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はじまった田園回帰 現場からの報告

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年3月16日

はじまった田園回帰 現場からの報告

小田切徳美・藤山 浩・石橋良治・土屋紀子・著
特定非営利活動法人 中山間地域フォーラム企画
農文協ブックレット 900円+税

無題

 本書は、昨年7月14日に開催された中山間地域フォーラム主催のシンポジウム「はじまった田園回帰-『市町村消滅論』を批判する」の記録である。会場となった東京大学・弥生講堂には、 申込を断るほど多くの人々が全国からつめかけ、関心の高さがうかがわれた。シンポジウムは、市町村消滅論の批判を謳っているが、その中身は単なる分析や批判を超えた実践的な提案になっている。 フィールドワークを欠かさない2人の研究者、移住・定住で脚光を浴びる町長、田園回帰を果たした東京生まれの女性。説得的な「現場からの報告」が綴られている。心に留めておきたいのは、 登壇者の発言内容が、特異事例の紹介ではなく、地道な観察や取組、発想の転換に由来していることである。自治体関係者は、いま地方創生政策への対応に追われている。 その対応が、「追い込まれる」ことにならないよう、広い視野でしっかりと足元を見つめ直すためのヒントを本書は与えてくれるであろう。人口減少だけが問題なのではない、問われているのは、 私たちの暮らしであり、地域、社会のあり方だ(藤山氏の発言より)。