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「国と地方の協議の場」に荒木全国町村会長が出席

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年12月17日

 「国と地方の協議の場」(平成30年度第3回)が、12月17日、首相官邸で開かれ、本会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)はじめ、地方六団体代表が出席しました。政府側は、安倍内閣総理大臣、麻生副総理・財務大臣、菅内閣官房長官、石田総務大臣、片山内閣府特命担当大臣(地方創生)、茂木内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、宮腰内閣府特命担当大臣(少子化対策)、根本厚生労働大臣、石井国土交通大臣などが出席し、平成31年度予算編成及び地方財政対策について協議しました。

「国と地方の協議の場」 平成30年度第3回

  協議においては、平成31年度予算編成及び地方財政対策について、上田全国知事会長(埼玉県知事)からは、①地方への影響が大きな施策に関しては、出来るだけ早期に地方と協議してほしいこと。②一般財源総額について、2018年度地方財政計画の水準を実質的に確保した上で、教育無償化に必要となる財源は、同水準ルールにおいて確保される一般財源の外枠で措置すること。③来年度の臨時財政対策債の新規発行を取りやめるとともに、過去に発行した分の償還を進めることで、臨財債を縮減できるようにすること。④国土強靱化の緊急対策について、事前復興の観点から、自治体がハード・ソフト両面から主体的、計画的に取り組めるよう、新たな財政支援を講じるよう発言がありました。

 また、立谷全国市長会長(相馬市長)からは、幼児教育無償化について、①不足が見込まれる人材や施設整備について今後とも協力いただきたいこと。②不交付団体に対する財政負担について、今後とも配慮することを要望した。また国土強靱化について、全国市長会として、互いに地方で助け合うシステムを構築しているが、その際、道路で言えばダブルネットワーク、海上でいえば耐震化などが強靱化に直接繋がるので、それらの点について対応をお願いするとの発言がありました。

 荒木全国町村会長からは、①地方交付税等の一般財源の確保については、財政基盤の脆弱な町村の命綱であるので、その総額を確保すること。②幼児教育の無償化に伴う地方負担について、地方交付税をはじめ一般財源総額を増額確保するとともに、公立施設の多い町村の状況を踏まえ、目に見える形で地方負担額分の財源手当を行うこと。③西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震の災害に対する一次補正予算、特別交付税措置に感謝するとともに、東日本大震災や熊本地震を含めた被災町村の復興のため、万全の財政措置を講じること。④防災・減災や国土強靱化のための二次補正予算の編成にあたっては、地方負担について確実な財政措置を講じるとともに、緊急防災・減災事業債の恒久化や対象事業の拡大等についても十分な財政支援を行うこと。⑤発効間近のTPPや日EU・EPAについて、影響を受ける農業者等へのしっかりとした対策を二次補正予算において行うとともに、米国とのTAG交渉も毅然とした姿勢で対応すること。⑥農林水産業・地域の活力創造プランに掲げる施策については、産業政策と地域政策とのバランスに十分配慮し、着実に実施すること-を要請しました。

本会からは荒木会長が出席

▲本会からは荒木会長が出席

 これらを受けて、国側からは、はじめに宮腰内閣府特命担当大臣(少子化対策)から、幼児教育・保育の質の確保・向上をはじめとする諸課題については、国と地方のハイレベルによる議論、協議を行う場を設置したこと、また、その中でまずは認可外保育施設の質の確保・向上策を中心に検討を進めるとし、来年10月からの円滑な実施に向けて、国と地方で連携しながら進めていくので宜しくお願いするとの発言がありました。

 根本厚生労働大臣からは、幼児教育無償化に関する協議の中で、地域の実情に応じた柔軟な対応が出来るようにするための検討を行っていくこと、また待機児童対策についても、32万人分の保育の受け皿整備を行うとともに、保育人材の確保等、総合的な支援に力を尽くしていきたいとの発言がありました。

 茂木内閣府特命担当大臣(経済財政政策)からは、TPP等関連対策について、TPP11と日EU・EPAの発効で13兆円のGDP押し上げ効果、75万人の雇用増が期待されており、この経済効果を地方に波及させていくためにも、中小企業の海外展開支援、農林水産業の体質強化、発効後の経営安定対策などを着実に実施していくとの発言がありました。

