2000(平成12)年にはじまった中山間地域等直接支払制度。本書は、2015(平成27)年度から第4期目がスタートしたこの制度について、制度創設の背景から、 5年間を一区切りとする各節目における変遷内容の解説と将来展望を示したもの。
各節目毎にどこがどう変わったのか、そしてどのような影響が現場に及んだのか。単なる制度解説書にはみられない筆者らの分析は、 中山間地域にとってもはや必要不可欠の標準装備となった本制度の意義を再確認し、より良い仕組みへと発展することを願う関係者の思いが込められているように感じる。
コンパクトな記述の中に、制度の仕組みと課題、農山村再生を展望するその射程までを見通すことができる好著。農政担当者に必携書となるであろう。