福島県楢葉町
2836号(2013年4月8日)
2013年3月3日。「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」※の祈念植樹が楢葉町下小塙で開催されました。30年後の故郷への 想いをこめて、福島県新地町からいわき市まで国道6号線沿いを中心に、10年間で2万本の桜を植えようというプロジェクト。その成功を願う祈念式典に、来賓や県内外からの 参加者を含め、約150人が集い、1.2キロメートルの国道沿いにシダレザクラ100本が植樹されました。
2013年3月3日の祈念植樹に参加したみなさん
※「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」:実行委員会を立ち上げ、NPO法人ハッピーロードネットと地元JCの共催で 推進されている事業。 http://www.happyroad.net/sakuraproject.html
東日本大震災後、福島第一原子力発電所事故の影響で、楢葉町全体が警戒区域となりました。2012年8月に町は警戒区域が解除され、立ち入りは 許可されたものの、宿泊することができないため、町民たちの避難生活は続いています。役場は、仮設住宅のあるいわき市と会津美里町のそれぞれに出張所を置き、 避難している町民たちが一日も早く故郷に帰れるよう、町の再生に尽力しています。また、避難生活の疲れやストレスを癒そうと、町民同士が顔を合わせられる催しなども 定期的に開催。こうして、故郷から心離れぬよう、町に戻ることをあきらめてしまわないよう、様々な策を講じています。「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」も そのひとつと捉えて、町としても積極的に関わってきました。
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1年余りの休校を強いられた町立楢葉中学校は、2012年4月にいわき市の仮校舎で学校を再開し、今年1月からは、同市内に仮設校舎を構えることが できました。ピカピカの仮設校舎での授業が始まって間もなく、「桜プロジェクト」の主催者が事業の主旨説明に訪問。楢葉町を通る国道6号線に植える桜に寄せる メッセージ「30年後の故郷に贈る」を作成することになりました。
のちに、数名の生徒が町内で行われる植樹に出席することにもなりました。「桜プロジェクト」の願いでもある「30年後、満開の桜並木に子どもたちの 笑顔が輝く町であるように」という主旨に賛同した楢葉中学校の生徒たちも、故郷への想いを強くしています。
祈りをこめた植樹で桜並木がつながっていく
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まるで“絆の道”であるかのように、市町村をつなぐ国道6号線。町は、そこに桜を植樹することで、近隣の市町村と心ひとつにして、故郷の再生に向けて 前進していきたいと考えています。
町への立ち入りは自由になったものの、除染が不完全なため、長時間の滞在に不安を感じる町民が多いのは事実です。できることならば、桜と共に 成長していくであろう町のたくさんの子どもたちと一緒に植樹がしたい。町の復興に奔走する大人たちは、その願いがいつかかなえられると信じています。
根本匠復興大臣、西本由美子実行委員長も植樹に参加
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