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つながりを忘れない

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年6月23日
 

つながりを忘れない


福島県大熊町

2883号(2014年06月23日)

2011年6月14日、会津若松市役所第二庁舎で、大熊町の生活支援ボランティアセンター「つながっぺ!おおくま」の開所式が行われました。 東日本大震災以前から、町民の生活を支えるボランティアの拠点作りに必要性を感じていた社会福祉協議会が中心となって、 震災後およそ3カ月でボランティア組織を立ち上げることができました。 困っている町民と手助けをしたいと考えている人々とのかけ橋となれるよう、「つながる」ことをテーマに、センターはスタートしたのです。

「つながっぺ!おおくま」の開所を祝って

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困りごとをなくしたい

震災の影響で、町内にある福島第一原子力発電所がトラブルに見舞われ、震災翌日には全町避難を余儀なくされた大熊町民。 取るものもとりあえず町を後にしたため、突然の出来事に町民の多くが心ここにあらず、といった状態でした。 避難先に届けられる全国からの善意の支援物資の配布や引っ越しの手伝い、高齢者などの心と身体のケアなど、急務と思われる仕事が山積する毎日。そこで、 手を必要としている人と手を差し伸べたい人をつなぐ拠点として、生活支援ボランティアセンターの設立は急を要するものでした。 センターの名称は、「つながっぺ!おおくま」。避難先は分散しても、町民同士つながっていようよ、と気軽に声をかけあう雰囲気を伝えようと名付けました。 生活支援情報発信の柱として、月2回程度情報紙「なごみ」も発行。ボランティア募集を呼びかけました。また、情報が確実に町民に伝わることがわかり、 各種講座やサロン、教室など、センターが主催するもの以外にも、集いの場が増えていきました。

初めて体験することに、みなさん時間を忘れて熱中

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避難生活に寄り添って

同年8月には、3次避難先の仮設住宅で暮らす町民を訪問し、具体的なサポートを担当する「生活支援相談員」の採用も開始。 生活支援相談員は、生活上の相談や生活上の相談や手続きなどの調整、ご近所づきあいなど、町民に寄り添い、生活上の不安を取り除く役目を担いました。 同時に、長引く避難生活の中で、少しでも活気のある毎日になるよう、様々な交流会や体験講座などの企画・運営にも着手。 参加した町民の笑顔や「情報をありがとう」「また参加したい」といった声を糧に、生活支援相談員を含む「つながっぺ!おおくま」は、情報を発信し、 集いの場の提供を心がけています。必要とすることも、必要とされることも、人としてとても大事なことであると実感し、 派手さはないけれども誇りと気概をもって、町民のみなさんの生活支援に日々取り組んでいます。

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「つながり」はコミュニティ

開所から3年が過ぎ、当初7人だったスタッフも30人近くになり、ボランティア登録者も約80人に増えました。 いつか故郷の町に戻る日のために、つながり続けることを目標にして「つながっぺ!おおくま」を運営してきたおかげで、 とびきりの笑顔やあたたかい言葉に出会うことがきました。いまだに避難生活は先が見えないままですが、これからも町民同士が顔を合わせ、 交流できる時間を提供していきたいと考えています。いつか笑顔で町に戻れる日まで。

登山家の田部井淳子さんによる登山・トレッキング講座は、常に大人気
(2011年10月・裏磐梯)

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