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ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月7日

ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント

松永 桂子・著
光文社新書 740円+税

無題

 

「ここ数年、地域を取り巻く環境や価値観は変化を遂げている」という書き出しで始まる本書は、その変化の内容を、都市・農村という場所のフラット化、人々の働き方、 新たな自営や地場産業のあり方といった切り口で描き出している。駅前商店街の驚くような復活劇の背景、山村のサテライトオフィスで常識にとらわれないワークスタイルを満喫する若者、 専門性を持つ中小企業がヨコ連携でつながることの強みなど、「ローカル志向の時代」を象徴する興味深い話題が登場する。このほか、地場産業の現場では、 モノだけでなく地域全体を巻き込んだ新たなデザインの取り入れに気付き始めた人が生まれていること。「食」の振興や「環境」への取組でたしかな成果を上げている町村についても紹介。 これからの地域経営で問われるのは、ストーリー性の付与や「規模」から「価値」へのシフトなど「センス」だと指摘する。深掘りしたい実例が多く、紙幅の制約が惜しい。 

また、経済学者ならではの俯瞰した時代背景の解説は、読み手にとって取り上げられた実例の、現在的位置付や価値を理解する補助線となる。 

いま地域が面白いのはなぜか、地域の変化を読み、意識を変え、そして行動するためのヒントが得られるであろう。