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第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定に関する有識者会議に石橋副会長が出席(5/17・23)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年5月30日

 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の下に設置された「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』の策定に関する有識者会議」が5月17日(第4回)と23日(第5回)に開催され、第2期の地方創生に向けた検討等について意見交換を行いました。本会からは石橋良治副会長(島根県邑南町長)が出席しました。

第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』の策定に関する有識者会議

 17日に開催された第4回会議では、次期総合戦略の策定に向けた中間取りまとめ報告書の骨子(案)が示されました。
 骨子(案)に対し、石橋副会長は、第2期における新たな視点として、「ひと」の創生や高等学校を人づくりの中心の一つに位置付けたことや関係人口にも触れたことに対し謝意を表したうえで、広域的な連携について、「地域の担い手の話と自治体業務について、分けて考えるべきであり、『一つの自治体で業務をすべて行うことは困難』と決めつけ、『広域連携で取り組む』とするのは短絡的で飛躍しすぎである。現在審議している地方制度調査会でも、地方側から懸念や慎重な意見が相次いでおり、総合戦略策定の方向性で示すべき内容ではない。よってこの一文は削除を含めて検討いただきたい」と強調しました。
 また、東京一極集中については、地方におけるミニ一極集中が発生しないよう求めるとともに、骨子(案)内の「第2期『総合戦略』の策定にあたっては、短期だけではなく、中長期の経済・社会状況の変化を見据えて、バックキャスティングで検討するべき」との記述に対し、「バックキャスティングについて、イメージがはっきりとしていない。バックキャスティングの前提となる『あるべき姿』は確実・絶対のものではなく、一律に国が決めるべきものではない。バックキャスティングという考え方は課題が多いので、慎重に扱っていただきたい」との懸念を示しました。
 「Society5.0」の推進については、条件不利地域等におけるブロードバンド環境や5Gのような情報インフラ整備に対し、国が責任を持って支援を行うよう求めました。
 最後に、5月16日の財政審議会・歳出改革部会で、財務省が提出した資料において、義務教育について「地域の実情を勘案する必要はあるが、統廃合による小規模校の解消を進めるべきではないか」との記載があったことに対し、「一律の考え方で統廃合をせよという言い方は乱暴である。地域の学校・子供たちを大切に育て、地方創生の核としている市町村の取組みを十分に認識していただいた上で、中間とりまとめを行っていただきたい」と述べました。

意見を述べる石橋副会長

▲意見を述べる石橋副会長

 23日に開催された第5回会議においては、先日の骨子(案)に、各委員からの意見を反映した中間取りまとめ報告書(案)が示されました。
 中間取りまとめ報告書(案)では、第4回会議における石橋副会長の発言も反映され、広域連携、バックキャスティングに関する記述の修正・削除のほか、ミニ一極集中対策の記述の追加などが行われました。

  これに対し、石橋副会長は、本会の意見が報告書(案)に反映されたことに謝意を表すとともに、これらの項目が実際に効果を発揮するために、より一層支援策や推進策が重要になってくるとの認識を示しました。
 関係人口の創出・拡大については、「本会としても、地方と多様な関わりを持つ人々『関係人口』を重要と考えているが、町村は財政的にも厳しく、都市部から離れている条件不利地域が多いため、地域間の移動や滞在に関する費用や財源の面で苦慮している。そういったところに何らかの支援をすることができないか、今後検討していただきたい」と述べました。
 また、高等学校等における人材育成については、「高校生の地域留学をより推進していく必要があるが、留学する高校生に対する奨学金等の支援、受け入れる地域側への助成等がなくては、なかなか進まないのではないかと考えている。高校の問題に関しては、単なる学校教育だけの問題ではなく、地域振興の面も大きく関係してくる。関係省庁は連携をとっていただき、支援をしていただきたい」と求めました。

 最後に、片山まち・ひと・しごと創生担当大臣が、次期総合戦略においては条件不利地域等への配慮や、高校教育による地域課題の解決を担う人材の育成の推進が必要であるとの認識を示し、「皆さまの総意を実現してまいりたい」と述べ、会議を締め括りました。

 今回取りまとめられた中間報告は近く政府に提出され、これを受けて政府は6月中に「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」を審議・閣議決定し、年末に第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定することとしています。

挨拶する片山大臣

▲挨拶する片山大臣