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日本のTPP交渉参加の真実-その政策過程の解明-

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月28日

日本のTPP交渉参加の真実-その政策過程の解明-

作山 巧・著
文眞堂 2800円+税

無題

筆者は、農林水産省に行政官として25年間勤務し、WTO、EPA、TPPなどの国際交渉官等を歴任した後、2013年より明治大学で教鞭を執る研究者。 筆者は本書の性格について、「TPP交渉参加の是非を論じるものではなく、情報不足を解消し、健全な国民的議論への架け橋となることを願う」ためと位置づけている。 

2010年10月に民主党の菅首相が、TPP交渉参加の検討を表明したのはなぜなのか、続く野田首相が、交渉参加を表明しなかったのはなぜか、さらに、政権を奪還した安倍首相が、 2013年3月に交渉への正式参加を表明したのはなぜなのか。こうした疑問を、研究者の論文や政治家の証言の緻密な分析を通じ、そして何よりも、 交渉の一次情報に触れる機会を得た筆者自身の視点を通じて解明していく。TPPの起源に遡る1998年から交渉参加を決定した2013年までの間について、歴代政権の対応を振り返るパートは、 政治分野のノンフィクション作品のような生々しさがある。国際交渉とは、どのような視点から、誰がアクターとなって立ち回っているのか、臨場感とともに俯瞰できる。 TPPの交渉過程に分け入った類書にない特徴を持つ本書は、TPP交渉のこれまでと、これからを考える上で貴重な視座を提供している。