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新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の実施に関する国との意見交換会に荒木会長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年4月20日

4月14日、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の実施に関する河野内閣府特命担当大臣(新型コロナウイルスワクチン接種担当)、藤井内閣府副大臣との意見交換会がWEB会議形式で開催され、荒木泰臣全国町村会長(熊本県嘉島町長)が出席しました。​​

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はじめに、河野大臣が挨拶に立ち、4月12日からの高齢者の優先接種開始について述べるとともに、「地方三団体から提言いただいたように、少しずつシステムや手順を確認していただきながら拡大し、4月26日の週にはすべての市区町村に1箱ずつワクチンを届ける。5月には毎週約1千万回分のワクチンがファイザーから供給されることになっているのでワクチンの供給はボトルネックにはならないのではないか、接種スピードに応じてワクチンを供給できるのではないかと思っている。ファイザーとの交渉で6月末までには高齢者に2回接種に必要なワクチンを供給できることになっているので、自治体の接種体制に関する必要なサポートをしていく」と述べました。そして、接種券を一斉に発送した自治体に対し、「予約が取れなかったり、コールセンターにかからなかったりというようなことが起きている」とし、自治体の実情に応じて、年齢別・地域別に段階的に接種券を出す等の工夫で、予約の段階で混乱が生じないよう求めました。また、高齢者の接種数については、「ワクチンの接種記録システムに入力された実績を公表していく。市町村別には出さず、全国一律、都道府県ごとにまとめて出していきたい。できれば、接種の都度入力していただくか、次の日の午前までに確実に入力していただけたらと思っている。GWに接種を実施する町村もあるようなので、間に合うように供給したい」と述べました。さらに、4月26日~5月9日の間に全国から7000箱を超える要望をいただいているとしたうえで、「この2週間の配送可能量が4000箱しかないので、高齢者人口等で傾斜配分させていただくが、5月10日からは1日に約1600箱ずつ配送できるようになるので、9日までに配送できないものについてもなるべく早い段階で供給したい」との発言がありました。最後に、「ワクチンの予約をしたが来られない方がいて余った場合には、接種会場のまだ接種していない医療従事者の方に打ったり、接種券を持っている高齢者で順番待ちをしていただいたり、自治体ごとに柔軟に進めていただきたい。人口の小さいところはワクチンが余るところもあると思うので、近隣の自治体と融通して接種を進めていただいてかまわないのでよろしくお願いしたい」と述べました。

 

会議に出席する荒木会長

▲会議に出席する荒木会長

次に、本会の荒木会長が挨拶に立ち、まん延防止等重点措置の対象地域が大阪・兵庫・宮城に加え、東京・京都・沖縄の関係自治体に拡大する中で、今週月曜日から高齢者向けワクチン接種が始まったことに関し、「町村の接種開始はまだわずかであるが、全ての市区町村に1箱届く26日の週からは順次ワクチン接種が開始される見込みである」とし、ワクチンの総量確保の目途がついたという河野大臣の発言に期待を寄せました。また、ワクチン接種が始まり、高齢者の接種風景等がテレビでも放送されていることに触れ、「これから接種が本格化してくると、ワクチンの安全性や効果、副反応などについての国民の理解を深め、ワクチン接種の不安解消を図っていくことも同時並行して大変重要である」としたうえで、ワクチンの有効性も含めたわかりやすい広報について、政府自らの取組とともに、自治体広報やかかりつけ医等の医療機関へのサポートを求めるとともに、「私ども町村は、実施主体としての役割を果たすため、ワクチン接種体制をしっかりと整え、住民の方々に円滑な接種が実施できるよう責任を持って取り組んでいく」と述べました。

