自治体は、平成12年の地方分権一括法の実施によって、自己決定・自己責任の原則の下、個性ある地域づくりにむけて創意工夫を発揮することを強く期待されています。
しかし、財政の危機的状況が深刻さを増しており、私たちは、行政サービスの取捨選択の方途を地域住民に問いかけつつ、徹底した行財政改革を進めなければなりません。
そのための有力な選択肢の一つとして、自主的な市町村合併も推進されつつあります。しかし、合併は住民にとって最重要事項であり、すべての町村は熟慮・検討して、自らの将来を選択すべきだと考えます。
私たちは、こうした時代の要請に果敢に応えつつ、3つの決意を表明するとともに、理解と支持を強く訴えます。
1.農山村の自立にむけて
○ 美しい景観をたたえ、住む人が地域に誇りと自信をもっている農山村は全国民の財産です。町村は、農山村の良さと価値を再認識し、美しい地域を創ります。
○ 農山村では、地域的な自立を実現していくことが必要です。町村は、農山村にしっかりとした所得をもたらすため、異業種・異集団の組織化を図りながら、産業区分をこえて地域を重層的に活用します。
○ これからの時代にとって、自然との共生は大前提です。町村は、地域の自然環境を知り尽くした人たちと協働して、地域再生に取り組みます。
2.町村自治の充実にむけて
○ 農林漁業の振興は町村行政に不可欠な課題であり、自治の仕組みとの有機的な連携が必要です。町村は、地域に根ざした産業政策の担い手になります。
○ 町村には、地域全体を見渡し、住民ニ一ズをきめ細かく捉え、施策調整を図りやすい優位性があります。そのメリットを活かして、独自性を発揮します。
○ 町村は住民に最も近い「最初の政府」です。その責任を全うするため、情報公開と住民参画を一層促進しながら、地域生活の質を高める政策を精選します。
3.農山村と町村の自立支援にむけて
○ 山と川と海が生態系として結びついていることを考えると、農山村が滅びれば、やがて都市も滅びることとなります。農山村の多面的な価値を大切に考え、都市と農山村の共存を揺るぎない国是とすべきです。
○ 日本文化の豊かさは、その多様性にあります。多様な地域が全国に息づくように、都市とは異なる農山村の重要性に眼をむけるべきだと考えます。
○ 全国画一的な自治制度の下で多くの事務を義務づけられ、しかも自主財源が乏しく町村はますます苦境に立たされています。町村の多様性が発揮できるような、事務と財政の新たな自立支援の仕組みが必要です。
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