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会ってしゃべって、つながる笑顔

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年1月21日更新
 

会ってしゃべって、つながる笑顔

  

福島県浪江町

2826号(2013年1月21日)

2012年12月1日。福島県須賀川市の温泉施設に元気な笑い声が響きます。近隣で避難生活を送っている浪江町民が集い、久しぶりの再会を喜びました。 中には、初めて言葉を交わす人もいましたが、みんな同じ町民。一緒に簡単な体操で身体を動かしたり、楽しいひとときを過ごしました。“浪江が故郷”という 深い絆を再び確認し、あたためあう集まりが全国各地で開催されています。   

戸惑いと落胆の中で

東日本大震災直後の福島第一原子力発電所事故による放射性物質漏洩が深刻化し、町全体に発令された避難指示。被災したわが家わが町を後に、また、 家族や親戚の安否を確認できぬまま、避難を余儀なくされた町民も少なくありませんでした。親戚宅に身を寄せ、用意された仮設住宅や借り上げ住宅での避難生活が 始まり、長年築き上げた「ご近所さん」の輪も、散り散りとなってしまいました。先の見えない避難生活、知らない町での生活は、遠慮や気後れが拭えない…多くの 町民が外出を控え、家にこもりがちな日々。やがて、あちこちから、ご近所さんがどこにいるのか、近くに浪江町民が避難しているのかどうかもわからない。せめて町民 同士が顔を合わせられる機会を作って欲しい」との声が聞こえ始めました。

難しいポーズのない「ラフターヨガ(笑いヨガ)」で心も身体も活性化

  

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とにかく、会って話す

時同じくして役場でも、町民のために何かできないかと模索中でした。とにかく避難先でも近隣に住む浪江町民同士でコミュニケーションを取って、 不安だらけの避難生活を一緒に乗り越えていこうと、「なみえの“しゃべり場”~集まれ!浪江のなかま~」と銘打った交流の場を設けることにしました。第1回目は、 2012年1月に東京で開催。当日集まった100人を超す町民たちは、楽しいことも辛いことも含め「今」を共有し、会場内は話の花で満開となりました。その後も、 特定非営利活動法人まちづくりNPO新町なみえ、高崎市域震災復興支援委員会、高崎経済大学櫻井研究室、そして避難先の諸団体やNPOなどの協力を得て、福島県内の みならず、全国津々浦々50ヵ所以上の避難先で、同様の交流会が開催されています。そして、おしゃべりするだけでなく、昼食会、温泉、演奏会、ヨガなど、 各種講座なども組み込まれるようになりました。

初の交流会で尽きない話題

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受動型から能動型交流会へ

2012年8月から、山形県と千葉県で各3名の「復興支援員」が任命されました。これは、避難した浪江町民同士、また町民と役場との「つなぎ役」として 配置されたものです。一番の使命である、復興支援員主催の交流会もスタートしています。山形では、浪江の家庭料理ともいえる「すいとん」を参加者で作って一緒に 食べるという参加型の交流会を開催しました。懐かしい味に、自然とほころぶ笑顔とはずむ会話。今後は、さまざまな受流会の形を生み出しながら、 浪江町民の笑顔をつないでいきます。

懐かしい「すいとん」を参加者みんなで作り、楽しく美味しくいただきました

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