2040年には全国896の市区町村が「消滅可能性都市」に・・・。増田レポートは多くの市町村や住民に衝撃をもたらした。一方で、「消滅可能性都市」 1位とされた群馬県南牧村では、空き家バンクの活用や新規就農者などによって移住者が増加傾向にある。また、8割以上が消滅可能性都市とさ れた島根県でも、複数の町村で近年人口が増えている。なぜ今農山村に人々が集まりつつあるのか。本当の豊かさとは何か。本書は、南牧村のように 消滅の可能性を提示されながらも、活気あふれる活動を行い続けている多くの町村のルポである。
福島県では、震災を期にエネルギーの重要性が見直され、「2040年に再生可能エネルギー100%」を目標として、会津地方を中心に自然エネルギーの利用をすすめる動きが広まっている。自らが使うエネルギーを創り出し、自らが消費する食べ物の一部を自給する。単なる経済効率性だけでは評価できない「豊かさ」の新しいモデルがそこにある。
人を動かすのは、人の思いである。本書から、地域振興に賭ける人々の熱い思いが伝わってくる。