田光一文部科学大臣が挨拶に立ち、今回の35人学級実現という教育改革の第一歩を踏み出すことができ、地方三団体をはじめ教育委員会、学校、保護者等多くの教育関係者の皆様の後押しと支援に感謝を伝えるとともに、協議の場で取り上げていただきたい課題として、①加配定数を含めた教職員定数の適切な配置、②質の高い教師の確保や正規教員の配置の促進のための取組、③外部人材の活用、④少人数学級の効果の検証、⑤教室不足への対応を含めた教室の環境整備-に加え、校務支援システムの整備について述べました。また、「今回の法改正は、一人一台端末と少人数学級を車の両輪として学校の教育環境を大きく変え、個別最適な学びと協働的な学びを実現することが目的である。この新たな学びの実現に向けて、小学校の35人学級を今後5年間で円滑に導入していくことが極めて重要であり、ただいま申し上げた課題を国と地方が協力して解決していく必要があるので、それぞれの立場から忌憚のないご意見をよろしくお願いする」と締め括りました。

意見交換の場で、佐々木行政委員会委員ははじめに、必要な教員等の加配について、「少人数学級が推進されることにより、児童・生徒一人一人に目が届きやすくなることは大きなメリットではあるが、このメリットを大きく活かすためには、教員の確保が鍵になる」としたうえで、本会行政委員会の町村長に行った意見照会で、『町村において、地域に密着し生き生きとした授業を担っている加配教員が、この法改正を機に基礎定数に振り替えられ、これまでと同様に確保されなくなるのではないか』といった強い不安の声が多数あったことを挙げ、「そうなれば、町村の独自性を活かした特色ある教育を推進できなくなる可能性が高くなる」と懸念を示しました。特に、町村では既に35人を下回る少人数学級を実施しているところが多く、それ以外にも、いじめや不登校等に係る指導、英語等の専科指導などを加配教員が担っているという現状を述べるとともに、「加配教員の多くが町村の学校現場において、質の高い教育や環境の改善に必要不可欠であり、『加配』という言葉で言い尽くせないほどなくてはならない存在になっている。町村にとって、加配教員の配置ができなくなるのは極めて大きな痛手である」と強調、今後5年間で段階的に実施される35人学級の編制にあたっては、令和3年3月の衆議院・参議院の『文部科学委員会 附帯決議』のとおり、必要な定数を削減することなく安定的な財源によって措置することを求めました。さらに、教員数の確保について、「子どもたちの学びの環境をさらに向上させるには、現状の教員数の維持が大前提であり、後に述べる貴重な人材が縮小されることがあってはならない」と述べ、都市部に教員が多く配置されることで、町村部にしわ寄せが来ないよう、十分な配慮を要請しました。また、少人数学級が実施されている町村においても、特別支援学級等に教室が使用されるなど、今後教室不足が懸念されるため、不足する教室の増設にかかる施設設備に係る財政支援も併せて要請しました。
次に教員の質の確保について、昨今教員志望の学生が減少傾向の中、質の高い教員を確保することが大きな課題であるため、「貴重な人材が教育の現場で活躍できるよう、養成や採用に注力していただきたい」と述べました。また、「中山間地や過疎地域の学校では児童数の減少等地域の実情に応じて、小中連携や小中一貫教育に取り組んでいるが、教員の小学校と中学校の教員免許状の併有率が低い状況である」とし、指導範囲の限定等、学校現場に不都合が生じているため、教員養成課程や現職教員において、小学校・中学校両教員免許を取得しやすくするよう、要件の緩和をはじめ、環境整備を要請しました。
最後に、「未来を担う子どもたちに質の高い教育を実践するには、教員が一人ひとりの児童生徒と向き合い寄り添いながら、各自の特性を理解し、個性を伸ばすような学びを支えていくことが必要である。少人数学級推進のためにこれら現場の声をしっかりと受け止めていただき、次代を担う子どもたちに寄り添った教育施策を進めていただきたい」と述べ、意見陳述を締め括りました。

佐々木会長

▲意見を述べる佐々木会長