 石田総務大臣からは、新経済財政再生計画に沿って、地方の一般財源総額の確保及び地方交付税総額の確保による臨時財政対策債の抑制を目指すとともに、幼児教育無償化に係る地方負担については、地方財政計画の歳出に全額計上し、一般財源総額を増額確保した上で、地方交付税の対応にも万全を期し、地方の安定的な財政運営に支障が生じることのないよう努めるとの発言がありました。また、事前復興、防災・減災等については、国でとりまとめた防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に基づく事業が円滑に実施できるよう、地方負担について適切に地方財政措置を講じるとともに、地方自治体が単独事業として実施する治山、河川、農業水利施設等の防災インフラの整備を推進するため、地方財政措置の拡充を検討すると述べました。

 石井国土交通大臣からは、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策について、国土交通省として必要な予算が確保できるよう努めるとともに、地方公共団体向けの交付金・補助金については、総額2兆3,000億円を確保しており、来年度当初予算や今年度二次補正予算についても、必要な予算の確保に努めると述べました。

 その後の意見交換において、荒木会長からは、「少子高齢化の課題が10年も20年も都市部に先行しているのが町村であり、厳しい財政状況の中、子どもは町の宝、村の宝の思いで子育て施策を必死に進めているが、その子どもたちが学業や転職で町外、村外に出て行かざるをえない状況にあるので、地方創生を強力に推進するとともに、都市と農山漁村の共生する社会を実現する観点からも、青少年の農山漁村体験交流は非常に重要であり、抜本的な拡充に向けた対策を講じられたい。また、幼児教育無償化に関して、町村が抱える人材不足は特に深刻な状況であり、受け皿の整備に加え、保育士の養成や処遇改善等の人材確保に繋がる政策の実施をお願いしたい。」との発言がありました。

 これに対し、片山内閣府特命担当大臣(地方創生)からは、2018年改定予定のまち・ひと・しごと総合戦略に「わくわく地方生活実現政策パッケージ」が入ってくることとなっており、小学生のみが対象になっていた地方財政措置について、中学校の取組についても支援の拡大等、関係省庁にもご協力いただいて、連携推進、運営強化していく予定であるので宜しくお願いしたいとの発言がありました。

 その後、到着した安倍内閣総理大臣から、災害対策への政府の取組に言及するとともに、「来年10月からの消費税率の引き上げに当たっては、十二分の消費税対策を講じていくとともに、幼児教育の無償化を実現し、地方と力を合わせて未来を担う子どもたちへしっかりと投資していく。また、安倍内閣として5年目に入る地方創生への取組について、地域おこし協力隊は5,000人超が活動しており、6割の隊員が任期終了後も地域に定着している。こういった流れを全国に広めていく。併せてUJIターンする若者が起業するローカルベンチャーの支援等により、地方にこそチャンスがあると若者に感じてもらうきっかけを作り上げる」と述べた上で、「政府として地方の声に耳を傾け、活力ある地方の創生に力強く政策を進めるので宜しくお願いする」との挨拶がありました。

挨拶する安倍総理大臣

▲挨拶する安倍総理大臣

 これに対し、地方六団体を代表して、上田全国知事会長から、「幼児・高等教育の無償化について、関係閣僚との協議の場を設け、地方の意見を十分聞いて、場も設定いただき感謝申し上げる。総理が進める強靱なふるさとづくりや全世代型の社会保障改革については、地方の問題意識と全く一致しており、国と地方が同じスピードや方向で進めるよう、一般財源総額の確保、臨時財政対策債の縮小、国土強靱化のための地方単独・補助事業の財源確保等について本日協議を行った。総理のリーダーシップのもと、国と地方が共同して我が国の課題に取り組めるよう、地方に配慮した予算編成・地方財政対策をお願いしたい。」との挨拶がありました。

  なお、議長である菅内閣官房長官からは、皆様の思いを真摯に受け止めさせていただき、地方に関わる政策課題については、しっかり地方の皆さんと連携しながら進めていきたいと思うとの発言がありました。

【参考資料】

資料 平成31年度予算・地方財政対策等について 地方六団体 [PDFファイル/288KB]

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