続いて意見交換が行われ、荒木会長ははじめに、医師・看護師の確保について、「全国町村会としても申し上げてきたが、中山間地域や離島等の条件不利地域においては医師や看護師等の医療従事者が従前から不足しているため、町村にとってワクチン接種にあたる医師や看護師の確保は最も大きな課題のひとつである」と述べるとともに、「元来、数少ない医療従事者がぎりぎりの状態で地域医療を守っている中で通常診療に加えてワクチン接種を行うことは、医師や看護師にとって相当な負担になる。特に、集団接種ではワクチンの供給時期や供給量が当初の予定から変更になった場合、接種会場、接種可能な人数を含め、全てのスケジュールを再度調整し直す必要があるため、今度は医師・看護師が確保できなくなるといった懸念は、条件不利地域をはじめ多くの町村が不安に感じている。厚生労働省の所管とも関わるが、我々町村としても、引き続き、都道府県や郡医師会等と緊密に連携しながら医師・看護師確保に努める」としたうえで、国に対しても、潜在看護師の掘り起こしや各種団体への派遣の働きかけを行うなどの支援を要請しました。
次に、ワクチンの供給時期と供給量に関する情報の提供について、「町村部においては医師・看護師不足が深刻であるため、ワクチンの供給時期と供給量に関する正確かつ迅速な情報の提供が何よりも重要である」と強調し、「ワクチンの供給時期についても、週単位のスケジュールは示されているが、週の前半と後半とでは接種体制の日程が大きく異なってくるため、医師・看護師を確保し確実に接種を開始するには、何月何日にどの程度供給されるのかといった具体的な情報が必要である」との現場の声を伝え、ワクチンの供給時期や供給量に関する具体的な情報の正確かつ迅速な提供を求めました。関連して、「地域によっては医療従事者への優先接種がいまだ完了していない状況の中で、高齢者接種が始まってくると、町村現場でいろいろと混乱が生じる恐れがある」と懸念を示し、医療従事者分のワクチンについても早急な供給を要請しました。
そのほか、「国から提供されるワクチン接種についての情報が五月雨式に次々に通知されており、現場では重い責任とともに、そのフォローに追われている」とし、「情報のポイント等を受け手の側に立って整理していただくなど、前後の情報について混乱が生じないよう、より一層の工夫をこらしていただきたい」と述べました。

荒木会長の意見を受け、河野大臣は、医療従事者分のワクチンについて、「各都道府県に配送して、それぞれで分配することになっているので、実際にワクチン接種にあたる医療従事者に優先的に接種するよう各都道府県に要請しているところである」とし、「3月末までに各都道府県に送り出したワクチンが、4月13日までに全国で約6~7割の接種が完了しているので、おそらくどこも3割程度は在庫になっている。ワクチン接種にあたる医師・看護師の人数分を分配し接種するよう、都道府県と調整いただきたい。鳥取県などは実際に高齢者の接種にあたる医者・看護師への接種は終えたと聞いているので、都道府県と町村で打ち始めにあたっての具体的な交渉をしてほしい」と述べました。また、「高齢者向けに送り出すワクチンも、これを医療従事者に使っていただいてもかまわない。高齢者向けと医療従事者向けということで2つに分けて送り出しているが、同じワクチンなのでその中でその日や翌週に接種にあたる医者・看護師に打つということも問題ない」とし、都道府県と調整のうえで、自治体の柔軟な対応を求めました。
次に、「ワクチン供給の具体的な情報を自治体にお知らせをすることが一番重要である」との理解を示したうえで、「今の配送システムだけではなかなか難しく、いつ配送可能かという情報が4~5日前にならないとわからず、予約も取れない状況なので、この問題については我々も最重要として考えており、なるべく早い日数でお届けの数と日付をお知らせできるような仕組みを考えていきたい」と述べました。
さらに、高齢者接種における医師・看護師の確保について、「看護師の労働者派遣を使ってもなお確保ができず、困っている町村があるならば、早急に情報提供いただければ、個別にお手伝いできないか考えたい」と応えました。

河野大臣の意見を受け、荒木会長は、「医療従事者のワクチン接種を最優先にし、クラスターが発生しやすい老人福祉施設等に接種を進めていきたい。また、ワクチン供給に関する情報をしっかりと整理をしていただいて、しっかりとそれを受け止めながら進める」とし、医師や看護師が不足している点については、「本会としても各都道府県の事務局を通して情報収集をしてお伝えするので、その際はよろしくお願いしたい」と応えました。そして、「ワクチン接種はコロナの収束を目指す国家プロジェクトであるので、私たちも精いっぱいの努力をしながら一緒になって取り組んでいきたい」と述べました。

最後に、河野大臣は、自治体の職員の方々、町村長に対し、謝辞を述べるとともに、「国としてもしっかりとバックアップし、何かあれば自治体との窓口役の藤井副大臣に遠慮なく言っていただき、我々としても最大限のサポートをする。そのほか、要望等にもしっかりと対応していきたい」と述べ、会議を締め括りました。